富士通フロンテック、カラー電子ペーパー搭載読書用端末「FLEPia」
3月18日 受注開始 価格:99,750円 富士通フロンテック株式会社は18日、表示装置にカラー電子ペーパーを搭載した携帯情報端末「FLEPia(フレッピア)」の一般販売を開始した。すでに受注は開始しているが、出荷は4月20日からとなる。2年間で約5万台の出荷を目指す。 同社の直販サイトのみの販売で、価格は99,750円。ボディはホワイトとブラックの2色。オプションのブックカバー(5,800円)と収納ケース(5,500円)も2色用意される。 FLEPiaは、2007年4月に発表され、企業向けにサンプル販売を行なってきた。2008年10月には、世界初のカラー電子ペーパーを搭載した携帯情報端末というコンセプトが認められ、グッドデザイン賞を受賞している。 FLEPiaは、電子書籍や新聞などの購読用端末としての使用を想定している。最大の特徴であるカラー電子ペーパーは、8型で768×1,024ドット表示。表示色数は64/4,096/26万色の3モード、書き換え速度は、それぞれ1.8/5/8秒となる。 本体のCPUはARMアーキテクチャーのXScale PXA270で、OSはWindows CE 5.0を搭載。バッテリはリチウムポリマー充電池で、クレードル経由で充電する。バッテリ充電時間は約3時間で、駆動時間は約40時間(64色モードで2,400ページ表示)と長い。本体サイズは158×12.5×240mm(幅×奥行き×高さ)、重量は385g。本体は縦長で、画面は電磁誘導式のタッチパネルを兼ねる。表示パネルの下にはスクロールと決定キー、6つのファンクションキーが用意さる。
今回、一般向け販売を開始するにあたり、光学特性の最適化により、画面の明るさとコントラストをそれぞれ1.5倍に改善、電子ペーパーの欠点である書き換え速度も1.7倍に高速化した。また、IEEE 802.11b/g無線LANに加え、Bluetoothを搭載し、携帯電話経由でのダイヤルアップ接続を実現している。 また、PCやPDA用の電子書籍フォーマットである、シャープのブンコビューア(XMDF形式)とボイジャーのT-Time(.book形式)に対応した。コンテンツの購入についても、パピレスと提携してFLEPiaでアクセスできるブックストアをオープンする。これにより、約2万冊の電子書籍がダウンロード購入可能となる。コンテンツは、最大4GBのSDメモリーカードに格納する。4GBのカードを使用した場合、約5,000冊分のデータが保存できるとしている。
質疑応答では、以下のような詳細が明らかになった。 ・メニュー等は64色で構成されているが、通常は4,096色モードで表示する・表示速度については、モノクロ電子ペーパーには劣るが、将来的なコンテンツの内容を考えるとカラーが必要だと思う ・販売目標5万台のうち、約20%は企業向けと想定しており、企業向けには開発キットなども別途用意している ・2011~2012年にかけては10~20万台の出荷を目指す。その時点での端末価格は4~5万円を目指したい ・カラー電子ペーパーの表示速度は、4,096色モードで1秒以下を目指したい ・マガジン/コミック用のリーダーについては、将来的に搭載したい なお、新聞などの購読用端末として、各新聞社にも紹介しているが、ビジネスモデルの問題もあって、まだ実現できていないという。また、普及のためには、たとえばベストセラー書籍や新刊書籍の電子化が課題としている。その際には、コンテンツ保護機構への不安解消が課題としていた。 読書を主目的とする情報端末は、米国ではAmazonの「Kindle」のように50万台以上を出荷した例があるが、国内では現在まで成功例はない。FLEPiaについても、まだ端末価格が高価なことや、表示速度などの課題はあるものの、既存の電子書籍コンテンツへの柔軟な対応などの新しい試みもあり、今後の売れ行きに注目したい。
□富士通フロンテックのホームページ (2009年3月18日) [Reported by date@impress.co.jp]
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