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ブラザー、9.7型電子ペーパー搭載のドキュメントビューワ

「SV-100B」

6月1日 発売

価格:オープンプライス



 ブラザー工業株式会社は、9.7型の電子ペーパーを搭載したドキュメントビューワ「SV-100B」を6月1日に発売する。価格はオープンプライス、直販価格は139,800円。

 表示解像度が1,200×825ドット(約150dpi)の9.7型電子ペーパーを搭載した、薄型のドキュメントビューワ。電子ペーパー部は電気泳動方式の反射型で、4階調のグレースケール表示が可能。画面切り替え時のみに電力を消費するため、長時間駆動が可能。付属のリチウムイオン電池で約5,000ページの表示が可能としている(1分単位でページ切り替えを行なった場合は約83時間)。

 表示に対応するフォーマットは独自形式。Windows XP/Vista専用のプリンタドライバを組み込み、アプリケーション上からデータをドライバソフトに対して印刷をすることで、独自のデータを生成する。

 本体にはUSBインターフェイスとmicroSDスロットを備えており、PCからmicroSDに保存したデータを閲覧できる。2GBのmicroSDが付属し、約10,000ページを保存できる。microSDHCには非対応。

 また、Bluetooth 2.0+EDRも備えており、端末側の対応が必要だが、表示する画面をBluetooth経由で転送することも可能という。

 さらに、セキュリティ機能として、128bit AESによる暗証番号ロック機能を備えており、本体側でパスワードを解除してから閲覧できる。

 本体サイズは237×247×15.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約600g(microSD/バッテリ含む)。寿命は37万ページ表示、または5年間。バッテリ、ACアダプタ、USBケーブル、ソフトケース、ドライバCDなどが付属する。

本体正面 本体側面 本体背面
発表会場に展示されたSV-100B モノクロ印刷したようなイメージで表示される 拡大表示時は横表示になり、ページがほぼ2分割される
操作部はシンプルでわかりやすい セキュリティで保護されたフォルダ内を閲覧しようとすると4桁のパスワードを求められる。なお、パスワードはPC上のソフトから設定する バッテリは本体背面に搭載されている

●紙とPCのギャップを埋めるソリューション

ブラザー工業 執行役員 神谷純氏
 12日に都内で開かれた記者発表会では、ブラザー工業 執行役員 神谷純氏が、SV-100Bの製品戦略について説明した。

 現在、ブラザーの事業のうち、複合機/プリンタ/FAXなどの事業が72%強を占め、残りをミシンやその他の事業が占めている。しかし、現在はITの進化やグローバル化が進むことで、ワークスタイルとライフスタイルが多様化しているため、新たな事業の開拓に力を注いでいるという。

 そのうちの1つが「ネットワーク&コンテンツ配信」事業、もう1つが「ネットワークイメージングデバイス(NID)」事業であるという。

 前者に関しては、子会社のエクシングが実践しており、カラオケの楽曲をネットワークを通じて配信している。一方、今回の新製品は後者をカバーするためのもので、「ユーザーの時間や空間を制約せず、さまざまな場所での仕事を支援し、生産性や創造性を高める効果がある」とした。

同社の現在の事業構成 IT革命によるワークスタイルとライフスタイルの多様化 2つの新たな事業を展開していく

ブラザー工業 NID開発部 プロジェクト・マネジャーの藤井則久氏
 新製品の主な特徴について、同社 NID開発部 プロジェクト・マネジャーの藤井則久氏は、「人間の情報摂取量はPCの普及によって爆発的に増えたが、PCのディスプレイで閲覧できる情報量には限界がある。一方、紙媒体には環境やセキュリティの問題がある。そのギャップを埋めるのが、電子ペーパーソリューションである」という。

 例えば、PCの液晶と比較した場合、省電力性に優れ、保守作業時の長時間の閲覧などには便利だとする。また、操作もPCと比較して簡単で、マウスオペレーションなどの複雑な操作が不要で、機動性が高いとする。紙と比較した場合は、microSD 1枚につき約10,000ページを保存できるため携帯性に優れるほか、データを暗号化して保存できる機能など、セキュリティ性も優れるという。

 電子ペーパーのインクは、電子ペーパーの先駆けとなった「E Ink」を採用。その理由として、「コントラスト比が高く、視認性に優れるだけでなく、低消費電力などさまざまな面から考慮した結果」とした。

 新製品が今後狙っていく主な市場は、直近では保守作業、メンテナンスなどを行なうエンジニア向けとしており、「PCのように駆動時間を気にせず保守マニュアルを参照でき、なおかつA4サイズに近い大きさで表示される」ことをウリにしていく。また長期的に生活に溶け込むツールとして、個人の生活に必要な情報などを参照するツールとして出していきたいとした。

PCと紙のギャップを埋めるソリューションとしての電子ペーパー インクにはE Inkを採用している 紙に近い特徴の一部
紙と比較してセキュリティ性に優れる 将来的には生活に溶け込むツールとして、さまざまな情報を持ち運んでもらうことを想定する 転送には専用のツールを利用する。専用ドライバに印刷したときはいったんこのソフトにスタックされ、そこからUSB経由で接続し、転送していく仕組み

□ブラザー工業のホームページ
http://www.brother.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.brother.co.jp/news/2009/sv100b/feature/
□製品情報
http://www.brother.co.jp/product/epaper/info/sv100b/

(2009年3月12日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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