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WinHEC2006レポート

Windows Vistaの新機能「SideShow」
〜既存の液晶デバイスがサブディスプレイに

会期:5月23日〜25日(現地時間)

会場:米国ワシントン州シアトル市
    Washington State Convention & Trade Center



 SideShowは、ガジェットと呼ばれるアプレットをWindows Vista上で動かし、ディスプレイ機構を持つさまざまなデバイスとPCを連携させるために考えられた新たなプラットフォームだ。Microsoftはガジェットを書くためのAPIとハードウェア設計のためのDDIを用意し、Windows Vista β2のSDKには、そのための開発キットも含まれているという。

●ディスプレイさえあればSideShow対応デバイスになる

 PC上のガジェットは、ディスプレイに送るデータをXML形式に変換し、なんらかの方法で接続されたデバイスに送り、それを解釈したデバイスが、自分自身のディスプレイにその情報を表示するという仕組みになっている。また、通信は双方向で行なうことも可能で、インテリジェントなデバイスであれば、PCをコントロールして情報を受け取ったり、情報をガジェットに送信することも可能だ。

 Windows Vista上では、コントロールパネル上で、登録された各デバイスとガジェット間で、どのようなデータをやりとりするかを決めておくことができる。ちなみに、Windows Vistaには、標準でWindows Media PlayerとWindows Mail対応のガジェットが含まれている。

コントロールパネルからデバイスとやり取りするデータを設定しておくことができる Microsoftが多くのモジュールを提供するのでデバイス側での対応は最小限ですむ

 SideShowコンパチブルなデバイスは、PCと接続できて、ディスプレイがついているものなら何でもいいという。ずいぶん乱暴な印象を持つが、まったく新たにデバイスを開発するほかに、既存のデバイスを対応させることを想定したプラットフォームなので、そのあたりは柔軟になっているということのようだ。

 デバイスとPCの接続は、USBやBluetooth、Wi-Fi経由のIPなど、なんでもかまわない。ディスプレイも何かを表示できるものであれば、カラーであろうが、モノクロであろうが、解像度が極端に低かろうがなんでもいい。文字を表示する機構がなければ、ビットマップで表示するといったこともできる。

 このプラットフォームが最初に紹介されたときには、ノートPCのディスプレイの裏側にサブディスプレイをつけ、そこにさまざまな情報を表示するというユーセージモデルが想定されていたようだが、以降、デバイスの種類はかなり増えている。

 ノートPCでも、メインディスプレイの背中にサブディスプレイを配置したもの、パームレスト部分に配置したものがあるし、ロジクールのゲーム用キーボード「G15」のように、キーボードがディスプレイを持つこともある。携帯電話やPocket PCなどのPDAライクなデバイス、デジタル画像を表示する電子フォトスタンド、目覚まし時計からデジタルオーディオプレーヤー、大画面TVに、さらには家屋の壁や冷蔵庫に埋め込まれたディスプレイなどホームオートメーション的な用途も考えられているようだ。

 SideShow対応デバイスは、DetachableとNon-Detachableの2種類がある。前者はPCとは独立したもので、独自にプロセッサやメモリ、ストレージなどを備えている。また、後者は論理的なセカンダリディスプレイではないが、データを受け取って表示するPCの拡張ディスプレイだ。また、デバイスの能力に応じて、リッチなUIを持たせ、Vistaとは .NET MicroFrameworkでデータをやりとりするEnhanced display、それ以外のBasic displayに分類することができる。

Detachable Display(左)とAttached Display(右)

●アイディア次第で用途が広がり、デバイスがPCをハブに連携する

 使い方のモデルとしては、いろいろなものが考えられるが、会場で披露されたデモンストレーションでは、たとえば、ノートPCのディスプレイ背面に用意されたディスプレイを使ってPCのWindows Media Playerをコントロールし、ノートPCをデジタルオーディオプレーヤーとして使うというモデルが紹介された。現在のノートPCは、液晶のバックライトが多くのバッテリを消費するが、それさえなければ、プロセッサが稼働していても、音楽の再生程度なら、十分に実用になるだけの運用時間が得られるはずだという。

 また、PDAのようなデバイスをDetachableデバイスとして使った場合には、PCが30分おきにレジュームし、メールやスケジュール、RSSフィードなどの情報をゲットしてデバイスに送り、再び眠りにつくといった動きをする。PDAを確認して、必要であれば、PCを起動して作業するというスタイルになる。

G15 Gaming Keyboardのビットマップディスプレイを用いてデモ

 さらに、すでに市販されている製品としてロジクールのゲーム用キーボード「G15 Gaming Keyboard」を使ったデモンストレーションも行なわれた。このキーボードには163×43ドットのモノクロビットマップディスプレイが装備されている。PCとの間はUSBケーブルで結ばれ、ディスプレイに再生中の曲名表示、新着メールのタイトル表示などを行なうことができていた。デスクトップPCに常時接続されていることが保証されたデバイスならではの使い方だといえるだろう。

 デスクトップの広さは限られている。かといって、スペースやコストのことを考えると、誰もがマルチディスプレイを使えるわけではない。限られた情報ではあっても、補助的なディスプレイを使って表示することができれば、デスクトップの広さを補完することはできるはずだ。

 大画面TVがこのプラットフォームに対応すれば、Extender的な用途にも利用でき、PCに蓄積したコンテンツを再生しつつ、メールの到着や新着フィードをアラート表示できるだろう。もちろん、玄関のベルが鳴れば、それを検知し、TV電話での会話に切り替えるような用途もある。もちろん、携帯電話との連携も想定内の用途だ。残念ながら日本の携帯電話にはBluetooth対応の製品が極端に少ないため、ワイヤレスでPCと連携するのは難しそうだが、プラットフォームの普及やワイヤレスUSBへの対応などで状況も変わってくるにちがいない。

※今週の連載ページで使った写真は、SideShowデバイスの使用例の1つ。独立した電子フォトスタンドにPCから送られてきたデジカメ写真が表示されています。

□WinHEC 2006のホームページ(英文)
http://www.microsoft.com/whdc/winhec/
□関連記事
【5月26日】【山田】Windows Vistaと足下にあったテクノロジ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0526/config107.htm
【5月25日】【WinHEC】64bit化を急速に進めるMicrosoft
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0525/winhec02.htm
【5月24日】【笠原】MicrosoftがWindows Vista β2を公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0524/ubiq156.htm

□WinHEC 2006レポートリンク集
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/link/winhec.htm

(2006年5月29日)

[Reported by 山田祥平]

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