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NEW PRODUCTS TESTREPORT

関東電子
APOLLO-JET KE-5000
EZDVとDVXPLODEを装備した低価格DV編集マシン
TEXT:天野 司 Tsukasa Amano


前面部のリムーバブルHDDフレームと背面部のIEEE1394端子が本機の特徴となる
 関東電子のAPOLLO-JET KE-5000は、コンパクトな筐体に数々の機能を詰め込んだハイコストパフォーマンスDV編集マシンだ。

 ハードウェアスペックを見ると、CPUにCeleron 566MHz、メインメモリ128MB、HDD容量20GBと、最近の水準から比較するとやや控えめな仕様と言える。マザーボードは、チップセットにApollo Pro133Aを採用したECSのmicroATXボード「P6VAP-Me」だ。

 ここまでは、何の変哲もないマシンのように感じられるかもしれないが、本機最大の特徴は、DVビデオキャプチャボードとしてカノープスのEZDVが搭載されている点にある。DVノンリニア編集が流行している昨今、DV編集機能を搭載していることをセールスポイントにする製品は数多く登場している。しかしそれらの製品のほとんどは、単にIEEE1394カードを搭載したことで「一応」ビデオ編集が可能といった程度にすぎない。ある程度の知識を持ったユーザーには知られていることだが、EZDVやDVRaptorといったDV編集専用のカードと、単なるIEEE1394カードとの差は、編集時の画質、レンダリング性能、バンドルソフトの操作性など、どれをとっても雲泥の差があるのだ。つまり、このKE-5000はそうした「形だけ」のDV編集にとどまらない、本格的なビデオ編集を志向したマシンなのである。


SPECTRA 5400ベースのビデオカードDVXPLODE
 さらにKE-5000ではビデオカードとして、同じくカノープスのDVXPLODEを採用している点も特徴となっている。これは、同社のビデオカード「SPECTRA 5400」をベースとしてDV編集用に特化させた製品で、ビデオチップとして搭載されているnVIDIAのRIVA TNT2が持つ3Dレンダリング機能をビデオ編集時における3Dエフェクト機能に応用し、こうしたエフェクト処理の高速化を図ったものだ。またEZDV用に用意されたチュートリアルビデオが2本付属しているなど、ビデオ編集に関しての装備はかなり充実している。


EZDVのIEEE1394インターフェースカード。DVキャプチャはソフトウェアによって行なう
 DV編集機として利用した際のKE-5000の操作性は、定評あるEZDVを使用しているため理解しやすく、動作も比較的スムーズだ。DVXPLODEは、エフェクトアクセラレータとしての動作はもちろんのこと、ベースがSPECTRA 5400だけのことはあり、高解像度、多色表示での画質劣化も少ない。そのため大型のディスプレイと組み合わせることで編集の効率は一層向上するだろう。

 HDDがリムーバブルケースに収められている点も特徴と言える。標準の20GBという容量では、現在の水準からすると大容量とは呼べないが、本格的にビデオ編集を始めるとどれだけ大容量のHDDが搭載されていても、いつかは増設が必要になるものだ。そう考えると、標準搭載容量を上げるより、簡単にHDDを換装可能なリムーバブルケースを使用できるほうが便利なわけだ。


EZDVの編集機能を受け持つEzEdit。テロップの挿入やシーン間をつなぐトランジションエフェクトも実現する
 このほか、サウンドチップはCMI8738がマザーボードに搭載されるほか、56kbpsモデムおよび10BASE-T/100BASE-TX対応LANカードが標準装備されている。その半面、内部拡張スロットに空きはないが、本機ほどの装備があればその必要性も低く、お買い得なマシンと言うことができる。DV編集を本格的に楽しみたい人にとって魅力的な製品となるはずだ。


  • 製品名:APOLLO-JET KE-5000
  • 標準価格:179,800円
  • メーカー:関東電子株式会社
  • 問い合わせ先:03-3257-6217
  • URL:http://www.kanto-ele.com/
  • CPU:Celeron 566MHz
  • チップセット:VIA Apollo Pro133A
  • メモリ(最大):128MB PC100対応SDRAM(512MB)
  • HDD:約20GB
  • FDD:2モード
  • CD-ROMドライブ:最大40倍速
  • ビデオチップ:nVIDIA RIVA TNT2
  • ビデオメモリ:32MB SDRAM
  • 最大解像度:2,048×1,536ドット/65,536色
  • サウンドチップ:CMEDIA CMI8738
  • モデム:56kbps(V.90/K56flex対応)
  • キーボード:112キー(PS/2接続)
  • 拡張スロット(空き):AGP×1(0)、PCI×2(0)、PCI/ISA×1(0)
  • インターフェース:USB×2、IEEE1394(S400、4ピン)×1、キーボード(PS/2)×1、マウス(PS/2)×1、シリアル(Dsub 9ピン)×2、パラレル(Dsub 25ピン)×1、ディスプレイ(Dsub 15ピン)×1、LINE IN×1、LINE OUT×1、マイク×1、GAME/MIDI×1、モデム(RJ-11)×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1
  • 本体サイズ(W×D×H):175×300×380mm
  • 重量:非公開
  • OS:Windows 98SE
  • 付属ソフト:EzEdit、EzNavi、EzVideo、EzAudio、EZDV Test、SoftXplodeなど

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □関東電子のホームページ
    http://www.kanto-ele.com/
    □製品情報
    http://www.syspec.co.jp/prod/ke5000.html


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