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富士通パソコン組み立て教室で30組の親子が組み立てにチャレンジ

7月28日 開催



 富士通株式会社富士通アイソテック株式会社は28日、小学5年~中学3年生を対象に、富士通アイソテックがある福島県伊達市で、富士通組み立て教室を開催した。

 今回の開催は第4回目となるもので、30組の応募枠に対して、北海道から九州まで97組の応募があったという。当選者の内、20組は福島県内の親子で、残りは東京、石川、岐阜、広島などから参加。男女比率は男子6に対して、女子が4。

 組み立てに先立って、富士通アイソテック取締役兼製造副統括部長の栃本政一氏が開会の挨拶を行なった。イベントの趣旨について、栃本氏は「PCは家庭で重要なツールになっているが、自ら組み立てることで、あまり知られていない中の部品や機能について理解を深めつつ、親子でコミュニケーションを取って欲しい」と述べた。

 今回用意されたのは、Pentium 4 531(3GHz)、メモリ1GB、HDD 400GB、地上デジタルチューナ、DVDスーパーマルチ、IEEE 802.11b/g無線LAN、1,280×1,024ドット(SXGA)表示対応17型液晶ディスプレイ、Windows Vista Home Premiumを搭載した液晶一体型PC「FMV-DESKPOWER LX50W/D」の部品。

 やや困難であることから、液晶パネルの取り付けや、CPUのソケットへの実装はすでに済まされた状態になっていた。この状態での部品点数は27個だが、実際の製造ラインでは、60~70の部品の組付けを行なう。

組み立てに使う部品。右側の箱が前半、左側が後半の工程で使われる 本体にはすでに液晶パネルなどが取り付けられている 今回の組み立てに使ったネジは3種類、計33個
全員に配られた写真付きの組み立てマニュアル。1ページごとに解説を受けながら作業を進めた 普段PCの製造を行なっている15人のスタッフが組み立てを補助した 腕には耐静電用リストバンドを巻く

 組み立てについての諸注意が説明された後、13時27分から組み立てが開始された。前半の工程では、マザーボードの取り付け、メモリの挿入、メインボードプレートの本体への取り付け、各種ケーブルの接続、CPUヒートシンクの取り付けなどを実行。

 ここまでの工程は、自作PCと大体似た感じで、液晶一体型のため、DVIコネクタがマザーボードの基板上に実装されており、本体の内部でケーブル接続するところが違う程度。

電源ユニットはすでに本体に取り付けられているが、最初に練習の意味でネジ止めだけを行なった。ここで5.0+0.3/0 kgf・cmというネジ締めの力を体得する マザーボードの裏側にヒートシンクプレートをつけて、メインプレートに載せる マザーボードの側面にサブプレートを取り付け
メモリの取り付け。このPCは512MB×2の構成 マザーボード部を本体に取り付け、ネジ止め カードリーダのケーブル
こちらはUSBケーブル。やや奥まった場所で取り付けにくい CPUヒートシンクの取り付け DVIのコネクタはマザーボード上にあり、ケーブルは本体内部で接続

 小休憩の後の後半の工程では、TVチューナカードと無線LANモジュールをPCIライザカードに、HDDと光学ドライブをブラケットに取り付けた上で、本体にはめ込み、最後に各カバーを取り付けた。

 このあたりから、本体内部がやや手狭になり、ケーブルの取り回しや取り付けが多少難しくなってきたが、参加者は特に手間取ったり遅れたりすることもなく、15時8分頃全ての組み立て作業が完了した。実際の組み立てに要した時間はおよそ1時間半。

 最後には、参加者の氏名と日付が書かれた特製シールを本体に貼り、世界に1つしかない自分だけのPCが完成した。

ライザカードをブラケットにネジ止めし TVチューナカードを取り付け 無線LANモジュールをはめ込む
ライザカードをマザーボードに取り付ける デスクトップPCの組み立てでは普通経験できない無線LANアンテナのケーブルの取り回し。ケーブルが非常に細く、今回の組み立てで一番気を遣う場面 B-CASケーブルもかなり狭い場所に接続しなければならない
CPUヒートシンクの上にファンを取り付ける。ファンの上にはかなり背の低いダクトがつけられている 光学ドライブにブラケットをつけて 本体に収納
HDDもブラケットにネジ止めし ケーブルをつないで 本体に収納
最後は側面や背面の各種カバーを一気に取り付けていく
組み立てが完了したPC 今回のイベント専用に作られらステッカーと名前入りシールをPCに貼る。

 この後、参加者は隣接する敷地内にある富士通東日本リサイクルセンターに移動し、PCリサイクル現場の現場を見学。細かな部品単位で徹底的に分解され、発泡スチロールやプラスチックなど新たな材料に生まれ変わる様子を目の当たりにし、参加者の多くは感心していた。

富士通東日本リサイクルセンター 回収したPCから取り外したパーツ。ここからさらに細かな部品単位で分解する リサイクルした材料を元に、発泡スチロールなどが作られる

自分が組み立てたPCに電源を入れる緊張の瞬間。今回、全員のPCが問題なく起動した

 見学終了後には、スタッフによってOSのセットアップがなされたPCの電源を参加者各自が順番に入れていった。組み立ては全員成功しており、全員のPCが無事立ち上がった。組み立てについて、参加者からは、楽しかった、いい思い出になったとの感想が一様に上がった。組み立てたPCは8月の第1週中に参加者の手元に届けられる。

 富士通アイソテックは、今年設立50周年を迎えている。

 '57年に黒沢通信工業として、東京・蒲田で操業を開始。印刷電信機、電子計算機用端末機の製造開発を手がけてきた同社は、'95年にデスクトップPCの製造を開始。2003年には、PCリサイクル事業を開始した。

 栃本政一氏は、「設立50周年にあわせて『夢・未来・無限大』をテーマに、世界トップレベルの品質、コスト、納期を実現し、ユーザーに満足していただける製品作りに取り組んでいる。稼働障害率の低減では10%以上の改善が進み、また、着荷障害ゼロに向けた取り組みも加速している。年間600件にのぼる改善提案が社員から出ており、これは前年に比べて約2倍。50周年を機に、社員のモチベーションが高まっている」と語る。

栃本政一氏 設立50周年記念のQUOカード。テーマは「夢・未来・無限大」

 トヨタ生産方式の導入により、生産現場の改善を推進。2006年後半からは、企業向け生産ラインにおいて、BTO対応が可能な1個流しの製造ラインを稼働させている。

 また、製造統括部長代理兼開発企画室長の福本仁氏は「デジタルピッキング方式を導入。生産指示書のバーコードを読みとると、必要な部材の棚のランプが緑色になり、必要なものをピッキングする。そこでピッキングされた部材を製造ラインに投入する。モデルラインは、2006年後半から稼働させており、今後、これを他の製造ラインへと水平展開していく」と語る。

 2007年度上期中には、個人向けPCの製造ラインを含むすべてのラインで、BTOが可能な方式へと移行させる考えだ。

 「製造手番の短縮や、製造現場の改善によって、コスト削減、品質向上へとつながる。ひいては、ユーザーへのメリットを提供することにつながる」(栃本取締役)として、改善活動への取り組みを引き続き推進する姿勢を見せている。

 また、同社が製造するデスクトップPC、サーバー、ストレージなどの製品展示や施設の紹介を行なうショールームを、50周年にあわせて富士通アイソテック内に新設。地域との密着強化、取引先とのミーティングなどにも活用できるようにした。

□富士通のホームページ
http://jp.fujitsu.com/
□富士通アイソテックのホームページ
http://jp.fujitsu.com/group/fit/
□関連記事
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【2006年8月7日】【大河原】富士通、島根でノートPCの組立教室を開催
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【2006年7月29日】富士通、デスクトップPCの組立教室を福島で開催
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【2004年8月24日】【大河原】「富士通アイソテック」工場見学記
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【2004年8月17日】【大河原】富士通アイソテック、地元小中学生にパソコン組立教室を開催
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0817/gyokai102.htm

(2007年7月30日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp / 大河原克行]

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