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NVIDIA、動画高画質技術「PureVideo」を正式公開
12月20日(現地時間)発表 米NVIDIAは20日(現地時間)、動画の再生支援や高画質化を行なう「PureVideo」技術を正式に発表した。 PureVideoは、「GeForce 6」シリーズに内蔵される汎用ビデオプロセッサとソフトウェアアルゴリズムの総称で、MPEG-2やWMV動画のハードウェア再生支援や高画像化/画質補正などを行なうもの。 米国での正式発表に先立ち、日本では20日に「GeForce 6200 with TurboCache」と合わせて説明会が開催され、同社マルチメディア担当ジェネラル・マネージャーのスコット・ヴォーリー氏が解説を行なった。 ●さまざまな再生支援/画質補正機能 ヴォーリー氏はPureVideoの大きな構成要素として、プログラム可能なビデオ専用プロセッサ、ビデオ・アルゴリズム(高画質化/画質補正)、ディスプレイ処理、VMRベースアーキテクチャの4つを挙げ、それぞれについて説明した。 ビデオ専用プロセッサは、GPUの中に3Dプロセッサとは別に用意されたプログラム可能な16WayのSIMDベクトルプロセッサで、MPEG-2およびWMVのHD(High Difinition)動画のハードウェア再生支援機能、MPEGエンコード用動き予測エンジンを備える。 プログラマブルなため、将来のものを含めた他の動画規格にも対応可能で、ヴォーリー氏によれば、H.264にも対応予定だという。また、3Dコアとは独立しているため、動画再生時の消費電力や発熱を抑えられる。 高画質化/画質補正機能としては、適応型I/P変換、3:2プルダウン補正、3:2プルダウンBad Edit補正、水平4タップ/垂直5タップのスケーリング機能などを搭載する。
適応型I/P変換は、インタレース映像をプログレッシブ(デインタレース)映像に変換する際に発生する走査線のズレやちらつきを解消する技術。他の製品では単一のフレームしか参照していないが、PureVideoでは前後の複数のフレームから予測を行ない、精度を上げている。 3:2プルダウン補正は、フレームレートの差による映像のダブリやジャギーをなくす技術。通常、映画は24fpsで記録されるが、PCでは30fpsで表示されるため、フレームレートを変換する際に、5フレーム中2フレームは前後のフレームの映像の一部がダブって表示されてしまう。3:2プルダウン補正を使うことでこのダブリやジャギーが解決される。 3:2プルダウンBad Edit補正は、DVDのオーサリングでチャプターやナビゲーションの挿入など後処理の際に発生するフレームのスキップやジャギーを解消する技術。 PureVideoではこれらに加え、使用しているCRT/液晶に合わせて、ガンマ補正/輝度調整/コントラスト調整を行なう。また、GeForce Go 6800搭載のノートPCでは、液晶オーバードライブ機能が利用できる。 これらの機能によりヴォーリー氏は、「PureVideoは家電製品に匹敵する画質を実現すると共に、PCならではのプログラマビリティを活用した柔軟性が得られる」とした。
●動作環境には注意が必要 PureVideoのハードウェアはGeForce 6シリーズすべてに搭載されるが実装される機能には若干の差異がある。具体的には、AGP版すべてのGeForce 6800シリーズとPCI Express版のGeForce 6800 Ultra/GTでは、WMVのハードウェア再生支援機能は有効にならない。詳細はNVIDIAのホームページに掲載されている。 性能面では上位GPUの方が高性能。ちなみに、SLIはPureVideoの負荷分散には対応していないため、SLIシステムでもPureVideoの性能は向上しない。 PureVideoを利用するには、ドライバである「ForceWare」のバージョン67.03(ベータ版)以降が必要。また、MPEG-2の再生支援機能のほか、適応型I/P変換、プルダウン補正、色温度補正などを有効にするには「NVIDIA DVD Decoder」が必要。NVIDIA DVD Decoderは有償だが、21日付けで30日の無償トライアル版がダウンロードできる。 ただし、GeForce 6200 with TurboCacheには、TurboCacheに対応したForceWareバージョン71.02が付属するが、このドライバはPureVideo機能に対応しておらず、この次のバージョンでPureVideoも有効になるという。 再生ソフトはWindows Media Player 10およびWindows XP Media Center Edition(MCE) 2005に対応。 なお、PureVideoはWindows MCE 2005においてVMR(Video Mixing Renderer)に対応。従来のオーバーレイ表示では同時に単一の映像しか扱えないのに対し、VMRでは複数(理論的には無制限)の映像を同時に表示できる。ただし、現状ではWindows MCE 2005が同時に1つの動画しか表示できないため、その制限に従う形となる。 ●今後もソフトウェアアップデートにより機能を拡張 前述の通り、PureVideoはソフトウェアのアップデートにより機能を拡張でき、今後は輪郭強調やノイズリダクション機能などが追加される予定。 また、VMRの制限については、Windows XP MCE 2006で複数映像を同時に表示できるようになる予定だという。 □NVIDIAのホームページ(英文) (2004年12月21日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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