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インテル、国内でも今後の開発計画を発表
~Penrynの実機デモも

Intel 上席副社長 兼 デジタル・エンタープライズ事業本部長のパット・ゲルシンガー氏

4月20日 実施



 インテル株式会社は20日、都内で記者会見を開き、来日したIntel 上席副社長 兼 デジタル・エンタープライズ事業本部長のパット・ゲルシンガー氏が、同社の将来の製品動向について説明した。

 今回の記者会見で説明された内容は、17日に北京で開かれたIDFで行なわれた同氏のプレゼンテーションとほぼ同内容となっており、関連記事も併せて参照されたい。

 同氏はまず、性能の向上と応用の拡大が続くPC市場において、今後予想されるITへの投資の増加の中で、電力消費/冷却、および管理/運用にかかる費用の比率が向上する問題を指摘。この問題の解決に向けた同社の取り組みとして今後提供する製品/技術を紹介した。

●高性能と低消費電力を両立させた「Penryn」

 第2四半期にXeonプロセッサから展開される「Penryn」は、45nmプロセスの採用により大幅なパフォーマンスの向上と消費電力の削減を実現したとアピール。ゲート絶縁膜にHigh-k(高誘電率)材料、ハフニウムのメタルゲートを採用することにより、トランジスタスイッチングの速度を20%以上向上させ、スイッチングにかかる電力を30%削減できたとしており、「ムーアの法則に則り性能を向上させつつも、消費電力を削減できる半導体業界におけるブレイクスルー」だと表現した。

 Penrynに搭載される新機能については、これまでも紹介してきたとおり、SSE4命令の追加、Super Shuffle Engineの搭載による命令実行順序の最適化、Radix-16除算処理、仮想化の高速化、6MBまたは12MBのL2キャッシュ、スプリット・ロード・キャッシュの改善、FSBの向上、Deep Power Downテクノロジの追加などを挙げた。

Penrynの主な特徴 Penrynに搭載される新機能の数々 MRI画像から3Dモデルを生成し、あらゆる角度から3Dモデルを分析できるデモ

 ここで、PenrynベースのXeonを2基搭載したワークステーションによる、MRI画像データの3次元化処理が披露された。日本では初のPenryn実機動作デモとなる。同氏は、「このような医療分野に応用されるアプリケーションの性能が向上するだけでなく、クライアントアプリケーションでも15%~40%以上の性能向上が実証されている」とした。

●サーバー分野は低消費電力に注力

 一方、大量の処理などを行なうサーバー分野においては、性能向上だけでなく効率化を図るために、消費電力の削減や発熱を削減させなければならないと指摘。これはTDP 50Wのクアッドコア製品「Xeon 7300」シリーズを搭載したCanelandプラットフォームでまもなく実現されるだろうとした。発表予定は第3四半期。

 また、IDFにおける重要な発表の1つとしてSun MicrosystemsとIntelの協業を挙げた。両社はこれまで対抗企業であったが、x86プロセッサを搭載たシステム上で、使われていないメモリの部分の電源供給をOFFにすることで、システム全体で15~25%の消費電力を削減できる「ダイナミック・パワー・テクノロジ」を共同開発し、Solarisの上で実現したという。

消費電力が50Wのクアッドコア「Xeon 7300」シリーズ 利用されていないメモリのブロックをOFFにすることで消費電力を削減

 IA-64で展開されているItanium 2については現在順調に売り上げを伸ばしているとしており、今後Montvale、Tukwila、Poulsonを順次投入していくとした。

●管理機能の拡張や特殊分野向けアクセラレータの投入

 同社は、IT製品の管理コストを下げる取り組みとして、vProプラットフォームを展開しているが、2007年には拡張版VTを実装するなど機能強化をした「Weybridge」プラットフォームを投入するほか、ノートPC向けに同等の技術を搭載した「Centrino Pro」ブランドを5月にも投入する。

 vProでは有線LANによるシステムクラッシュ時の管理に対応していたが、Centrino Proでは新たに無線LANによる管理に対応する。これについて同氏は、「特にノートPCで展開される日本市場において強力なプラットフォームとなるだろう」とした。

 特殊分野向けのワークロードの増加の対策として、特殊分野向けのアクセラレータも注力し、2007年後半にも「QuickAssistテクノロジ」を投入する。PCI Expressの技術を拡張し、より高速なメモリアクセスに対応するインターフェイス「Geneseo」に加えて、MCH/ICHの機能とセキュアネットワークの処理チップを統合したIAベースのSoC(System on Chip)「Tolapai(トラパイ)」、プログラム可能なIAに基づいたパラレルアーキテクチャ「Larrabee」などの投入により特殊用途アクセラレータ分野に対応していくとした。

vProを拡張した「Weybridge」プラットフォーム 特殊分野向けアクセラレータ用途のソケット/ソフトウェアアーキテクチャの統一を図る「QuickAssist」 インターフェイスはPCI Expressベースで、メモリアクセスの高速化などが強化点
TolapaiはIAベースでTFLOPS級の演算性能を実現するプログラミング可能なプロセッサ Nehalemは2008年後半に投入される予定

 2008年後半に投入される「Nehalem」については、メモリコントローラの内蔵化およびGPUの内蔵化、仮想スレッディング技術の投入により、さらなる性能向上を図るとした。仮想スレッディング技術の復活については、「従来のHyper-ThreadingはPentium 4のような実行効率が悪くパイプラインが多いCPU上でも有効だったが、新しい仮想スレッディング技術はNehalemのような実行効率が高く、パイプラインが短いCPU上でも十分性能を伸ばせると実証している」とした。

□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□関連記事
【4月18日】【IDF 2007】パトリック・ゲルシンガー氏基調講演
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0418/idf03.htm
【3月29日】Intel、45nmプロセスの次期CPU「Penryn」の詳細を公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0329/intel.htm

(2007年4月20日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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