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NEW PRODUCTS TESTREPORT


ATI Technologies
ALL-IN-WONDER RADEON

DVI出力を標準サポートした
RADEON搭載ALL-IN-WONDER

TEXT:本間 文 Bun Honma



テレビチューナーが搭載されたことから、従来のRADEON搭載カードとは異なる基板設計となっているALL-IN-WONDER RADEON
 テレビ表示からMPEG2キャプチャ、ハードウェアDVD再生支援機能を1枚のカードで実現したATI TechnologiesのALL-IN-WONDERシリーズに、同社の最新GPU(Graphics Processing Unit)であるRADEON搭載モデルが追加された。今回は、そのALL-IN-WONDER RADEONを一早く入手できたので、ファーストインプレッションをお伝えすることにしよう。


MPEG2エンコードのほか、RGB-NTSC変換やビデオキャプチャを行なうサブセットチップ、ATI RAGE THEATER
 従来モデルALL-IN-WONDER 128 PROからの最大の変更点は、やはりビデオチップにRADEONを搭載したことだろう。その基本的なハードウェア構成は、先行しているRADEON 32MB DDRと同様で、コアクロック166MHzのRADEONチップにSamsungの166MHz版DDR SGRAMを組み合わせたものだ。MPEG2エンコードチップには同社のRAGE THEATERを採用し、ビデオチップ側に大きな負荷がかかった状況では、DVDデコードもこのチップで肩代わりすることも可能となる。これにより、1,600×1,200ドットなどの高解像度で3Dゲームなどをウィンドウで楽しみながら、DVD-Video再生を行なうこともできる。


カードにはDVI-I端子が備えられているが、付属のアダプタによりアナログRGB信号を一般的に使用されているDsub 15ピンへ出力することができる
 テレビチューナー回路部は、今回も北米仕様で、日本国内のステレオ放送やADAMS-EPGなどのインタラクティブチャンネルガイドには対応していない。とはいえ、テレビ画面を一時停止したり、気になるシーンをリプレイしたりと、生放送でも自分のペースで楽しむことができるタイムシフト機能もサポートされているので、PC上で好きな番組を楽しむ程度であれば十分だろう。


録画モードはユーザーの任意で細かく設定できる。インターレース処理の有無なども指定可能だ
 テレビチューナーの設定や記録・再生クオリティなどは、ウィザード方式で設定できるため、初心者でも、比較的容易に扱えるはずだ。また、タイムシフトでバッファリングされた画像は、MPEGファイルとして保存することもできるほか、予約録画も可能だ。ただし、タイムシフトの時間はバッファリングする画像品質とHDDの容量で決まり、標準画質では1時間の記録に約2.35GBの空き容量が必要となる。もちろん、Pentium III クラスのCPUと大容量HDDを組み合わせれば、720×480ピクセルで30fpsのフルフレームレートでの録画も可能だ。さらに、同軸のS/P DIF出力が可能となったことにあわせ、ATI DVD PLAYERがDolby Digitalの5.1ch再生にも対応している。


コントロールパネルのデザインは従来のものと大きな違いはなく、スッキリとまとまっている
 また、ディスプレイ出力がDsub 15ピンのアナログRGB出力から、DVI-Iのデジタル・アナログ出力1系統に変更されたのも特筆すべき点だ。これにより、DVIインターフェースを採用したデジタルLCDディスプレイへの接続が可能になった。実際、EIZOの15インチLCDディスプレイ、FlexScan L371にDVIによる画像入力を行なったところ、隅々までクリアでまったくブレのない画質を得ることができた。ただ、DVD-Video再生やテレビ出力などの動画表示では、インターレースをノンインターレースに補間表示しなければならないため、どうしてもギクシャクした感じを受けるが、本製品の動画設定ではLCDという項目も設けられており、残像効果の大きな液晶でも比較的スムーズに再生できるように工夫されているようだ。

 最近は、テレビ録画機能やMPEG2キャプチャ機能を持ったメーカー製PCも数多く発売されている。自作PCや既存のメーカー製PCにもこれらの機能を組み込めるという意味では、実にお買い得感の高い製品と言えるだろう。


  • 製品名:ALL-IN-WONDER RADEON
  • 標準価格:オープン(実売40,000円前後)
  • メーカー:ATIテクノロジーズジャパン株式会社
  • 問い合わせ先:03-5275-2241
  • URL:http://www.ati.com/jp/pages/jp_index.html
  • ビデオチップ:ATI Technologies RADEON
  • ビデオメモリ:32MB DDR SGRAM
  • 最大解像度:2,048×1,536ドット/1,677万色(アナログRGB)、1,600×1,200ドット/1,677万色(DVI)
  • インターフェース:
     カード部:DVI-I×1、S-VIDEO・VIDEO・LINE・S/P DIF出力用複合ケーブル端子×1、I/Oボックス接続用端子×1
     I/Oボックス部:S-VIDEO IN×1、VIDEO IN×1、LINE IN×1
  • 対応OS:Windows Me/98/2000

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □ATIテクノロジーズジャパンのホームページ
    http://www.ati.com/jp/pages/jp_index.html
    □製品情報
    http://www.ati.com/jp/pages/products/pc/aiw_radeon/index.html
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    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp