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エプソン販売 GT-7700U GT-8700 高性能と低価格を両立させた デジタルフォト入門機 TEXT：本間 文　Bun Honma

　OCRや新聞、雑誌記事のスクラップ用途をメインに一世を風靡したシートフィードスキャナや、本格的なデジタルフォトやデザイン分野をターゲットとしたフィルムスキャナがしだいに姿を消す中で、フラットベッドスキャナは着実に高性能化を果たし、ゆっくりとはいえ市場を拡大し続けている。そんな中、エプソン販売からコンシューマ向けのフラットベッドスキャナ2製品が発売された。

GT-7700Uの前面に位置する三つのワンタッチスキャニングボタンでは、直接スキャニングが行なえるだけでなくプリントアウトなども可能

　Super Colorio Scannerの最上位モデルとなるGT-8700（上部写真右）は800dpi CCDをRGB各色ごとに二組ずつ千鳥配列にした1,600dpi HyperCCDを搭載。高解像度化に伴い光学系も強化され、新開発の4群6枚のレンズと従来比（GT-7600比）約1.5倍の明るさを実現した新光源の採用、RGB各色14bit入力のサポートなどにより、ドキュメントスキャニングはもとより、35mmフィルムから4×5インチサイズの大判フィルムのスキャニングなど、プロフェッショナルニーズにも柔軟に対応できる。しかも、この新光源とレンズの採用により、OD値（光学濃度）は最大で3.2を達成し、高性能フィルムスキャナ並みの性能を実現している。

　GT-8700の画質へのこだわりはそれだけではない。CCDチップ面の反射が原因で発生するゴースト（主に輪郭部などにうっすらと二重に見えるノイズ）を取り除くため、CCD面に反射防止用のフィルタを施している。さらに、これまではCCDとは別回路にされることが多かったADコンバータをCCDと同一基板上に組み込むことで、アナログ信号の引き回しによるノイズの干渉などを最小限に抑えるようにも工夫されている。インターフェースはプロフェッショナルユースもにらんだ製品らしく、高解像度のデータを効率よく処理できるようにSCSI-2とUSBのハイブリッド接続をサポート。また、4×5インチまでのサイズに対応する透過原稿ユニットを標準装備したGT-8700Fもラインナップされる。

　また、同時発売されたGT-7700U（上部写真左）は、1,200dpi HyperCCDを採用したミドルレンジモデルで、ベストセラーとなったGT-7600の後継モデルにあたる。筐体にはエントリーモデルのGT-6700Uと同じデザインを採用し、ScaNavi、DPE-Navi、Mail-Naviの3ボタン構成のワンタッチスキャニングボタンを装備する。ソフトウェアには、GT-8700/7700U共通で、GT-6700Uで採用され好評の統合デスクトップ環境のEPSON SMART PANEL for Scannerを採用。E-mailや付属のDPEソフト、Copyソフトなどとのリンクが手軽にできるようになっているが、肝心のスキャニングソフトウェアはEPSON TWAIN5と呼ばれる本格的な画像調整も可能なものに変更されている。

　気になる画質は、GT-8700に関してはフラットベッドスキャナとは思えないほどシャープでクリアな画像が得られる。しかも、TWAIN5でアルゴリズムが改良されたUnSharp Maskの効果も手伝って、GT-7700Uでも低価格フィルムスキャナ並みの画像が得られる。やや気になのは、オリジナルよりもコントラストが若干強めに出る傾向にあることだ。しかし、これはGT-8700で39,800円、GT-7700Uにいたっては26,800円という低価格を実現したコンシューマ向けの製品と考えれば、初心者でも見映えのよい画像が得られるようにチューニングされていると見るべきなのだろう。その意味で、GT-8700、GT-7700Uともにデジタルカメラの画質に飽きたらず、本格的なデジタルフォトにチャレンジしたいと考えているユーザーには、入門機として安心してオススメできる製品だ。

元データ	GT-7700U（600×600dpi）	GT-8700（600×600dpi）