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マイクロソフトが企業市民活動をアピール
~「ソフトを通じ社会に影響を」

6月16日 発表



 マイクロソフト株式会社は6月16日、同社が取り組む企業市民活動(CSR)についての説明会を開催した。

米Microsoft パメラ・パスマン コーポレートバイスプレジデント

 CSRの責任者である米Microsoft パメラ・パスマン バイスプレジデントは、「CSRは新しく始めた取り組みではなく、何年も前から実施している。30年前にビル・ゲイツが話した、企業を設立した時点でのビジョンにあらためて目を通すと、彼が技術が人にもたらす役割の大きさをこの段階から認識していることがよくわかる。しかし、企業として名前を知られるようになり、社会的にも大きな影響を与える存在となったことで、我々がどんな活動を行なっているのか、きちんと話していかなければならなくなった」とCSRをPRする狙いを説明した。

 MicrosoftがCSRを行なっていく上での大前提として、「我々は通信の会社でもなければ、Xboxを除いてはハードウェアを作っているわけでもない。ソフトの会社である。ソフトとその技術がもたらすマジックによって、社会に影響を与える活動を行なっていく」とソフトを中心としたCSR活動を行なっているとした。

 「ソフトウェアの中でもMicrosoftが全てのアプリケーションを提供できるわけではない。それに、我々が提供しているのは、プラットフォームだ。プラットフォームとなるソフトを提供する立場として、パートナーシップをきちんと確立していくこと、オープンで、みんなに理解してもらえるプラットフォームとすることも、重要なミッションとなる。日本の東芝やNECと交わしているソフトのクロスライセンスは、我々のオープンな活動の表れといえるのではないか」

 ソフトを通じたCSRとしては、「いくつかの観点からのCSRが実現できる。例えば、ソフトを開発することなどによる雇用の創設、またソフトを活用することでの生産性の向上といったことだ」と色々な側面があると説明。

 その上で、日本でソフトを活用してもらうことによって実現できるCSRとして、(1)各地方自治体と協力したインキュベーション事業、(2)大学など教育機関でのソフトを活用した研究活動の支援、という2つの活動を実施していることをアピールした。

 また、'90年代の半ばからNPOの支援を行ない、障害者向けのITスキル向上のためのトレーニングを実施することで、障害者がIT関連の仕事に就くことができるよう協力したり、ドメスティックバイオレンスの被害者を支援する取り組みを進めているNPOに協力するなどの取り組みを行なっていることも紹介した。

 「NPOとの協力関係を強化することで、より多くの人々にリーチすることができるようになる。実際の取り組みの中で、NPOももつ役割の重要性を学んだ。こうした取り組みは、日本だけでなく、世界中で行なっているものではあるが、ローカルニーズにあわせることで、その国にあった取り組みとなる」(パスマン バイスプレジデント)

 ソフトウェアがメリットと共に、セキュリティ、インターネットの安全性といったマイナス面も持っていることに対しては、「スティーブ・バルマーのもと、安全を確保するための取り組みを続けている。例えば、次期Officeには、家族が安心して使えるように効率的な安全対策機能を付加している。オンライン上で、子供から勝手な搾取活動を行なう犯罪者が多いことに対抗するためには、カナダの企業と協力して対策ツールを開発した。これが大変好評だったことから、継続して提供していく」と説明した。

 セキュリティを重視するために、7月11日付けでWindows 98/98 SE/Meのサポートを終了するため、学校などで利用してきたハードが使えなくなるという声が挙がっていることに対しては、「利用しているハードが無駄になってしまうという指摘もあるが、それはハードのリサイクルを進めるといったことで対処していくべき。インターネットを取り巻く環境は、Windows 98が誕生した時点とは全く環境が異なっており、当時用意した技術でセキュリティ対策をとることは難しくなっている。セキュリティ面から考えると、新しいものに切り替える必要性がある」と、安全性を優先する必要があるとした。

インドネシア語版Windows XP Starter Editionのデスクトップ

 新興市場をターゲットにプリペイドカードを使ってPCを提供する「Pay-As-You-Go」については、「世界各地で調査を行なった結果、当初は5カ国から提供を開始する。事業を開始するためには、プリペイドカードを販売するチャネルを作るといったインフラを整える必要がある。試験的に提供を行なったブラジルでは高評価を得て、これを各国で展開することとなった。インフラをどう作っていくのかを考慮しながら、5カ国以外の国への提供も検討したい。こうした新興市場の新規ユーザーは、それぞれニーズが異なる。何年か前には、低価格で提供する“Starter Edition”を提供し、当初は5カ国からスタートし、現在は20カ国に提供している。色々なグループに使ってもらえるよう、ニーズにあわせたものを提供していきたい」と、さまざまな手法で新興市場に取り組んでいく方針を示した。


□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□関連記事
【6月16日】ビル・ゲイツ氏、Microsoft経営の一線から引退
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0616/ms.htm
【5月22日】Microsoft、新興市場向けプリペイドカード式PC
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0522/ms.htm
【2004年8月12日】Microsoft、低価格OS版Windows XP「Starter Edition」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0812/ms.htm

(2006年6月16日)

[Reported by 三浦優子]

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