NEW PRODUCTS TESTREPORT

ロジテック オ～！舞画TV LVC-TV タイムシフト再生にも対応した 低価格テレビチューナーユニット TEXT：天野 司　Tsukasa Amano

S-VIDEO入力とLINE INを備えるため、簡単なアナログビデオキャプチャボックスとしても機能する

　ロジテックの「オ～！舞画TV LVC-TV」は、Windows Me/98/2000に対応したUSB接続のテレビチューナー・ビデオキャプチャユニットだ。トランスルーセントブルーと白のツートンカラーでまとめられたボディは、直方体の一辺が盛り上がったユニークな形状。厚みのある側にはアンテナ線を接続するためのF型コネクタが配置され、その反対の面にはUSBケーブルが直付けされる。

本機とPCの接続はUSBケーブルのみで行なう。電池や電源アダプタの必要がないバスパワード動作だ

　側面にはビデオ入力用のS端子とオーディオ入力用のミニジャックが配置されている。コンポジット入力用のVIDEO端子は用意されていないが、コンポジットケーブルをS端子に接続するためのアダプタが付属しているので、問題はないだろう。電源はUSBからのバスパワード供給のため、ACアダプタなどを必要としないので、ノートPCユーザーなどでも手軽に扱えるはずだ。オーディオ入力は、もちろんステレオに対応するが、内蔵のテレビチューナーは音声多重には対応せず、テレビ録画時はモノラル音声となる。

　このユニットは、受信したTV画像を352×288ピクセル、30fpsでPC側に転送する能力を持つ。ただしPC上で実際に表示や録画される際には、テレビ表示・録画ソフト「PowerVCR II」によって320×240ピクセルにリサイズされるので、この解像度がそのまま画面上で表示されるわけではない。

タイムシフト再生にも対応したTV表示・録画ソフトPowerVCR IIの画面。(画面ははめこみ合成)

　PowerVCR IIは、DVD再生ソフト「PowerDVD 2000」の開発元であるサイバーリンクの手によるもので、操作パネルはPowerDVD 2000とデザインが統一されている。画面表示は独立した一つのウィンドウとなっており、表示サイズは先述の解像度に固定だ。ウィンドウを自由にリサイズできない点はやや残念だが、唯一、フルスクリーンへの拡大表示は行なうことができる。

録画時の設定は、細かく行なうことができ、スムージングや、ノイズ除去といった処理を施すこともできる

　キャプチャ画像は、リアルタイムで行なわれるソフトウェアエンコードによりMPEG1/2のフォーマットで保存することが可能だ。ソフトウェアエンコードと言うと、高いCPUパワーが必要となると考えてしまうのだが、この問題については、キャプチャモードを増やすことで解決している。

　たとえばMPEG2の高画質モードなどを選択してしまうと、確かにPentium III 850MHzといった高いパワーが要求される。しかしMPEG1の低画質モードならば、Pentium II 350MHz程度でも対応可能なので、現在使われている多くのPCでストレスなく利用することができるだろう。低画質モードと言われると抵抗を感じるかもしれないが、ハードウェアの解像度が352×288ピクセルなので、高画質モードとの画質差はそれほど大きくないと言えるレベルだ。

録画時のエンコードモードの設定は非常に多彩だ。CPUパワーに応じて選択するとよい

　PowerVCR IIでは、タイマー機能によってテレビ番組を予約録画することができるだけでなく、追いかけ再生などの高度な機能にも対応する。また、キャプチャ済みのファイル同士を組み合わせた簡易編集機能もあるので、簡単な編集も楽しめる。なにより、キャプチャされたファイルは、一般的なMPEG1/2ファイルなので、MPEGフォーマットに対応した再生ソフトや編集ソフトがそのまま利用できる点は魅力だろう。実際、キャプチャされたファイルとDVD-Videoの再生を兼ねてPowerDVD 2000も付属しているので、24,800円という価格は思った以上にリーズナブルだ。

　USBの帯域幅の問題から、キャプチャ解像度が低くなってしまう点は残念だが、その半面、ノートPCでも利用でき、電源も不要なため手軽に扱える。多彩な機能と使い勝手を考えると、なかなかコストパフォーマンスの高い製品と言える。