ラオックス、ザ・コン館を9月30日に閉店
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ザ・コンピュータ館(資料) |
8月3日 発表
ラオックス株式会社は3日、秋葉原のザ・コンピュータ館を9月30日に閉店すると発表した。
8月上旬をもって、ザ・コンピュータ館の土地と建物を売却することも合わせて発表された。売却先はアイ・キャピタル・エステート株式会社で、売却金額は協議中としている。
ラオックスの有利子負債は4年前は約424億円に達していたが、現時点で約55億円に圧縮されており、これを売却することによって、有利子負債を完済できる見込みとしている。
ザ・コンピュータ館の土地は792平方m、建物は5,418平方m、うちラオックスの持ち分は土地が424平方mで、建物は58.64%を所有している。持ち分だけの売却になるか、共同保有部分を含むかは未定。ラオックス所有部分の帳簿価格は31億5,300万円。
なお、ラオックスでは、中間期および通期の下方修正も発表した。
連結業績の中間期予想は、売上、利益ともに大幅に下がっており、売上高が309億8千万円、営業損失が23億7千万円、経常損失が22億1千万円、純利益が7億2千万円となっている。純利益が黒字となっているのは資産売却益による。
通期業績も同様で、売上高が607億1千万円、営業損失が33億8千万円、経常損失が30億3千万円、当期損失が10億1千万円となった。通期では資産売却益によっても損失がカバーできず、通期の黒字化達成は困難としている。
同社の広報担当者は、閉店の理由を次のように説明した。
「ヨドバシカメラの秋葉原進出以降、売り上げ減少傾向に陥っていた。個々の店舗の売り上げは発表していないため、詳細はお話できないが、以前のような勢いがなくなり、利益貢献という意味でも、昔の状況ではなくなっている」
同店舗は、同社のPC事業の中核となる店舗であったが、「当社に限らず、PC販売はどの店舗でも苦戦が続いていることは事実。ITの主軸がPCから、携帯電話など多様化する中で、今後のPC事業をどうしていくべきか、見直しの時期に入った。PC販売店の今後の方向性は、協議して決定する予定だが、下方修正を行なっている状況にある以上、売り上げが以前のままでは新規開店は難しい」として、PC事業戦略を見直すことも明らかにした。
現在、コンピュータ館を冠した店舗は、秋葉原以外に埼玉県春日部市に、「春日部コンピュータ館」があるが、この店舗は引き続き、運営を行なっていく予定だ。
また、ザ・コンピュータ館で販売したPCなどのサポートについては、「秋葉原の他の店舗で、引き続きサポートを行なう体制を構築する準備を進めている」という。
□ラオックスのホームページ
http://www.laox.co.jp/
□ニュースリリース(資産売却、PDF)
http://www.laox.co.jp/laox/press2007/070803_3.pdf
□リリース(下方修正、PDF)
http://www.laox.co.jp/laox/press2007/070803_2.pdf
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(2007年8月3日)
[Reported by date@impress.co.jp/三浦優子]