ソニー「VAIO type P」ワイヤレスWANモデル
〜いつでもどこでもインターネットに繋がる利便性




ソニー VAIO type P ワイヤレスWANモデル。外見はワンセグモデルと違いはない

2月14日 発売

価格:オープンプライス



 VAIO type Pが発売されて半月あまりが経過した。すでに多くのユーザーの手元に初期ロットが届き始め、入手されたユーザーも少なくないだろう。VAIO type PにはいくつかのSKU(製品種別)があり、店頭モデルではワンセグ搭載モデル(VGN-P70H)、ワイヤレスWAN搭載モデル(VGN-P80H)の2系統が用意されている。ワンセグモデルに関してはすでに販売が開始されているのだが、ワイヤレスWAN搭載モデルに関しては発売がやや遅れて2月14日から販売が開始される。

 これは、ソニーの直販サイト(ソニースタイル)などで注文時により細かなスペックの選択が可能な“VAIO・OWNER・MADEモデル”に関しても同様だが、こちらの受注は3日の13時より開始される予定となっている。

 本記事ではこのVAIO type PのワイヤレスWAN搭載モデルに関してのレビューをお届けしたい。基本的な仕様は、すでにお伝えしているワンセグモデルなどと同等なので、重複しているところに関してはそちらを参照してただき、本レポートでは特にワイヤレスWANモデルの特徴と言えるワイヤレスWANおよびセットになっている内蔵GPSに関しての使い勝手に関してレポートしたい。

●ワンセグ、WWAN+GPS、どっちもなしの三択

 ソニーのVAIOシリーズは、今回紹介するVAIO type Pに限らず、店頭モデルとVAIO・OWNER・MADEモデル(以下CTOモデル)という注文時にスペックを決定するモデルの2系統が存在する。店頭モデルに関しては、スペックは限定されてしまうもののその場で購入できるというメリットがあり、CTOモデルに関しては注文してからの生産ということになるので手元に届くまで時間はかかるものの好みのスペックにすることができるというメリットがある。また、1.86GHzのAtomプロセッサやSSD、オキニスブラックの本体色といった店頭モデルにはないスペックを選ぶことができるのもCTOモデルのメリットだ。

 しかし、CTOモデルでも絶対選べない組み合わせもある。それが、ワンセグ、ワイヤレスWANの両方入りモデルだ。というのも、VAIO type Pでは内部のPCI Express Mini Cardスロットに、ワンセグおよびワイヤレスWANのモジュールを装着する形になっており、VAIO type PにはFMC(Full Mini Card)のスロットが1つしかないため、どちらかしか選択できないのだ。もう1つ忘れてはならないのは、後述する内蔵GPSの機能はワイヤレスWANとセット、つまり内蔵GPSはワイヤレスWANと同じPCI Express Mini CardのPCB上に実装されているということだ。このため、内蔵GPSがどうしても欲しいというユーザーであれば、店頭モデルのワイヤレスWANモデルかCTOモデルでワイヤレスWANを購入時に選択する必要がある。

 なお、CTOモデルの場合、ワンセグもワイヤレスWANも無いモデルを選択することができる。従って、ワンセグも、ワイヤレスWAN+GPSも必要ないというユーザーはCTOモデルを選択することになる。

飛行機の中など電波を出してはいけないところなどでワンタッチで電波をオフにできるようにハードウェアスイッチが用意されている SIMスロットはバッテリを外したところにある

●下り7.2Mbpsの定額制プランは2年契約ISP料金込みで月額7,560円

 VAIO type P ワイヤレスWANモデル(以下本製品)のワイヤレスWANは、NTTドコモが提供する3.5GのいわゆるHSDPAと総称される高速データ通信サービス「FOMAハイスピード」に対応している。通信速度は下り(受信時)7.2Mbps、上り(送信時)384kbps(0.384Mbps)となっている。もちろんこの通信速度は論理的な速度であり、常にこのスピードが出るというわけではなく、あくまでベストエフォートと呼ばれる通信の混雑状況などにより速度が変化する方式となっている。

 本製品の場合、サポートされるのはNTTドコモのFOMAハイスピードのみで、他のキャリアのSIMを入れても基本的には利用することができない(つまりSIMロックがかかっている)。もっとも、日本のキャリアでNTTドコモと同じ周波数でHSDPAのデータ通信サービスを提供しているのはソフトバンクモバイルだけ(イー・モバイルは両社とは異なる周波数でHSDPAサービスを提供しているためそもそも利用できない)だが、ソフトバンクモバイルの場合PCからのデータ通信には定額の料金プランが設定されていないため、利用した場合には料金は青天井となり、下手すれば百万円単位の請求が来ることになる。なお、NTTドコモの回線をMVNO(回線貸しによるサービスの提供)してサービスを提供しているキャリアのサービスは利用できる可能性があるが、むろんソニーやNTTドコモのサポートは受けられないので、その場合には自己責任ということになるので注意したい。

 本製品でFOMAハイスピードを契約する場合には、NTTドコモが提供する「定額データプラン」に申し込むことが前提となるだろう。データ通信はパケットと呼ばれる単位で課金されるが、PCの場合にはちょっとWebサイトに接続しただけでも軽く数MBに到達してしまう。というのも、PC向けのWebサイトはテキストベースではなく、画像データなどがふんだんに利用されているからだ。そうしたサイトの閲覧を繰り返していると、GB単位のデータ通信をしてしまい、料金が数十万円となりいわゆる“パケ死”と呼ばれるとても払えない請求が届く羽目になる。このため、ある一定の金額に達したらそこで料金が打ち止めになる定額制に申し込むのは必須と言ってよい。

 NTTドコモの「定額データプラン」は専用のソフトウェアをインストールし、それからダイヤルアップすることで50万パケットまでを月額4,200円、100万パケット以上の場合には月額10,500円と料金に天井を設定してくれるので、“パケ死”の不安無く利用することができる。さらに「定額データ割」という2年間契約を前提にした割引プランも用意されており、それに申し込むと月額最大3,780円の割引となる。例えば、毎月100万パケット以上利用するユーザーなら月額6,720円(税込み)で利用できる計算になる。ただ、別途ISPの料金も必要になるので注意が必要だ。対応しているISPはドコモのWebサイトで公開されているOCNやInfoSphere、ぷらら、デオデオエンジョイネット、IIJなどになるが、こうしたISPとの契約がない場合にはNTTドコモが提供するmopera Uの「U定額HIGH-SPEEDプラン」を月額840円で利用することができる。従って、トータルでは月額7,560円ということになるだろう。

 なお、本製品のデスクトップに用意されている“ワイヤレスWAN通信回線の契約について”というアイコンから、“定額データプラン”と“定額データ割”の契約を申し込むと、3万円のキャッシュバックが受けられるという期間限定キャンペーンが行なわれており(別記事参照)、今回初めてNTTドコモの定額データプランを契約するというユーザーであれば積極的に利用するといいだろう。

●利用できるポートに制限はあるが内蔵による手軽さは大きな魅力

 本製品のSIMカードは、バッテリを取り外したところにあるSIMカードスロットに挿入する。バッテリが入っていなければ電源が入らない携帯電話とは異なり、PCの場合にはACアダプタをつなぎさえすれば、バッテリがついていなくても電源をONにすることができるため、通電中のSIMカードの抜き差しも不可能ではないが、SIMカードの挿抜が電源が落ちていることを前提に設計されていることを考えると、通電中の抜き差しは間違ってもしないように注意したい。なお、サスペンドに関しても同様で、かならず電源が完全にオフになるハイバネーション(Windows Vistaでいうところの休止状態)にしてから抜き差しするようにしたい。

 データ通信を行なうには標準でプリインストールされている「ドコモコネクションマネージャ」を利用する。NTTドコモの定額データプランは、限られた“電波”という資源を効率よく利用する目的でいくつかの制限がかけられている。その代表はTCP/IPのポート制限だろう。

ドコモコネクションマネージャの初回設定。もちろん定額制だけでなく従量制も選択できるが、確実に“パケ死”になるので定額制を選択すべし モデムを検索すると、内蔵のモデムが選択される ドコモコネクションマネージャのメイン画面、接続を押すだけでインターネットへの接続が確立される

 TCP/IPの仕組みには、IPアドレスという住所以外に、ポート番号という特有の“ドアの番号”がある。言い換えると、そのPCやサーバーが存在している住所がIPアドレスで、その住所に複数のドアが用意されていてどのドアを開けたらよいかを示すのがポート番号になる。例えば、Webブラウザを利用してWebサイトを閲覧する時には80というポート番号を、ftpを利用してftpサーバーにアクセスする場合には21というポート番号を指定することになる。すべてのインターネットを利用するアプリケーションはこのポート番号を指定する仕組みになっている。

 NTTドコモの定額データプランでは、P2Pソフトのような大幅な帯域を使って通信するタイプのアプリケーションにより帯域が消費されてしまうことを防ぐため、利用できるポート番号を制限している(どのポートが利用できるかはNTTドコモのWebサイトを参照していただきたい)。そうした指定を行なうために、こうしたドコモコネクションマネージャが利用されている。つまり、逆に言えばこのソフトウェアを利用しないと定額データ割にはならないので注意したい。

 初回のみモデムの設定などの設定が必要になるが、2回目以降はドコモコネクションマネージャを起動し、“接続”のボタンを押すだけでインターネットに接続され、利用可能になる。

 使い勝手だが、やはり内蔵されていることのメリットは小さくない。携帯電話を利用したモバイルブロードバンドとしては、他にもUSBのドングルや携帯電話とBluetoothやUSBで接続して通信する例が考えられるだろう。しかし、それらの場合には、USBのケーブルを接続したりと、利用するまでにどうしてもワンクッション入ってしまうのだが、本製品のように内蔵されていればそうしたことを考える必要はなく、PCをサスペンドなどからレジュームしてドコモコネクションマネージャを起動して接続というボタンを押せばすぐにインターネットに接続した状態になる。この手軽さは大きなアドバンテージと言える。

●VAIO Location Searchとペタマップを利用したロケーションアウェアネス機能を実現

 本製品のもう1つの魅力は、GPSを内蔵していることだろう。PCでは古くからシリアルポート、USB、Bluetoothなどを通じて外付けGPSを利用するということは行なわれてきたが、実のところ最初からGPSを内蔵したPCは、日本だと2008年に工人舎が発表したSCシリーズぐらいしかなかった。PCにGPSが内蔵されてこなかった最大の理由は、1つにはいくらノートPCをモバイルする人が多くなったといっても、GPS衛星が補足できるような外で利用するシーンが自動車の中ぐらいしか考えられなかったからだ。

 しかし現在では、すでに携帯電話にGPSがほとんど内蔵されており、地図サービスなどと組み合わせて利用することで、現在地のロケーション検出し、それを生かして乗り換え案内やナビゲーションなどのアプリケーションが提供されている。本製品のような場合によってはスマートフォンと競合するような製品の場合、やはりスマートフォンで利用可能なGPSの機能が内蔵されているのは自然な流れだと言っていいだろう。

 本製品の場合、GPSそのものでの測位というよりは、無線LANで位置情報を取得する「PlaceEngine」とのハイブリッド測位の機能をサポートしているという表現が正しい。PlaceEngineはソニーコンピュータサイエンス研究所が開発し、クウジットがライセンスしているソフトウェアで、PCや携帯電話などの機器の周辺にある無線LANのアクセスポイントを認識し、それをデータベースと照合することで位置を測位できるというシステムだ。

 なお、PlaceEngineそのものはクウジットのWebサイトからダウンロード可能で、別に本製品でなくても利用することができる。しかし、本製品の場合には、通常のPlaceEngineとは異なるUIの「VAIO Location Search」という仕組みを採用している。VAIO Location SerachはInternet Explorer 7のアドオンで、ツールバーとしてアドレスバーの下に表示される。VAIO Location Searchは、ブラウザを起動するごとに測位が行なわれ、その測位が可能な状態であればその時点での場所が表示されることになる。測位ができれば、その時点のおおよその住所が表示される。その状態で横に表示されている“ペタマップ”のボタンを押すと、ソニースタイルが提供するスポット情報サイトである“ペタマップ”のサイトに飛び、Google Mapの地図データを利用した地図で現在地がわかるようになっている。ただ、現在地は中央に表示されるだけで、特にマークなどは表示されない。これはVAIO側の問題というよりはペタマップの仕様らしく、一般的なPlaceEngineのツールを利用した場合にも同様の使い勝手になる。

 ペタマップにはグルメ情報、ホットペッパー、無線LANホットスポットの位置情報、ガソリンスタンドの位置価格情報(gogo.gs)などの多数のコンテンツが用意されており、VAIO Location Searchのツールバーからどのコンテンツにアクセスするかを決めて地図を表示することができる。例えば、ガソリンスタンドの情報であれば自分がいる場所近くのガソリンスタンドの一覧と場所が表示され、価格情報がある場合にはガソリンの価格をチェックすることもできる。さらにグルメピアであれば、自分がいる場所の近くにある話題のレストランをチェックしたりもできる。

 難しく言うと、こういう仕組みはロケーションアウェアネスと呼ばれる機能の1つで、すでに携帯電話では当たり前のように実現されているものだが、それを初めてPCで本格的に実現したことは評価していいだろう。

VAIO Location Searchを利用しているところ。Internet Explorerのアドレスバーの下にあるツールバーに現在地の住所が表示される。ペタマップのボタンを押すとペタマップでの地図が表示される。現時点ではペタマップでしか利用できないが、将来的にはほかのサービスでも利用できることを期待したい PlaceEngineからもGPSからも測位できない場合にはこのように表示される
ペタマップの複数のサービスから表示するコンテンツを選択できる ペタマップのサービスの1つであるガソリンスタンド検索サービス(gogo.gs)の地図表示。ガソリンの価格なども表示されて便利

●PlaceEngineとGPSのハイブリッド測位は地図ソフトなどからも利用可能

 すでに述べたように、VAIO Location Searchの測位はPlaceEngineとGPSのハイブリッドで行なわれる。つまり、両方が有効の場合には両方の位置データが利用され、片方のみが有効の場合にはそれだけを利用して行なうということだ。なお、両方有効の場合に、PlaceEngineとGPSどちらが優先されるのかなど詳細に関しては非公開だが、おそらく両方のデータを比較してより実態に近いものが優先されるということではないかと予想される。

 ただ、ちょっと惜しいのは、HSDPAの基地局からの位置測位ができないことだ。HSDPAの基地局からおおよその位置測位は測定できるので、できればサポートしてほしかった。もう1つ惜しいのは、HSDPAを利用している場合には、無線LANの電波が強制的にOFFになってしまうことだ(その逆、つまり無線LANが有効の場合には、HSDPAの電波はOFFになる)。確かに、HSDPAで通信している時には、通信という意味では無線LANは必要ないので、バッテリ駆動時間や電波の感度ということを考えると正しい仕様なのだが、HSDPAで通信中にはPlaceEngineが利用できなくなってしまうのはやや残念だ。おそらくアンテナが共用であるためこうした仕様になっているのだろうが、特に都心などではPlaceEngineを利用することで測位の精度が高まるだけに、できればHSDPA通信中でも無線LANを有効に出来るようにして欲しかった。

 なお、PlaceEngineとGPSのハイブリッド測位は、VAIO Location Search以外からも利用することができる。本製品には“VAIO Virtual COM Port”という仕組みが用意されており、GPS測位の仕組みを持つアプリケーションでこのCOMポートを指定すると、PlaceEngineと内蔵GPSを利用したハイブリッド測位が可能になる。本製品には標準でプロアトラスSV4 for VAIOという地図ソフトがプリインストールされており、そこからVAIO Virtual COM Port(コントロールパネルにある“VAIOの設定”のVAIO Location Searchのタブから確認することができる)を指定すれば、ハイブリッド測位によるGPSナビゲーションが可能になる。むろん、プロアトラスSV4以外のGPS機能を持つ地図ソフトからでも利用可能なので、手持ちの地図ソフトをインストールしても利用することが可能だ。

無線LANかワイヤレスWANかは二者択一で排他的にしか利用できない。ワイヤレスWANとPlaceEngineが同時に利用できないのは惜しい “VAIOの設定”を利用するとVAIO Virtual COM Portの番号を確認できる。それにより一般的なGPSアプリケーションからPlaceEngineとGPSのハイブリッド測位が可能 地図ソフト「プロアトラスSV4」からもVAIO Virtual COM Portを指定可能

●高速な内蔵ワイヤレスWANとリアル0スピンドルのすごさを体感

 最後にベンチマークということになるのだが、すでにハードウェア編で一般的なベンチマークは行なわれているため、ここではワイヤレスWANを利用した場合の通信速度や温度、騒音などについてチェックしていきたい。

 ワイヤレスWANを利用した場合の通信速度は、RBBtodayが提供する通信速度測定サイトを利用して行なった。比較対象として用意したのは、イー・モバイルが発売しているS21HT(Touch Diamond、下り7.2Mbps/上り384kbps)で、S21HTをUSBケーブルで本製品に接続してテストした。なお、S21HTのOSであるWindows Mobile 6.1では、一般的なダイヤルアップではなく、インターネット共有という仕組みを利用してPCからの通信を行なう仕組みとなっている。このため、言ってみればプロキシを通すようなもので、そこでのオーバーヘッドはあるものと考えられ、直接にキャリアの通信速度を示すものではない。従って、今回のテストではNTTドコモとイー・モバイルの回線の速度を純粋に比較するものではないので注意して欲しい(実際に回線業者のパフォーマンスを比較するなら同じモデムで行なう必要がある)。あくまで、体感的な例として、S21HTを外付けモデムとして使う場合と、本製品の内蔵HSDPAモデムを利用した場合を比較しているものだとご理解いただきたい。

 なお、レビューに使用した本製品は、CPUがAtom Z540(1.86GHz)、2GBメモリ、64GB SSD、ワイヤレスWAN、無線LAN、BluetoothというCTOモデルで、結果は次の通りだ。

【グラフ1】ワイヤレスWANのパフォーマンス(千葉県松戸市付近)
【グラフ2】ワイヤレスWANのパフォーマンス(東京都台東区付近)

 テストは2カ所で行ったのだが、いずれの結果でも本製品の内蔵HSDPAモデムが高速な通信速度であることが見て取れる。特に、千葉県松戸市における結果では4.32MbpsというADSL顔負けの結果がでていることは注目してよいだろう。もちろんこうした結果は回線の空き具合などに影響されるものであるので、常にこうした結果がでるものではないことは付け加えておく。

 表面温度に関してだが本製品の場合CPUファンを内蔵していないため温度が気になるユーザーもいるだろう。結論から言えば、温度に関してもあまり気にならないレベルだ。

【表】VAIO type Pの表面温度
測定ポイント WAN通信時 高負荷時
左側裏面 33.8℃ 37℃
右側裏面 28.9℃ 28.9℃
キーボード(Zキー) 31.4℃ 33.1℃

 負荷をかけていない、単にワイヤレスWANを利用して通信している場合にはもっとも熱かった左側裏面でも33.8℃でほんのり暖かいというレベルだ。ただ、CPUやSSDに高負荷をかけて書き込みなどを連続して行なっているような状況だと、左側裏面は37℃まで上昇した。これでも体温より少し暖かい程度なので、暖かいと感じるレベルで、今の時期のように冬ならまったく問題ないだろう(夏になったら別の感想を持つかもしれないが)。キーボードに関しても負荷がかかった状態でも33℃程度で、特に熱いと感じることはないだろう。

 なお、騒音に関してだが、今回レビューに利用した製品はすでに述べたようにSSDモデルとなっていた。CPUに関してもファンレスであるため、製品の中に回転しているモーター類は1つもない。結果、人間の耳で聞こえる騒音は全くないと言ってよい。筆者宅でもっとも静かな30dBAを切るような部屋で測定しようとしたのだが、筆者手持ちの騒音計では30dBAを切ると測定することができなかった。つまり、もともと部屋の騒音レベルが30dBA以下で、本製品の電源を入れても全く騒音レベルが変わらなかったということだ(実際人間の耳でも聞こえないので当たり前だが)。このあたりは店頭モデルだとHDDになるため評価は変わってくると考えられるが、静かなPCがほしいというニーズには本製品はかなり応えることができると言えるのではないだろうか。

●いつでもどこでもスッとだしてパッとつながる“カ・イ・カ・ン”

 今回、筆者はこのワイヤレスWAN内蔵VAIO type Pを2週間にわたり実際に使ってみた。正直な感想としてあるのは、やはり高速なインターネット接続を本体だけで実現しているという手軽さは圧倒的に快適だということだ。これまでなら、どこかに出掛けるとき、ノートPCとモデムないしは携帯電話…と持って行く前にさまざまな持ち物を確認してから出かけていた。通常そうしたものはやや大きめな仕事用のバッグに突っ込んであるのだが、遊びに行く時にはもっと手軽なバッグにするため、仕事用のバッグから遊び用のバッグにいちいち詰め替えていた。しかし、本製品がきてからは、本製品1つをカバンにつめてもっていけば、それだけで事足りる環境が実現した。これで、もう外に行ってから、“あ、USBケーブル忘れた!”とか、“モデムそのものを忘れてきた”とかいうミスからもおさらばできる、そうした意味で内蔵していることの効果は小さくないと思う。

 もう1つはやはり本製品はモバイルブロードバンドと組み合わせて使ってこそ、効果を発揮するということも再確認した。実は筆者の場合、仕事などで電話で連絡を取るよりもインスタントメッセンジャーやメールで連絡を取る相手がほとんどになりつつある。つまり、携帯電話を忘れてもあんまり困らないのだが、PCとインターネットがない環境の方がよっぽど困ることが多い。そう考えると、いつでもどこでもスッとカバンから出せて、インターネットにワンタッチで接続して利用できる本製品のメリットは非常に大きいものがあると考えている。同じように、携帯電話という閉じた世界ではなく、インターネットというオープンな世界につながっていることの方が多いよ! というユーザーであれば、ワイヤレスWAN入りの本製品は、検討する価値があると言えるのではないだろうか。

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□製品情報
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/P1/
□関連記事
【1月8日】【Hothot】ソニー「VAIO type P」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2009/0108/hotrev395.htm
【1月9日】【Hothot】ソニー「VAIO type P」【機能編】
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2009/0109/hotrev396.htm
【1月8日】ソニー、封筒サイズの“ポケットスタイルPC”「VAIO type P」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2009/0108/sony.htm
【1月27日】ソニー、ワイヤレスWAN内蔵「VAIO type P」発売日決定
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2009/0127/sony2.htm

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(2009年2月2日)

[Reported by 笠原一輝]


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