笠原一輝のユビキタス情報局

アイ・オー「LCD-DTV221XBR」レビュー
〜地デジ入り液晶ディスプレイの使い勝手




アイ・オー・データ機器「LCD-DTV221XBR」、22型の1,680×1,050ドットワイド液晶を搭載している

 前回の記事ではデジタル放送のチューナを取り上げた。今週に入り、これらの製品が一斉に販売が開始され始めたので、すでに手にしているユーザーの方も少なくないだろう。それに引き続き、今回は地上デジタル放送を受信することができるPC用の液晶ディスプレイを取り上げたい。

 アイ・オー・データ機器の「LCD-DTV221XBR」は、22型の液晶ディスプレイだが、内部に地上デジタル放送のチューナを内蔵しており、PCを使いながら地上デジタル放送を“ながら視聴”することが可能になっている。

●5つの入力端子を備えた1,680×1,050ドットの22型ワイド液晶

 「LCD-DTV221XBR」(以下、本製品)の最大の特徴は、冒頭でも述べたとおり地上デジタル放送のチューナを内蔵していることなのだが、その前に液晶ディスプレイとしての基本的なスペックを確認しておこう。

 本製品は22型、1,680×1,050ドットのワイド液晶を採用した液晶ディスプレイで、ツルツルとかピカピカなどと言われるグレア液晶を採用している。一般的なPC用のディスプレイではノングレア液晶と呼ばれる写り込み防止の処理がされているパネルが採用されることが多いのだが、本製品がその写り込みが多少あっても光沢があるグレア液晶を採用したのは、できるだけ画面を明るい方が適している動画再生のような使われ方を前提にしているからだろう。最大輝度は300cd/平方m、コントラスト比は1,000:1、応答速度は5msとなっており、22型クラスの液晶パネルとしては一般的なスペックと言っていいだろう。

 入力端子はビデオ(Sビデオ/コンポジット)、D端子(D5対応)、DVI-D、アナログRGB、HDMI(Ver1.2a)の5つが用意されている。ただし、DVI-DとアナログRGBの音声入力は同じ端子を利用するため、本製品に内蔵されているスピーカーから音声を出したい場合にはDVI-DとアナログRGBはどちらかしか利用できないことになるので注意したい(むろん、別途スピーカーを接続すれば問題ないが)。

 スピーカーは2.5W+2.5Wのステレオスピーカーで、すでに述べたようにPC用のステレオミニジャック、ビデオ用入力、コンポーネント入力、HDMIによる音声入力などから入力された音声を再生することができる。なお、本体左側面にヘッドフォン端子も用意されており、入力された音声はここから楽しむこともできる。

本体の背面右側の入力端子。左から、HDMI(v1.2a)、DVI-D(24ピン)、アナログRGB(15ピン)、PC用オーディオ入力、D端子(D5)、ビデオ入力(Sビデオ/コンポジット、排他)が用意されている 本体左側面にはB-CASカードスロットとヘッドフォン端子が用意されている

●地上デジタル放送を楽しむことができる地デジチューナを内蔵

 すでに述べた5つの入力に加えて、本製品ではTVアンテナの端子が用意されており、ここにアンテナを接続することで地上デジタル放送を楽しむことができる。受信可能なのはUHF(13〜62ch)とCATV(1〜63ch)で、CATVのパススルーにも対応している。なお、本製品ではアナログチューナは内蔵していないので、地上デジタル放送が始まっていないエリアや始まっていても受信アンテナなどが対応していない場合には受信することができない。この点は購入前に確認する必要がある。

 地上デジタル放送のうち、EPG(電子番組表)と字幕放送には標準で対応しているがデータ放送(および双方向サービス)には対応していない。データ放送が使えないという点の評価だが、筆者個人としては全く問題ないと考えている(というのはデータ放送なんて見たことがないから、だ)。

 EPGに関しては、現在視聴している番組および1週間分の番組データを閲覧することができる。このあたりは一般的なTVと一緒の機能となっている。ただし、一週間分のデータを見る場合には、TV放送にオーバーレイされるのではなく、一度再生が停止され、EPGのデータだけが表示されることになる。ただ、再生されている番組のデータを表示させる場合には、再生画面に情報がオーバーレイ表示されるようになっている。本製品ではHDDなどを内蔵していないので予約録画はできないが、予約再生は可能で、EPGで予約しておくと時間になるとその番組の再生が自動で開始されるようになる。

本体の背面左側にはアンテナ入力が用意されている、ここにアンテナケーブル接続することで地上デジタル放送を楽しむことができる デジタル放送を受信しているところ。EPGの機能も用意されており、現在受信している番組を見ることができる EPGで番組表を見ているところ、録画はできないが視聴の予約を行なうことはできる

●地上デジタル放送、D端子/ビデオ入力をPinP表示が可能

 本製品のもう1つの特徴は、地上デジタル放送をPinP(Picture in Picture、小画面)表示することが可能になっていることだ。PCを利用している最中に、四隅のどこかに地上デジタル放送を小画面でオーバーレイ(重ねて)表示することができるのだ。位置は、四隅のどこかで、付属のリモコンを利用して簡単に位置を変更することができる。なお、画面サイズは固定で、だいたい画面の1/6ぐらいの大きさで表示される。音声もPCから入力された音声とTVの切替が可能で、TV画面だけを再生して、音声はPC側を生かすという使い方もできる。

 なお、PinP表示できるのは、DVI-D入力のみとなっている。アナログRGBやHDMI入力などでPCを表示させている場合には、TV放送をPinPできない。複数のPCを接続したいユーザーであれば、これらの端子を利用する場合も考えられるので、できればこれらの端子を利用している場合でもできればPinPできるようにしてほしかった。

 ただし、PinPできるのがTVだけではないのは嬉しいところだ。地上デジタル放送の他にも、D端子やビデオ入力からの入力もPinPできるようになっている。例えば、PCを使ってネットしながら、D端子で接続したゲームコンソールでビデオを再生する、という使い方も十分可能だ。このあたりは、入力端子が豊富な本製品の特徴が活かされている。

PinPの機能を利用すると、PCで作業をしながらTVを視聴できる TV以外にも、D端子とビデオ端子に接続された機器をPinPで表示することもできる。ここではApple TVを表示させている

●アスペクト比を維持したままのズームであるスマートズームもきちんと実装

 本製品の操作は、基本的にはリモコンで行なえるようになっている。TVには付属することが当たり前のリモコンだが、PC用ディスプレイに付属している例はほとんどなく、本製品の特徴の1つと言っていいだろう。付属のリモコンでは入力端子の切替、TVの操作(チャンネル、ボリューム、EPG、字幕)、画面アスペクト比の切替、PinPの操作などが行なえるようになっている。

付属のリモコンを利用すると、ほとんどの操作をリモコンで行なうことができる 入力の切替もリモコンでワンタッチ 小画面の設定やアスペクト比の切替、EPGの操作などもすべてリモコンで行なえる

 PCユーザーにとってディスプレイの切替をリモコンで行なうというのは最初は戸惑いがあると思う。筆者も使い始めのころは少々戸惑ったが、慣れてしまえばいちいちディスプレイに手を伸ばさないでも入力端子を切り替えることができるため非常に便利だ。

 なお、画面アスペクト比の切替だが

  1. リアル(画面の中央にDot by Dotで表示)
  2. スマートズーム(アスペクト比を維持したまま入力信号を拡大表示)
  3. ズーム(入力信号を画面いっぱいに表示)
  4. レターボックス(レターボックス表示の動画を画面いっぱいに表示)
の4つのモードが用意されている。アスペクト比を維持したまま表示できるズームもきちんと用意されているので、特に不満を感じることもないだろう。また、画面の明るさなどのプリセット設定も標準、映画、CG、ナイトと4つが用意されており、OSDを利用するとさらに輝度、コントラスト、明るさ、色の濃さ、シャープネス、ノイズリダクション、色相などが詳しく設定できるようになっており、特に不満を感じるようなことはないだろう。

OSDの設定画面。輝度、コントラスト、色温度、ガンマ、アスペクト比、色相、PinPなどを設定することができる

●地デジチューナ分の上乗せはあるが“ながら視聴族”であれば要検討

 以上のように、本製品は地上デジタル放送のチューナを内蔵していることが最大の特徴で、DVI-D接続時にはPinPでデジタル放送やD端子/ビデオ端子などに接続した機器を小画面表示できる“ながら視聴”が可能であることなどが売りになるだろう。

 価格はオープンプライスだが市場価格は6万円台前半〜後半ぐらいになっており、安い物では3万円を切って購入することができる低価格化の進んだ22型液晶としては決して安価ではない。もっとも、HDMI端子付き、グレア液晶ということになると、4万円台半ばぐらいになるので、実際のところは2万円ぐらいの価格差と考えることができるだろう。地デジチューナ分と考えれば2万円という価格差は程の良いところではないだろうか。

 最近ではTVにもPC用の入力端子がついていたり、HDMI端子がついていたりすることが少なくないので、そこにPCを接続して利用するという使い方も考えられないわけではない。しかし、そうした製品では解像度があまりPC向きではなかったり、PCを接続してみるとあまり綺麗ではないということが多く、あまり使い勝手がよくないのは事実だ。

 ところが、本製品であれば基本は“PC用ディスプレイ”であるので、そうした心配はない。かつ、地上デジタル放送のチューナを内蔵しており、PinP表示も可能だ。TVを録画する必要ないが、“ながら視聴”はしたい、というユーザーであれば本製品は検討の対象となるだろう。

□アイ・オー・データ機器のホームページ
http://www.iodata.jp/
□製品情報
http://www.iodata.jp/prod/display/lcd/2008/lcd-dtv221xbr/
□関連記事
【4月24日】【笠原】PC用デジタル放送チューナ3メーカー5製品を試す
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0424/ubiq217.htm
【3月26日】アイ・オー、地デジ内蔵のAV入力付き22型ワイド液晶
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0326/iodata2.htm

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(2008年5月16日)

[Reported by 笠原一輝]


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