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NVIDIA、第2世代PureVideo HDの詳細を解説
〜H.264デコード時のCPU負荷をゼロに

Patrick Beaulieu氏

4月26日 開催



 米NVIDIAは26日、都内で報道陣向けに動画高画質化エンジン「PureVideo」についての説明会を開催。同社Multimedia担当プロダクトマーケティングマネージャのPatrick Beaulieu氏が解説を行なった。

 PureVideoは、GeForce 6シリーズから実装された動画の高画質化エンジン。GPUのチップ内に動画処理専用として埋め込まれており、デコードのアクセラレーションに加え、ノイズ低減や、テレシネ変換などの高画質化を行なう。

 GeForce 7シリーズでは、それまでのSD動画のみからHD動画にも対応を果たし、「PureVideo HD」にアップグレード。そして現在、最新GPUであるGeForce 8600/8500シリーズでは2世代目のPureVideo HD(以下、PV Gen 2)が搭載されている。

第2世代PureVideoはBlu-ray Disc(BD)およびHD DVDビデオ再生時のCPU負荷を100%低減させる世界初のビデオプロセッサ

 このPV Gen 2は、NVIDIAの言葉を借りて一言で表わすなら、「Blu-ray Disc(BD)およびHD DVDビデオ再生時のCPU負荷を100%低減させる世界初のビデオプロセッサ」となる。

 その言葉の意味を説明する前に、PV Gen 1とPV Gen 2の違いについて、H.264のデコードを例に解説しよう。前述の通り、PV Gen 2は、GeForce 8600/8500シリーズから採用されており、それ以前のGeForce 8800シリーズやGeForce 7シリーズなどはPV Gen 1となる。

 PV Gen 1では、H.264デコードの内、CPUに代わって、動き補正とデブロッキング(圧縮に伴うブロックノイズの補正)を行なう。CPUのみのソフトウェアデコードでは、Core 2 DuoなどハイエンドプロセッサでもCPU負荷率が80〜100%になり、コマ落ちが発生する。しかし、PV Gen 1を利用することで、負荷率は60〜75%程度に抑えられ、コマ落ちはほぼなくなる(数値はCore 2 Duo E6400利用時)。

 ただし、これは最上位クラスのデュアルコアプロセッサを利用した場合の話で、クロックが低かったり、シングルコアのCPUでは、PV Gen 1を用いても、コマ落ちが発生する。また、次世代DVDのウリの1つであるインタラクティブ機能も、メイン動画の上に別の動画をオーバーレイ表示するため、負荷が大きく、コマ落ちの原因となる。

 そこで、PV Gen 2では、H.264のデコード処理でもっとも重いと言われる、CABACおよびCAVLCのビットストリーム処理と、逆変換もCPUに代わってハードウェア処理できるよう強化した。

 これが先の「Blu-ray Disc(BD)およびHD DVDビデオ再生時のCPU負荷を100%低減させる」が表わすところで、H.264デコードに関わる処理をすべてPV Gen 2で行なうことになる。この効果は劇的で、BD/HD DVD再生時のCPU負荷率は、20〜30%にまで低減される。

 「CPU負荷を100%低減させる」と言いながらも、一定のCPU負荷が生じるのは、OS自体の負荷に加え、H.264デコードの前に、光学ドライブから送られてきた暗号化済みデータを復号し、復号化したデータを動画ストリームと音声ストリームに分離し、動画ストリームを再度暗号化してGPUへ送信するといった処理が発生するため。つまり、H.264のデコード処理のみCPU負荷がゼロになるというのがNVIDIAの主張するところだ。

HD DVDをCPUのみでソフトウェアデコードした場合、CPU負荷は90%程度になり(グラフ右端)、若干のコマ落ちが発生する このようなインタラクティブ機能も負荷が高い PV Gen 2では、H.264のビットストリーム処理と逆変換処理もハードウェア処理可能に
先ほどの映像をPureVideo ONにして再生すると、CPU負荷は20%程度にまで低減されるほか、桜の花のエッジ付近のノイズが低減される CPUのみ(青)、PV Gen 1(緑)、PV Gen 2(黄緑)による、H.264デコード時のCPU負荷 こちらはRadeon X1950(赤)とのCPU負荷比較

 ちなみに、やや細かい話になるが、逆変換、動き補正、デブロッキング(いずれもMPEG-2/VC-1/H.264に対応)と、セカンダリビデオ(P-in-P)のデコードはPV Gen 2の機能で、H.264のビットストリーム処理には、それ専用のハードウェアが別に実装されている。また、AES128の復号処理専用のハードウェアも追加搭載されている。

 これにより、Athlon 64 3500+やCeleron D 347といった50〜60ドルクラスのCPUでも、PV Gen 2搭載ビデオカードでは、フルフレームでBD/HD DVDビデオを再生できるという。

 デコード後の高画質化については、24fps/30fps変換を行なう逆テレシネ、プログレッシブ変換を行なうデインタレース、色補正、ノイズ低減、映像をシャープにするエッジ強調、スケーリングなどをハードウェア処理。動画画質ベンチマークの「HQV」において、Radeon X1950が130点満点中113点のところ、PV Gen 2では128点に達するとしている。

 このほか、PureVideoにより、CPUの負荷が減るため、ノートPCでは消費電力が減り、バッテリ駆動時間が長くなるといったメリットもある。

 最後に、PureVideoの利用方法だが、最新版のForceWareには、Windows XP/Vista向けのPureVideoドライバが組み込まれている。ただし、現在のGeForce 8600/8500シリーズ用ドライバはWindows Vistaでのみ、PureVideoを利用可能で、Windows XP用新ドライバは6月にリリース予定。

 NVIDIAコントロールパネルを開き、「ビデオとTV」の中の「ビデオカラー設定の調整」画面で、「強調」タブをクリックすると、エッジ強調、ノイズ低減、逆テレシネを有効にする設定がある。

 これらを有効にすると、Windows Media Playerを含め、DirectShowに対応している再生プレーヤーソフトでPureVideoが機能する。H.264については、OSで標準対応していないため、今後登場するWinDVDやPowerDVDといったサードパーティ製ソフトウェアで、PureVideoを利用できる。

PV Gen 2の高画質化機能の概要と、HQVベンチマークの結果 PureVideoの設定画面

□NVIDIAのホームページ
http://www.nvidia.co.jp/
□PureVideoのページ
http://www.nvidia.co.jp/object/nvidia_purevideo_jp.html
□関連記事
【4月18日】NVIDIA、ミッドレンジ向けの「GeForce 8600/8500」シリーズ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0418/nvidia.htm
【2006年11月6日】NVIDIA、HD動画再生支援技術「PureVideo HD」搭載ドライバを公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/1106/nvidia.htm
【2004年12月21日】NVIDIA、動画高画質技術「PureVideo」を正式公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1221/nvidia.htm

(2007年4月27日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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