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富士通、デスクトップPCの組立教室を福島で開催
~参加者全員のPCが無事に完成

7月29日 開催



富士通アイソテックで行なわれたパソコン組立教室

 富士通および富士通アイソテックは、7月29日、福島県伊達市保原町の富士通アイソテックで、小学校5年生~中学校3年生を対象とした「富士通パソコン組立教室」を開催した。

 富士通アイソテックは、富士通のデスクトップPC「DESKPOWER」の生産拠点。国内生産にこだわる同社の生産設備を利用して、地域社会への貢献などを目的に、夏休みの特別イベントとして開催している。

 3回目となる今年は、これまでの県内からの募集に限定せず、対象を全国へ拡大。地元紙への広告掲載のほか、同社サイトである「FMWORLD」で告知したところ、愛媛県や愛知県などからの申し込みを含めて約70人の応募があり、その中から30組の親子が抽選で選ばれた。

 参加者の約3分の2が福島県内からとなったが、神奈川県、千葉県、岩手県などからも参加者があった。参加した子供の男女比率は23対7。

 参加者は、12万円の費用で、最新モデルである「FMV-DESKPOWER LX50S/D」を組み立てて、自分のPCとして、自宅などで使用することができる。LX50S/Dは、直販サイト「Web MART」では20万円以上で販売されている製品だ。

神奈川県や岩手県からの参加を含めて30組の親子が参加した FMV-DESKPOWER LX50S/D

 組み立てるPCは、CPUにはインテル Celeron D プロセッサ346(3.06GHz)を搭載、300GBのHDD、17型液晶一体型ディスプレイ、OSには、Windows XP Home Editionを搭載している。

 今回は、組み立て対象が地上デジタル放送対応モデルとなった点が大きな特徴で、組立の工程のなかでB-CASフォルダの取り付け作業が新たに加わっている。

 「前回は、配線部分などで苦労する子供たちが多かったことから、今回は、あらかじめコードに番号を振ったり、難しい工程は事前にアセンブリしておく形にした」(富士通アイソテック製造統括部長代理兼開発企画室長・福本仁氏)という。

子供たちの組立を手伝ってくれた「組立サポーター」と呼ばれる富士通アイソテックの社員たち

 工場の社員たちが、子供たちが組み立てやすいように部品や道具を、組立教室専用に用意した箱のなかに順番に配置。また、事前のアセンブリを含めて、準備に約半日かかったという。

 組み立ては、本体と20点の部品、35個のねじを使い、これを途中休憩を挟んで、約2時間で組み立てた。

 午後1時から開始した組立教室の冒頭に挨拶した、富士通アイソテックの川勝匡紘社長は、「PCは、使い方次第で広がるもの。成長、進歩の足がかりになる道具である。とくに、今日は、それを構成する部品やネジが社員の懸命の努力で生まれたこと、社会で働く意義や感謝の気持ちを感じて、帰ってもらいたい」と、PCの役割ととともに、ものづくりが社会に与える影響について触れた。

 その後、富士通のPCのデザインを担当するプロダクトデザイン部の担当者から、DESKPOWER LX50S/Dのデザインの考え方などが紹介されたほか、テクニカルインストラクターから、PCの仕組みなどについて説明が行なわれた。

富士通アイソテックの川勝匡紘社長 プロダクトデザイン部の社内の様子も写真で公開された

 実際に、組立作業が始まったのは、午後1時35分から。参加者は、エプロンを着用し、静電気避けのアースバンドを手首に取り付けて、いよいよ作業を開始した。

 ここからは写真を通じて、組立工程を紹介しよう。

●完成までの流れ

今回組み立てたのは一体型デスクトップの「FMV-DESKPOWER LX50S/D」 部品は2つの箱に用意されている。ちなみに、この箱は、組立教室専用に作ったもの。右側から順番に部品が無くなっていくように配置している ネジは全部で35個。これも形状ごとに分類して用意
最初の組立は、メインボードASSYの組立から。メインボードの裏側にヒートシンクプレートをセットしてから、メインボードをプレートASSYに乗せる。ネジは6か所。5.0+0.3/0kgf・cmの力で締めるように指示があるが、言葉ではなかなか伝わりにくい メインボードの横側に、サブプレートを取り付ける
2枚のメモリをメインボードに取り付ける。「金色部分は触らないように」、そして、「カチッと音がするまで奥に入れること」と指示が飛ぶ 今回、組み立てるモデルは、地上デジタル放送対応ということもあり、新たに追加された作業がB-CASフォルダの取り付け
いよいよメインボードASSYを本体に取り付ける
ここからの配線作業が大変。全部で18本のケーブルを接続することになる。すべて番号が振ってあるので、わかりやすくなっている フロントオーディオケーブル、リモコンケーブル、MBインバータケーブル、USBケーブルなどを次々と接続 ケーブルを半分程度接続した段階で、ヒートシンクの取り付けを行なう。グリス面には触らないように注意
ヒートシンクの上にFANを取り付ける。ここで約半分の工程が終了。箱の中の部品も、ちょうど半分がなくなった。約10分間の休憩
後半戦の最初は、ライザーASYの組立から。まずは、TVチューナーカードおよびモデムカードを取り付ける ライザーASSYを本体に組み込み、ケーブルを接続 DVDスーパーマルチドライブの取り付け作業。左右にODDブラケットをセットして、本体に組み付ける
同様にHDDもブラケットを取り付けて、本体に組み込む サイドカバーの取り付け作業。左右別々の形状をしたカバーなので注意が必要
LCDバックカバーおよび本体バックカバーなどを取り付けると、PCらしくなってくる 最後に、ワイヤレスLANカードを取り付けて組立は終了
用意された特製ステッカーのなかから好きな色を選んで、貼り付ける。これで完成。このステッカーのデザインは、富士通のプロダクトデザイン部が担当した 完成したFMV-DESKPOWER LX50S/D

 約2時間を経過した午後3時20分には、参加者全員の組立が完了。最後に全員でPCを起動させたところ、すべてのPCが無事に動作した。

 その後、ネットワーク設定や、インターネットに接続する方法などを講師が説明。その後、実際に、パソコン検定のホームページに接続して、P検5級に全員が挑戦。100点を取って喜ぶ子供たちの姿も見られた。

 また、完成したPCとの記念撮影した写真を、ネット上に公開。わずか30分程度前に撮影された写真がホームページ上に掲載されていたことに驚いていた子供や父母の姿も見られた。

全員のPCが無事に動いた。これで、参加者の完全稼働は3年連続 P検5級にチャレンジ。中には100点をとった子供も さっき撮影した写真が、すでにホームページにアップ。URLは参加者に知らされ、8月下旬まで公開されている

 すでに、3回目の開催となり、富士通アイソテック社員の手際の良さも目立った組立教室だといえる。

 川勝社長も、「すべて社員の自主性に任せて、私はなにも口を挟まなかった」というほど。休日にも関わらず、約40人の社員が参加して、子供たちのPC組立を手伝った。

 川勝社長は、「一度始めたからには継続させたい。来年も、ぜひやりたい」と語る。

 なお、8月5日には、ノートPCの生産拠点である島根富士通が、初めてのパソコン組立教室を開催することになる。

□富士通のホームページ
http://jp.fujitsu.com/
□富士通アイソテックのホームページ
http://jp.fujitsu.com/group/fit/
□DESKPOWER LXの製品情報
http://www.fmworld.net/product/hard/pcpm0604/deskpower/lx/
□関連記事
【6月23日】富士通、DESKPOWER LXを自作できる「パソコン組立教室」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0623/fujitsu.htm
【2005年8月1日】富士通、小中学生対象にデスクトップPCの組立教室
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0801/fujitsu.htm
【2004年8月17日】【大河原】富士通アイソテック、地元小中学生にパソコン組立教室を開催
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0817/gyokai102.htm

(2006年7月31日)

[Reported by 大河原克行]

【PC Watchホームページ】


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