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NEC MultiWriter210S MultiWriter2300 高速、低価格を追求した モノクロページプリンタ2製品 TEXT：薮田織也　Oliya Yabuta

両機種とも2段の給紙トレイを持つため、複数の用紙を使い分けたい場合や、まとまった枚数を印刷したい場合に応じてセットする用紙の組み合わせを変更できる

　さまざまなビジネスシーンを幅広いラインナップでサポートする、NECのレーザープリンタMultiWriterシリーズに、コストパフォーマンスに優れたニューモデルが追加された。今回紹介するMultiWriter210SとMultiWriter2300の2製品だ。両製品とも、MultiWriterシリーズのミドルレンジモデルとして位置付けられているモノクロレーザープリンタで、小規模なオフィスから中小企業向けの用途に適している。外観はほぼ共通しているが、両面印刷機能の有無などに違いがある。

　210S、2300ともに共通して言えることは、A3対応レーザープリンタでありながら幅459×奥行448×高さ319mmと、かなりコンパクトなボディを持っていることだ。従来のMultiWriterシリーズと比べて、約64%の容積、約76%の重量を実現している。確かに小規模オフィスにおいて、プリンタの小型化と軽量化は重要なポイントとなる。その点この2製品であれば、A3対応プリンタとしては設置場所をあまり選ぶこともないだろうし、従来製品よりも楽に移動できる。

本体前面に配置されたコントロールパネルにより、印刷の中断や印刷方向の指定などが行なえる。液晶パネル付きのため比較的操作は行ないやすい

　複数ページの印刷スピードが速いこともビジネスプリンタとして優れた点だ。210Sの場合、A4を1分間に12ページ、2300になると20ページ印刷できる。高速化のポイントは、用紙トレイからトナーカートリッジまでの用紙搬送部品の配置を最適化したことにある。つまり、用紙を送る時間を短くしたので、1枚だけの印刷ではライバル機種と比べても大きな違いは出ないが、2枚目以降でしだいに差が付いてくるわけだ。また、節電モードからの復帰時間も大幅に短縮されている。従来のMultiWriterシリーズであれば約30から60秒かかっていたところが、210Sで約9.5秒、2300で約8秒となっている。これは、トナーを用紙に定着させるユニットのヒートローラーと内部のヒーターの距離を、従来の約1/5にすることで、ヒートローラーを短時間で印刷温度まで加熱できるようにしているためだ。

　ドライバやユーティリティも秀逸である。両面印刷や複数部数の印刷など、各種設定も分かりやすいし、NECが従来より提唱しているMOPYING（モピーイング）という、一度印刷したジョブファイルを保存しておき、後から部数を指定して何度でも印刷できる機能も搭載されている。

　次に個々の製品について触れていこう。210Sのウリは、A3対応で解像度600dpiのレーザープリンタが98,000円という低価格に設定されている点だ。まさにSOHO環境に最適なプリンタと言える。もちろん、オプションのLANボードを装着すれば、単独で稼働するネットワークプリンタとして使うこともできる。

リプリントユーティリティ。一度印刷したジョブファイルを保存しておき、後からコピー機の要領で再印刷できる

　これに対して、2300はA3用紙対応で解像度は1,200dpi、両面印刷機能を搭載して138,000円という価格設定だ。印刷業務の多いSOHO環境から、もう少し規模の大きいオフィスや、高い印刷が必要なユーザーに適したプリンタと言えるだろう。ユニークなのは、パラレルインターフェースを二つ搭載していることで、2台のPCから接続でき、自動で印刷ジョブを振り分ける機能が搭載されている。もちろん2300もLANボードに対応しており、二つ目のパラレルインターフェースを無効にすることでLANボードを装着できる仕組だ。

　このように、MultiWriter210Sと2300は高速印刷と低価格を両立することで、経費と時間を節約したいビジネスシーンにマッチしたプリンタに仕上がっている。