7月23日 受注開始 価格:179,800円~194,800円 東芝の「dynabook」シリーズにRadeonを採用した「dynabook Satellite TXW/69CW」が加わった。強力なGPUと最新のCPU、チップセットを採用した15.4型ワイド液晶のノートPCだ。今回はこのSatellite TXW/69CWを取り上げて紹介しよう。 ●AMDのMobility Radeon HD 2600を搭載した高性能ノートPC 今回紹介するdynabook Satellite TXW/69CW(以下、本製品)には2種類のモデルがあり、メモリ2GB搭載の上位機種がPATW69CLN30W、1GBの下位機種がPATW69CLN10Wとなっている。東芝の直販サイトである東芝ダイレクトPCでの販売価格はPATW69CLN30Wが194,800円、PATW69CLN10Wが179,800円だ。 簡単にスペックをまとめてみたので、その違いを確認してもらいながら、その性能を見ていただきたい。
CPUにはCore 2 Duoを採用し、チップセットはIntel PM965 Expressを搭載している。上位機種と下位機種の違いはスペック表に示した通りで、主にメモリ関連部分になっている。本製品にはメモリスロットが2つ用意されているが、下位機種では1GBのメモリを1枚だけ搭載している。そのためメモリのデュアルチャンネルアクセスが使えないが、逆を言えば後からメモリを増設する際に最初に入っているメモリを無駄にしなくてすむ仕様だ。 上位機種と下位機種の価格差が15,000円ということを考えると、できれば最初から2GB搭載している上位機種を選択したいところだ。自分でメモリを購入して増設するという選択肢も考えられるが、この場合にはメーカーの保証を受けられなくなってしまうので注意しよう。 特筆すべきはGPUにAMDのATI Mobility Radeon HD 2600を採用している点だ。最近のノートPCのトレンドとして、グラフィック機能をチップセット内蔵の機能に頼らずに専用のグラフィックチップを搭載する製品が増えている。ここ数年のノートPCの売れ行きはデスクトップよりも良く、ノートPCをメインのPCに選ぶ人が増えてきた。そのような市場動向もあって、メーカーもノートPCで高いグラフィック性能を持った製品を送り出すようになってきたと考えられる。 ●3Dゲームも十分に楽しめる性能 それでは、ゲーム関係のベンチマークを計測してみたのでご覧いただきたい。 結果を見ると、どのベンチマークソフトでも軒並み高い数値を記録している。残念ながらロスト プラネットのDirectX 10版ではゲームをするのに少々厳しい結果となってしまっているが、DirectX 9版の1,024×768ではゲームを楽しめるレベルの結果が出ている。 FINAL FANTASY XIや真・三國無双BB、フロントミッション オンラインではゲームをプレイするのに十分すぎるほどの性能だ。結果から見ると、最新の3Dゲームを高画質でプレイするのには少々難があるものの、少し設定を落とせば十分に遊ぶことができるという状態だ。最新のデスクトップPCには及ばないものの、ノートPCとしては驚異的なパフォーマンスと言える。
●機能を見る 性能面を見たところで今度はインターフェイスなどの機能を見ていくことにしよう。ネットワーク関連の機能は有線と無線のLANがそれぞれ用意されている。無線LANはIEEE 802.11a/b/gまでの対応で、残念ながら最新のIEEE 802.11nには対応しておらず、有線LANも1000BASE-Tには対応していない。現時点での実用性を重視したスペックだ。 USB 2.0は左右に2つずつ、合計4つが用意されているほか、DVカメラなどを使った動画編集に便利な4ピンのIEEE 1394端子も備える。光学ドライブは2層書き込みに対応したDVDスーパーマルチドライブで、ビデオの出力も外部ディスプレイ用のD-Sub15ピンとSビデオ端子が用意されている。そのほかにマイクやヘッドフォン端子、ボリュームを備えている。 15.4型の液晶を搭載していることもあって、本体が大きめに作られているため、キーボードはピッチに余裕があり打鍵しやすい。キーボード上部にはマルチメディアコントロールのボタンも備えられていて、動画や音楽を鑑賞する際に便利だ。マルチメディアコントロールボタンの左右にはharman/kardon製のスピーカーが1つずつ付いており、驚くほど音質がよい。試しにDVDを再生してみたが、音量を最大にしてもいわゆるビビリ音などが入ることもなかった。 バッテリは6セルタイプのもので稼働時間は約1.6時間と少々短めだ。しかし、大きさから考えるとあまり持ち歩くものでもないので弱点とはならないだろう。 ●画質向上の要Avivo Technology
ATIブランドのRadeon X1000シリーズ以降の製品には、Avivo Technologyが採用されている。Avivoを一言でいうならハードウェアでビデオの入出力関連の支援をする機能だ。その内容にはビデオ出力の品質向上や、ビデオエンコードやデコードの支援などが含まれる。登場当初こそそれほど話題にならなかったものの最近見直されてきている機能の1つだ。 またSビデオ出力を使ってテレビモニタにPCの画像を出力する際に、今までは画面の端が黒くなってしまっている場合が多かったが、Avivoには、このような状態を改善するような機能も含まれている。先のベンチマーク結果で見た通り、パフォーマンスも高い。しかし、このような機能を見ると、ATI Mobility Radeonの真骨頂はゲームなどよりも、むしろ動画や静止画関係にあるとも言える。 ●便利なソフトウェアが付属 国内のPCメーカーの場合、付属のソフトウェアが豊富という特徴があるのだが、このSatellite TXW/69CWも例外ではない。すべてを紹介するとそれだけで記事が1本できてしまうので、便利なものや面白いものを紹介していこう。 まず、初心者にうれしいのがネットワーク接続の支援機能だ。ConfigFreeという独自のソフトウェアがインストールされており、無線LANなどを接続する際に役立つ。ConfigFreeで無線LANの設定をする時には、レーダーという機能を使うのだが、ステーションのSSIDや電波の強さがひと目でわかるようになっている。 このソフトウェアを使えば、PCの扱いに慣れていない初心者でも簡単にネットワークの設定をすることができるだろう。プロファイルを作成して保存する機能もあるため、自宅と会社などを移動して使う場合に、プロファイルを選択するだけで状況に合わせた設定を使い分けることが可能だ。 DVDや音楽を楽しむ際にはCD/DVDの静音ユーティリティが役に立つ。データを読み込む際には、当然光学ドライブの速度は速い方がいいのだが、基本的に光学ドライブとはうるさいものだ。メディアが高速回転している状態でDVDや音楽を鑑賞しようとしても、PC本体から騒音が出てしまっていては興ざめというもの。そのような場合にタスクトレイに入っているユーティリティを右クリックして、さっと設定を変更することができる。 ほかにもたくさんのユニークなソフトウェアが付属しているが、どれも役に立つものばかりだ。またちょっとしたゲームなども付属している。いらないソフトウェアもたくさん入っているのではと思うかもしれないが、ゲームなどの人によってはいらない機能はプレインストールされておらず、付属のメディアを使ってインストールするようになっている。そのため、購入した後でいらないソフトウェアを消していくというようなわずらわしさはない。
●まとめ 最後に、どのような人にこのPCがお勧めかというところを考えてみよう。ここまでベンチマーク結果や搭載されている機能を見てきたが、ずばり「動画や画像の編集などを行なうのがメインだが、3Dゲームも楽しみたい」という人にお勧めしたい。また動画編集や画像編集をメインに楽しむのなら、やはりメモリが2GB搭載されている上位機種のPATW69CLN30Wを選択したいところだ。最新ゲームをバリバリ楽しむのにはやや難もあるが、ノートPCで何でもやりたい人に使い勝手のよい製品と言えるだろう。 □東芝のホームページ (2007年8月8日) [Reported by 山本 倫弘]
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