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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
ヤマハ NetVolante RT60w 無線LANを搭載した
TEXT:法林岳之 Takayuki Hourin |
多機能ながら、前面、背面ともにスッキリとまとめられたデザイン。台座の部分は電池ボックスも兼ねる |
データ通信は64/128kbps同期通信モード、PIAFS2.0/2.1 64kbps非同期通信モードなどに対応し、ISDN回線と64/128kbpsデジタル専用線、OCNエコノミーなどで利用可能だ。また、ドイツのRVS-COMが開発したISDN回線上で利用できるFAXソフト「RVS-COM2000」(国内ではメガソフトが販売)にも対応している。ただし、これらのデータ通信はISDNルーターなどとして利用する場合のみに限られ、シリアルポート(RS-232C)経由で接続するISDN TAとしての機能は搭載されていない。
本体にはDSUを内蔵しており、DSUの切り離しや屋内配線逆転時の反転機能、ほかのISDN機器を接続するためのS/T点端子も備える。停電時の乾電池によるバックアップ機能も搭載する。
設定はWWWブラウザを使って行なうHTML方式。そのメニューもグラフィカルなアイコンを使って階層化されているため、扱いは容易と言える。このほか、クライアント用の設定ツールも用意されている |
ルーター機能は基本的にRTA52iの最新版ファームウェアと同等で、DHCPサーバー/クライアント、コールバック、フィルタリングなどの機能が搭載されている。イーサネットポートは10BASE-T準拠の4ポートハブになっており、その内の1ポートはストレート/クロスの切り換えが可能だ。
本体のデザインはRTA50/52iなどから一新され、平たい縦型を採用している。前面に液晶ディスプレイ、右側面に電源スイッチなどを備え、そのほかのコネクタ類は背面にまとめられている。
RT60wで新たに搭載されたIEEE802.11b準拠の無線LAN機能は、Lucent Technologies製の無線コントローラを搭載することで実現されている。ヤマハからはクライアント用無線LANカードは販売されず、IEEE802.11b準拠のものであれば、原則的には接続できるとしている。ヤマハのホームページによると、エレコムの「LD-WL11/PCC」やコレガ製「PCC-11」などでの動作確認が取れているとのことだ。
セットアップはRTA52iなどと同じWWWブラウザ経由となるが、クライアント用設定ツールも用意されており、有線のイーサネット接続であれば比較的セットアップしやすい。無線LANのみで設定する場合は、本体前面のボタン類でESS IDを設定し、クライアント用無線LANカードにも同じ情報を設定する。ただ、今回試用したメルコの無線LANカードに付属するユーティリティでは、実際には無線で接続されているのにRT60wが認識されないという現象が見られた。どちらに原因があるとは言い切れないが、多少の相性問題も発生するようだ。
RT60wでは2台のRT60wを用意し、離れた場所のLANを無線で接続する無線ブリッジ機能も搭載されている。さらに、2001年1月提供予定のファームウェアに更新することにより、無線ブリッジ機能で接続された複数のRT60wのアナログポート間での通話機能も実現される予定だ。
ルーター機能の信頼性と安定度の高さは相変わらずだが、無線LAN部分の情報がやや少ない点が気になる。しかし、フレッツ・ISDNの導入などで、無線LANとISDNルーターが必要なユーザーにとって、有力な候補であることは間違いない。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□ヤマハのホームページ
http://www.yamaha.co.jp/
□製品情報
http://netvolante.rtpro.yamaha.co.jp/RT60w/index.html
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001010/yamaha.htm