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クリエイティブメディア NOMAD Jukebox CD100枚以上を収録可能な MP3ジュークボックス TEXT：藤本 健　Ken Fujimoto

6GBのHDDを内蔵したNOMAD Jukebox。写真はメタリックブルーのモデルだが、シルバーも存在する

　クリエイティブメディアから新たに発売された「NOMAD Jukebox」。サイズもほぼ同一のため、一見するとポータブルCDプレイヤーかと思ってしまいそうだが、これにCDが入るわけではない。本製品は6GBという大容量のHDDが内蔵されたMP3プレイヤーなのだ。

　従来、同社のNOMADシリーズはもちろん、他社の製品を含めたMP3やAAC、ATRAC3などプレイヤーは、ほぼすべて記憶メディアとしてスマートメディアやコンパクトフラッシュ、メモリースティックなどの半導体デバイスを用いていたが、一般的にこれらの容量は、大きなものでも256MBほどだった。これに対して本機は、その20倍以上となる6GBもの容量を持った2.5インチHDDが用いられている。6GBという容量は、128kbpsでのMP3圧縮を行なった場合、60分の音楽CDが100枚ほど収録できるという計算になる。これだけあれば、お気に入りのCDのほとんどを本機1台にまとめることができるだろう。

背面にはUSB端子やLINE OUT端子などが配置されている

　現時点で対応しているフォーマットはMP3とWAVEであるが、ファームウェアをアップデートすることで近日中にWMAへも対応する予定だ。WMAであればMP3の倍の圧縮率でも十分な音質が得られるため、さらに大量の楽曲を収録することも可能となりそうだ。

厚みもそれほどなく、カバンなどに入れて移動するにはまったく問題のないサイズだ

　ポータブルCDプレイヤーサイズのNOMAD Jukeboxだが、これが携帯可能であるのかは誰もが気になるところだろう。結論からすれば、サイズ、重量から見ても十分持ち歩けるし、バッテリ駆動時間も約4時間と実用的なレベルに達している。そして8MBものバッファが搭載されているので、音飛びにも十分対応可能だ。ただし、衝撃に弱いHDDが搭載されているため、運動の際に身に着けるような使用法には向かない。どちらかと言うと、本機をリビングや台所、パーティ会場などのPCが存在しない場所へ持って行き、そこで電源をつないで使うといったレベルでの利用が最適だろう。

本機とPCを接続するアプリケーション、Play Center 2。このソフトでプレイリストの作成もできる

　NOMAD Jukeboxのライン出力は2系統用意されているが、これはサラウンド対応になっている。つまり４チャンネルのサラウンドスピーカーを接続すれば簡単に立体音響を構築できてしまうわけだ。これを実現するためにNOMAD JukeboxにはDSPが内蔵されており、イコライジングやリバーブのほか、Sound Blaster Live!のエフェクトとほぼ同等の効果を得ることができるのだ。とくにイコライザはパラメトリックEQとなっており、低音域、中音域、高音域とそれぞれ好みのレベルに設定することができる。また音程を変えないでスピード調整を可能にする機能なども用意されているので、単に音楽だけでなく、英語の教材などを入れたときにはスローモードで再生させて、しじっくり聞くといった利用法もありそうだ。

　さすがに100枚ものCDが収録されているとすれば、目的の曲を探し出すだけでも大変そうだが、実際触ってみたところ、プレイボタンやストップボタンなどの通常の操作ボタン類のほかに液晶の下にファンクションボタンが三つ用意されており、これとスクロールボタンを組み合わせることで直感的な操作ができた。アーティストごとの検索やアルバム名からの検索はもちろんのこと、直接文字を入力して曲をダイレクトに探し出すことも可能だ。また、DSPを用いたエフェクトの設定なども簡単に行なえたので、操作に関してあまり心配することはない。プレイリストの作成はNOMAD Jukebox単体でも可能だが、PC側でも作成することができ、これを転送すればより簡単に行なうことができる。さすがに、これまでMP3プレイヤーを複数開発してきたメーカーだけにあって、この辺りはよく考慮されている。

　このほかにもWAVEファイルでのレコーディング機能があったり、まだリモコンは発売されていないもののIR端子を装備していたりするなど、ユニークな機能も豊富に持っている。従来とはまったく違った利用ができるMP3プレイヤーだ。