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カノープス SPECTRA F11 高画質と低価格の両立を図った
TEXT:天野 司 Tsukasa Amano |
SSHやDFHテクノロジに対応したカードとしては安価なSPECTRA F11。バランスのよいカードだ |
0.18μmプロセスで製造されるnVIDIAのGeForce2 MX。その処理能力は700MTexel/sにも達する |
F11のハードウェアは、基本的にこれまでのSPECTRAシリーズ同様、価格よりもクオリティ面を重視した設計となっている。アナログRGB信号をメイン基板から分離させたSSH(Signal Super Highway)や、二通りのアナログフィルタを選択可能なDFS(Dual Filtering System)など、同シリーズ独自の機能はしっかりと継承されている。
「MEDIA CRUISE」。ビデオキャプチャ/再生、オーディオ再生など数多くのマルチメディアファイルを扱える(画面ははめこみ合成) |
冷却ファンもやはり信頼性に優れた国産のものだ。ビデオメモリはSPECTRA 8400と同じく32MBだが、DDRメモリではなく、メモリクロック166MHz動作のSDRAMを採用している。ただし、このチップは、マージンを見て184MHzまで対応可能なチップのようだ。
従来機同様、SSH-Type-BコネクタやBB75ケーブルなども使用可能だ |
ソフトウェア面では、従来同様nVIDIAのリファレンスドライバに対してカノープスが独自にチューンナップを施したオリジナルドライバが付属する。このほか、統合型マルチメディア制御アプリケーション「MEDIACRUISE」、ハードウェアT&Lに対応した3Dソフト「SLシミュレーター蒸気機関士LE」などもバンドルされる。
ベンチマーク環境 CPU:Pentium III 800EBMHz、マザーボード:Intel D815EEA、メモリ:PC133対応SDRAM 128MB(CL=2)、HDD:IBM DTLA-307030(30GB)、Vsync=OFF、1,024×768ドット/32bitカラーモード |
数々の贅沢なパーツを採用している関係上、ミドルレンジ向けといえども、F11の価格はほかのGeForce2 MX搭載製品に対して実売で10,000円程度高価になる。とはいえF11と他製品との間には、ブランド力の差にとどまらない品質の差が存在することも確かだ。実際、その画質は従来製品同様、高解像度でもシャープで見やすいもので、ドライバ設定の使い勝手も良好だ。こういった部分に価値が見いだせる人には、お買い得感の高い高品質モデルと言えるだろう。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□カノープスのホームページ
http://www.canopus.co.jp/
□製品情報
http://www.canopus.co.jp/catalog/spf11/spf11_index.htm
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000804/canopus.htm