平澤寿康の周辺機器レビュー

第10回 IntelのSLC搭載SSD「X25-E Extreme SATA SSD」を試す
〜リード/ライトとも200MB/sオーバーの超高速


 



Intel「X25-E Extreme SATA SSD」

発売中

購入価格:79,780円



 9月に登場した、MLCタイプNANDフラッシュメモリ採用のIntel製高速SSD「X25-M Mainstream SATA SSD(以下X25-M)」に続き、SLCタイプのNANDフラッシュメモリを採用する、エンタープライズ向けの高速SSD「X25-E Extreme SATA SSD(同X25-E)」がついに登場した。市場に投入された製品は、容量32GBの「SSDSA2SH032G1C5」だ。

 X25-Eは、シーケンシャルリード250 MB/s以上、シーケンシャルライト170 MB/s以上という、驚異的な速度を公称する超高速のSSDだ。

 今回1台入手できたので、仕様やパフォーマンスをチェックしていくことにしよう。テストした製品は編集部で購入したもので、購入価格は79,780円だった。

●形状やデザインはX25-Mと同じ

 ではまず、本体形状およびデザインからチェックしていこう。

 X25-Eの形状は、2.5インチHDDに準拠している。幅や奥行きのサイズや接続インターフェイスであるSATAコネクタの位置、本体側面や底面に用意されているネジ穴の位置など2.5インチHDDと全く同じ。ただし、本体の厚さは約7mm(実測値)と、2.5インチHDDよりやや薄くなっているが、薄い分には取り付け時に支障が出ることはほぼなく、利用上問題になることはないと考えていい。

 ちなみに、X25-Eの本体形状は、以前テストしたX25-Mと全く同じだ。また、ブラックを基調とした配色も同じで、見た目だけでは違いがほとんどわからない。

 重量は実測値で82.5gと、X25-Mよりも3.5g重くなっている。とはいえこの差は認識できるほどではなく、重量もほぼ同じと考えていい。

本体デザインやサイズは、X25-Mと全く同じで見分けが付かない 本体サイズは2.5インチHDDと同じで、2.5インチSATA HDDを搭載できる機器に取り付けて利用可能 インターフェイスはSATA 2.6準拠
側面のネジ穴の位置は2.5インチHDDと同じ 底面のネジ穴の位置も2.5インチHDDと同じだ
厚さは約7mmと、右の2.5インチHDDよりもやや薄い 重量は82.5g(実測値)と、X25-Mより3.5gほど重くなっている

●コントローラもX25-Mと同じ

 次に、本体を分解して基板を見てみることにした。本体ケースは、表面のネジ4本を外すことで簡単に開けられる。

 内部の基板を見ると、こちらもX25-Mのものとほとんど同じ仕様ということが分かる。コントローラチップの「PC29AS21AA0」は、X25-Mに搭載されているものと同じものだ。コントローラチップの下にSamsung製128Mbit SDRAMチップ「K4S281632I-UC60」が搭載され、表と裏に16GbitのNANDフラッシュメモリチップが10個ずつ、計20個搭載されている点も同じだ。もちろん、搭載されているNANDフラッシュメモリはSLCタイプなので、型番は「29F16G08CANC1」と、X25-Mのものとは異なっている。

 ところで、X25-Eの基板では、NANDフラッシュメモリチップやコントローラチップの接続端子がモールド樹脂で覆われている。X25-EがX25-Mより3gほど重くなっていたのは、おそらくこれが原因だろう。

基板表側。基板の構造はX25-Mとほとんど同じだ コントローラチップは、X25-Mに採用されているものと同じ「PC29AS21AA0」。他に128Mbit SDRAMチップ「K4S281632I-UC60」と、16GbitのNANDフラッシュメモリ「29F16G08CANC1」が10個搭載されている 基板裏側にも16GbitのNANDフラッシュメモリ「29F16G08CANC1」が10個搭載されている。また、表裏ともチップの接続端子がモールド樹脂で保護されている

●リード259MB/s、ライト219MB/sと圧倒的な速度を記録

 では、気になるパフォーマンスをチェックしていこう。今回は、ベンチマークソフトとして、「CrystalDiskMark 2.2.0」と、「HD Tune 2.55」を利用した。また、比較用としてX25-Mの結果も掲載しておくが、今回は手元にX25-Mがなかったため、X25-Mのレビュー記事の結果を再掲し、そちらと比較できるように、CrystalDiskMark 2.1.6でもテストを行なっている。テストを行なったデスクトップPCの環境は下に示すとおりだ。

・テスト環境
CPU:Core 2 Quad Q8200
メモリ:PC2-6400 DDR2 SDRAM 4GB
マザーボード:MSI P35 Platinum
ビデオカード:Radeon HD2400 PRO
OS:Windows XP Professional SP3

CrystalDiskMark 2.2.0の結果
CrystalDiskMark 2.1.6の結果
HD Tune 2.55の結果
【再掲】X25-Mベンチマーク結果
CrystalDiskMark 2.1.6の結果 HD Tune 2.55の結果

 結果を見ると一目瞭然だが、書き込み速度がX25-Mから大幅に向上していることがわかる。シーケンシャルライトで219MB/s、512KBランダムライトで220MB/sと、X25-Mと比べて3倍近く高速になっている。X25-Mでも書き込み速度が遅いと感じることはなかったが、X25-Eではもはやストレスに感じる部分が存在しないと言ってもいいほどだ。やはりSLCの威力は圧倒的だ。

 それに対し、読み出し速度はX25-Mとほとんど変わっていない。読み出し速度に関しては、SLC/MLCに大きな差はなく、X25-EとX25-Mに搭載されるコントローラチップが同じということからも当然の結果と言っていいだろう。X25-Mの結果とほぼ同じということと、書き込み速度の圧倒的な結果の前では、ややかすんで見えてしまうものの、約260MB/sという数字が驚異的であること言うまでもない。

 搭載NANDフラッシュメモリがSLCとなったことで、書き込み速度が大幅に向上するのは容易に予想できることとはいえ、ベンチマーク結果を見ると、その驚異的な速度に圧倒されてしまう。ただし、一般ユーザーにはなかなか手放しでおすすめしづらいのも事実だ。

 半年ほど前であれば、32GBで約8万円という、この価格でもそれほど高いという印象は受けなかったはずだ。しかし、今年の夏以降、SSDの価格が一気に下落し、MLCフラッシュ採用のSSDは、128GBの製品が4万円以下で購入できるようになった。さらに、SLCフラッシュ採用の製品でも、32GBで2.5万円ほどで販売される製品が登場している。

 もちろん、X25-Eは他のSLCフラッシュ採用SSDと比較してもリード/ライトともにはるかに高速だし、もともとがエンタープライズ向けの製品ということもあり、多少価格が高くても納得できなくはない。また、とにかく圧倒的な書き込み速度を必要とする用途に利用したいのであれば、この金額を払ってでも購入する意味は十分にある。

 とはいえ、一般のユーザーが、普段使っているノートPCのHDDを置き換えるために購入するには、さすがに高価すぎるし、容量的にも物足りないと思う。

 しかし、これだけ高性能なSSDが簡単に入手できるようになったこと自体は、大いに歓迎すべきだ。今後供給量が増え、また容量が増えていくとともに、価格もどんどん下がってくるだろう。もちろん、競合他社からもX25-Eに匹敵し、凌駕する製品が登場してくるはずだ。このところ、大幅に価格の下落したMLCフラッシュ採用SSDにばかり話題が集中していたが、今後はSLCフラッシュ採用SSDの動向にも注目していきたい。

□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.intel.com/jp/intel/pr/press2008/081016b.htm
□製品情報(英文)
http://www.intel.com/design/flash/nand/extreme/index.htm
□関連記事
【9月10日】【平澤】Intelの超高速SSD「X25-M Mainstream SATA SSD」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0910/hirasawa004.htm
【10月8日】【平澤】バッファローのSSD「SHD-NSUM120G」追加レビュー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1008/hirasawa006.htm

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(2008年11月28日)

[Reported by 平澤寿康]


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