[an error occurred while processing the directive]

CeBIT 2007レポート

SiSがVista Premium準拠の新グラフィックコアをデモ
~VIAのpico-ITXや多くのAMD 690G搭載マザーも登場

会期:3月15日~21日(現地時間)

会場:独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe)



SiSの新チップセットに統合されているグラフィックコア「Mirage 3+」

 CeBIT 2007のSiSブースでは、先月発表された新チップセット「SiS672」シリーズをデモ。新たに統合されたWindows Premium準拠のグラフィックコア「Mirage 3+」を利用した環境をデモンストレーションしている。

 また、同じく発表済み製品ではあるが、VIAがITXフォームファクタの最小バリエーションとなるpico-ITXを展示したほか、AMDの新チップセット「AMD 690G」を搭載するマザーボードが各ベンダーが展示されるなど、マザーボード関連の新製品が数多く披露されている。ここでまとめて紹介しておきたい。


●Mirage 3から10%の性能向上を果たしたMirage 3+

 SiSが2月6日に発表した「SiS672」シリーズは、「Mirage 3+」と呼ばれる新グラフィックコアを統合しているのが最大の特徴となる。従来のSiS671/771シリーズに統合されていた「Mirage 3」ではWindows Aeroを動作させることができるとしているものの、パフォーマンス面に問題がありWindows Vista Premiumロゴを取得することができなかったのだという。

 そこで、Mirage 3+ではMirage 3から10%のパフォーマンス向上を図ったといい、SiS672シリーズではWindows Vista Premiumロゴを取得することができている。これにより、Windows Aeroを利用できる安価なチップセットとして正式に売り込みをかけることができるようになったわけで、Windows VistaプリインストールPCに利用するPCベンダーが現れるかも知れない。

SiSM672MX+SiS968のリファレンスボードを利用したデモ Core 2 Duo T7400を搭載した環境で、Windows Vistaのエクスペリエンスインデックスを公開している。画面上のロゴが旧Mirage3になっているのはご愛嬌

 このMirage 3+はMirage 3と基本的なアーキテクチャは変わらず、DirectX 9のShaderModel 2.0に対応。ピクセルシェーダユニットをハードウェアで実装している。また、Real Video Technologyと呼ばれる動画の再生支援機能も備えている。

 このほか、ビデオブリッジチップと組み合わせることでデジタル出力を持たせることもできる。ビデオブリッジはデスクトップ向けとモバイル向けに分けられており、デスクトップ向けでは、HDCP非対応のDVI出力が可能な「SiS307DV」、HDCPキーを内蔵したDVI出力用ブリッジ「SiS307CP」、HDCPキー内蔵でDVI出力に加えHDMI出力にも対応する「SiS308CP」の3種類が用意されている。これらはいずれもTV出力や1080iまでのHDTV出力もサポートしている。モバイル向けにはHDCP対応のDVI出力のみが可能な「SiS307ELV」、HDCP非対応のDVI出力とTV出力、HDTV出力が可能な「SiS307LV」が用意されている。

 ちなみに、 SiS672シリーズのラインナップは4種類。デスクトップ向けの「SiS672FX」、「SiS672」、モバイル向けの「SiSM672MX」、「SiSM672」である。デスクトップ向けはSiS671FXが上位モデルに位置付けられており、1,066MHz FSBをサポートする。そのほかのスペックは共通でメモリはDDR2-667のシングルチャネルインターフェイスとなる。モバイル向け2製品は、SiSM672MXがCore 2/Coreシリーズ対応製品となり、SiSM672は主にモバイルPentium4に向けた製品となる。

 このSiS672シリーズに組み合わせられるサウスブリッジは「SiS968」。SiS968には使用していない機能への電源供給を停止する機能が盛り込まれており、低消費電力を謳い文句にしている。そうした特徴もあって、デスクトップ、モバイルが共通のチップを使うことになる。HD Audio、RAID 0/1対応のシリアルATA×2、IDE×1チャネル(2デバイス)、USB 2.0×8ポート、PCI×6、PCI Express x1×2といった機能を搭載している。

会場で流れていたプレゼンテーションよりSiS672FX+SiS968のブロックダイヤグラム 同じくSiS672+SiS968のブロックダイヤグラム SiSM672MX+SiS968のブロックダイヤグラム
SiSM672+SiS968のブロックダイヤグラム デモで利用されていたSiSM672MXのリファレンスマザーボード SiSブースで展示されたSiS672FX/672を搭載した各マザーベンダーの製品。ASUSTeK、ECS、FOXCONN、GIGABYTEなどの製品が並んでいた

●VIAはpico-ITXマザーを展示

VIAが披露したpico-ITXマザー。72×100mmの基板スペースをフルに活かしてチップやヘッダピンなどが実装されている

 今回のCeBITでは、VIAはブースを設けていないものの、プレス向けに開催されたイベントには参加しており、その会場においてITXフォームファクタでももっとも小さいサイズとなる「pico-ITX」フォームファクタを披露した。この製品は「EPIA NX」の製品名が付けられているが、発売日は未定とされている。

 基板は72×100mmと非常に小型で、その上に、C7-M/1GHz(400MHz FSB)と、ワンチップチップセットのVX700、Ethernetコントローラ「VT6106S」が所狭しと実装されている。メモリは裏面にSO-DIMMスロットを1つ備えており、DDR2-533までのDDR2 SDRAMを搭載できる。

 ストレージ類はシリアルATA×1、IDE×1チャネル(2デバイス)を接続可能。IDEは2.5インチ用のヘッダピンが基板の端から伸びている。このほか、基板サイズが小さいためI/Oリアパネル部はD-Sub15ピンとLANのみが実装されるに留まっている。ただし、シリアルポート、PS/2、USB 2.0なども機能として持っており、これらは基板上のヘッダピンから取り出す格好となる。


●AMD 690Gに加え、Intel向けのRadeon X1250搭載マザーも

 先月28日に発表されたAMDの統合型チップセット「AMD 690シリーズ」。今回のCeBITの会場では、複数のマザーボードベンダーから搭載製品が展示されている。フォームファクタは統合型チップセットということもあって大局的にはmicroATXが多いが、ATXの製品も登場している。また、AlbatronからはMini-ITXサイズの搭載製品も登場し、バリエーションは豊富だ。

 そのAlbatronの「KI690-AM2」は、Mini-ITXの製品ながらAMD 690Gの機能を大いに活用しており、I/Oリアパネル部のインターフェイスは映像出力だけでもD-Sub15ピンとHDCP対応のDVI端子、HDMI端子、コンポーネント出力を装備。このほか、コアキシャルのS/PDIF出力と光出力、IEEE 1394、USB2.0×4、LAN(Gigabit Ethernet対応)を備えており、機能面も十分。使い道の多そうな製品となっている。

AMD 690G+SB600を搭載するAlbatron「KI690-AM2」。DIMMではなく、SO-DIMMスロットを2基備え、最大2GBまでのDDR2-667メモリをサポートする Mini-ITXながらインターフェイスは豊富で、映像出力端子だけでも、D-Sub15ピン、DVI、コンポーネント出力、HDMIを備える AMD 690G+SB600を搭載するASRock「ALiveA690G-DVI/H」。HDCP対応のDVI端子を持つがHDMI端子は備えていない
AMD 690G+SB600を搭載するBIOSTAR「TA690G AM2」。HDMI、DVIともに備える AMD 690G+SB600を搭載するECS「AMD690GM-M2」。DVI端子は備えるがHDMIは備えていない。またメモリスロットは2本となる AMD 690G+SB600を搭載するFOXCONN「A690GM2MA-8EKRS2H」。やはりDVIのみでHDMI端子は備えていない
AMD 690G+SB600を搭載するGIGABYTE「GA-MA69G-S3」。ATX準拠マザーでは唯一HDMIも備えている AMD 690V+SB600を搭載するGIGABYTE「GA-MA69VM-S2」 AMD 690G+SB600を搭載するMSI「K9AGM2」。DVIは備えないがHDMI端子を備えている
AMD 690V+SB600を搭載するMSI「K9AG Neo-F」 AMD 690G+SB600を搭載するSapphire「PI-AM2RS690MHD」。DVIは備えずHDMI端子のみ備える。製品単体の展示はなくケースに組み込んだデモが行なわれた

□CeBIT 2007のホームページ(英文)
http://www.cebit.de/
□SiSのホームページ(英文)
http://www.sis.com/
□VIA Technologiesのホームページ(英文)
http://www.via.com.tw/
□関連記事
【2月28日】AMD、HDMI対応の統合型チップセット「AMD 690」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0228/amd.htm
【1月25日】VIA、C7-M/Core 2 Duo対応のモバイルチップセット「VN896」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0125/via.htm
【2006年9月27日】SiS、DirectX 9対応のK8向け統合チップセット「SiS771」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0927/sis.htm

(2007年3月18日)

[Reported by 多和田新也]

【PC Watchホームページ】


PC Watch編集部 pc-watch-info@impress.co.jp
お問い合わせに対して、個別にご回答はいたしません。

Copyright (c)2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.