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日本HP、4年ぶりに個人向け市場にデスクトップを投入
~TouchSmart PCを参考展示

3月6日 発表



「Personal Again」は同社のコンセプト

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は6日、都内で「個人向けPC戦略および新製品発表会」をプレス向けに開催。日本市場向けにデスクトップPCを投入し、合わせてノートPCからデスクトップまでフルラインナップでコンシューマ市場へ再参入することを発表した。

 HPとCompaqが合併した際に、企業向けにフォーカスするために停止されていた日本における個人向けデスクトップPCビジネスを、4年ぶりに再開した。第一弾として、「HP Pavilion」ブランドで、AMD CPU搭載デスクトップ2モデルとIntel CPU搭載デスクトップ2モデルの、計4モデルが投入される。詳細な仕様については別記事を参照。

 同日開かれた発表会では、同社のコンシューマ市場における戦略や、Pavilionシリーズのラインナップが説明されたほか、CESで紹介されたタッチパネルを採用したデスクトップPC「TouchSmart PC」のデモが行なわれた。

発表されたデスクトップPC2機種とノートPCの展示 Sempron搭載の「Pavilion Notebook PC dv6205/CT」

●世界シェアNo1の勢いで日本へデスクトップを投入

パーソナルシステムズ事業統括 取締役 副社長 執行役員の岡隆史氏

 まず、同社パーソナルシステムズ事業統括 取締役 副社長 執行役員の岡隆史氏が挨拶に臨んだ。

 「本日は非常にうれしい日、日本HPが4年ぶりに日本のコンシューマビジネスに再参入する記念日である。世界ではシェアNo1で勢いがあり、その勢いをリードしているのが今回発表するコンシューマ向けPCだ」

 「日本では今まで企業向けに特化して展開してきた。その中では、Webのダイレクト販売、チャネルでのビジネス、SCMといったベースになるインフラを整備してきた。今回再参入するにあたり、これまで整備してきたインフラを使ってもう一度コンシューマビジネスを立ち上げていく」と抱負を語った。

米Hewlet Packard コンシューマPCビジネスユニット プロダクト・マーケティングマネージャーのリチャード・ウォーカー氏

 続いて、米Hewlet Packard コンシューマPCビジネスユニット プロダクト・マーケティングマネージャーのリチャード・ウォーカー氏が個人向けPC戦略を説明した。

 PC戦略のキーワードは、効率、拡大、イノベーション、インスピレーションの4つ。2000年にHPとCompaqが合併した当時、両社ともにPCビジネスは10億ドルの損失を出していたが、2006年には920億ドルの売り上げをあげ、大変なプログレスとなった。こういった結果を出す際には、PCビジネスをトラッキングしていくためにオペレーショナルエクセレンス(運用の優秀さ)が求められており、その土台が4つのキーワードであるとした。

 また、同社の強みについては、スケールメリットと広範な製品ポートフォリオを挙げるとともに、スタイリッシュでモダンなデザインの実現や簡単で使いやすいことを挙げ、以上の位置づけでコンシューマに対してアピールできるとした。

 今後の方向については、「PCビジネスは変化の途上にあり、如何にリッチな体験を提供できるかが鍵である。家電とPCの融合や、Winedows Media Centerの活用、リビングルームでの機能としての活用が鍵になってくる。つまりライフスタイルコンピューティングという概念に向かっている」と方向性を示唆した。

ビジネス戦略4つのキーワード コンシューマ向けデスクトップとノートでシェア1位に

●ライフスタイルコンピューティングを実現する「TouchSmart PC」

パーソナルシステムズ統括 モバイル&コンシューマビジネス本部の山下淳一氏

 そして、イノベーティブな形でインタラクションできるという試作機、「TouchSmart PC」を紹介した。ビル・ゲイツがCESの基調講演で紹介したコンセプトモデルで、日本への投入時期や価格は未定。

 同PCは一体型の構造で、タッチスクリーン・インターフェイスを採用している。そして、Vistaの機能を利用したプラットフォーム「smart centre」が搭載されており、指一本でカレンダーや写真の管理、音楽/映像の視聴、手書きのメモといったアプリケーションが可能になっている。

 ディスプレイの背後には同社のプリンタを設置可能で、USBで接続するとPC前面のパネルからプリンタの操作が可能になる。また、Webカメラを内蔵し音声でのメッセージングにも対応する。

 主な仕様は、CPUにTurion 64 X2、2GBメモリ、GeForce Go 7600、Bluetoothと無線LAN、OSにWindows Vistaを搭載する。ディスプレイは19型ワイドを採用。

手書き文字のメモや音声の通話が可能 背面には同社のプリンタを収納できる。また再度にはリムーバブルHDD用スロットを装備 カードゲームのほか、チェスなども収録している

●Pavilionでシェア2桁獲得を目指す

パーソナルシステムズ事業統括 モバイル&コンシューマビジネス本部の山下淳一氏

 最後に、日本ヒューレットパッカード株式会社 パーソナルシステムズ事業統括 モバイル&コンシューマビジネス本部の山下淳一氏がPavilionシリーズについて説明した。

 デザインは、ピアノブラックにシルバーを合わせ、イルミネーションにはブルーを採用し、これまでのノートPCのデザインを踏襲。また、前面にエアグリルを備えず、リビングルームにフィットするように意図したという。また、すべてのモデルにDVDスーパーマルチドライブや15-in-1カードリーダを標準搭載してスペックの水準を引き上げた。

 そして、HP昭島工場で生産し受注日を含めて5営業日で納品する「MADE IN TOKYO」体制となっていることを強調した。デスクトップPCのローカルでの生産はアメリカ以外では初だという。また、ビックカメラ新宿西口店/池袋本店(3月7日より)と有楽町本店(3月9日より)にPavilionの実機を体験できる「HP Directplus Station」を設置し、オンライン販売の弱点を補完する。

 同氏は、当初はノートPC2製品だったが、現在は既存のノートPC 3製品と今回発表した5製品を合わせ、「ようやく格好のつくラインナップがそろった」と自信を見せ、「今後もAMD、マイクロソフト、インテルなどパートナー各社と歩調を合わせ、日本でのコンシューマビジネスを拡大していきたい」とした。

 質疑応答では、地デジチューナーなどは搭載していないが、早めに提供できるように検討している段階。ワンセグについては、サードパーティー製が出ているため、当面提供予定はないとした。今後については、現在ビジネスPCで11~12%のシェアをもっているが、コンシューマについても2桁のシェア獲得をどれだけ早く到達できるかが目標であるとした。

実際に製品に触れられるHP Directplus Station Pavilionシリーズのラインナップ

□日本HPのホームページ
http://www.hp.com/jp/
□ニュースリリース
http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2007/fy07-062.html
□関連記事
【3月6日】日本HP、小型デスクトップPC「Pavilion」2製品
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0306/hp.htm
【3月6日】日本HP、77,700円からのAMD CPU搭載ノートPC
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0306/hp2.htm
【1月9日】【CES】ビル・ゲイツ氏基調講演レポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0109/ces4.htm

(2007年3月6日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

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