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日立GST、160GBプラッタ/最大容量500GBの
「Deskstar T7K500」

「Deskstar T7K500」

2006年第3四半期 出荷開始



 日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立GST)は12日、3枚プラッタで最大容量500GBを実現した3.5インチHDD「Deskstar T7K500」シリーズを発表した。出荷時期は2006年第3四半期。

 Deskstar T7K500シリーズは、約160GBのプラッタを採用することにより、最大容量500GBを実現した製品。部品数の減少により高い量産性とユーザー検定試験などにおける効率化を両立。また、HDD内部に温度センサーを設け、温度監視およびエラー率の改善を行なう新技術「Thermal Fly Height Control」を搭載し、データの信頼性向上を図ったとしている。

 容量は、500GB/400GB/320GB/250GBの4種類をラインナップ。主な仕様は、回転数が7,200rpm、平均シークタイムが8.5ms、バッファが8MB/16MB、最大内部転送速度は998Mbps(約125MB/sec)。騒音は3枚プラッタ製品が30dB、2枚プラッタ製品が28dB。

 PCとの接続インターフェイスはUltra ATA/133とシリアルATA(3Gbps転送対応)の2種類が用意される。

 さらに、同様に160GBプラッタを1枚採用し、容量160GB/80GBを実現した「Deskstar 7K160」シリーズも同時出荷する。主な仕様はT7K500とほぼ同じ。

発表会場で展示されていたDeskstar T7K500 Deskstar 7K160 家電向け3.5インチHDD「CinemaStar」

 また、家電向け3.5インチHDD「CinemaStar」ブランドを新たに設け、第3四半期に市場へ投入する。同シリーズはDeskstar T7K500、同7K160をベースとし、平均シークタイムを14msに落としているほか、回転数を最小4,200rpmに抑えたり回路の一部をOFFにできるマイクロコードが導入されており、低消費電力や低発熱、低騒音を謳っている。

 12日に都内で行なわれた発表会では、同社 代表取締役社長 田宮敏彦氏が挨拶。田宮社長は、2005年の同社の業績を振り返り、「2005年は市場需要の増加と、歩留まり向上に後押しされ、第4四半期では黒字化した。また、10製品のラインナップを揃えるなど、当社として素晴らしい成長を遂げた」と語った。

 今後の事業展開や展望についても、引き続き研究開発および設備に大きな投資をする意思を表明。加えて、家電が牽引するHDDの市場拡大に対応するため、中国の深センにある新工場の第2期の稼動開始時期を前倒しする予定を明らかにした。

代表取締役社長 田宮敏彦氏 同社の2005年の業績
深センに構える生産拠点の主な概要 世界初のHDD「RAMAC」と「Deskstar T7K500」の比較

 最後に過去HDD事業の過去50年を振り返り、「50年前の世界初のHDD“RAMAC”は24インチ円板50枚で5MBの記憶容量を実現していたが、新製品Deskstar T7K500では3.5インチ円板3枚で500GBを実現できており、5,000万分の1のサイズ縮小に成功している。今後も垂直磁気記録の登場により記録密度はさらに向上していくだろう」と述べた。

 新たに投入されるCinemaStarシリーズについて、米国本社Senior Vice President Corporate Strategy & MarketingのWilliam C. Healy氏が説明にあたった。

 説明の中で同氏は、家電によりHDDの台数および容量の需要が増加していると繰り返して強調。「携帯電話には1インチHDD、デジタルビデオカメラには1.8インチHDD、カーナビには2.5インチHDD、そしてDVDレコーダには3.5インチHDDが入っている。CinemaStarの投入により、すべてのラインナップのHDDを揃えられ、市場の高まるニーズに応えられる。現状9%しかない3.5インチHDDシェアを継続的に拡大し、2008年には2倍の18%のシェアを狙っていく」と戦略を説明した。

米国本社Senior Vice President Corporate Strategy & Marketing William C. Healy氏 年々高まると予想されるデジタルビデオを保存するためのHDD出荷数 3.5インチHDDの出荷台数を増やし、2008年で現在の倍のシェア18%を実現

 質疑応答では、垂直磁気記録採用HDDの投入時期の遅延原因についての質問がなされ、同社 鈴木良 取締役は「我々は量産ができる体制を整えてから市場に投入しようと考えており、現在多少の遅れは生じたものの進行に関しては順調だ。第3四半期中には提供できるだろう」と答えた。また、160GBプラッタを5枚採用し、800GBを実現する製品の有無についても同氏は、「製品名などはまだ話せないが、計画はしている。2年で記録密度が2倍になるというペースから考えると、投入する日も近いことが想像できるだろう」と答えた。

□日立グローバルストレージテクノロジーズのホームページ
http://www.hitachigst.com/portal/site/jp/
□ニュースリリース(PDF)
http://www.hitachigst.com/portal/binary/com.epicentric.contentmanagement.
servlet.ContentDeliveryServlet/JP_Public/aboutus/
press_rsc/2006041202.pdf
(T7K500)
http://www.hitachigst.com/portal/binary/com.epicentric.contentmanagement.
servlet.ContentDeliveryServlet/JP_Public/aboutus/
press_rsc/2006041203.pdf
(CinemaStar)
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0405/hgst.htm
【2005年1月6日】日立GST、500GBのSATA II対応HDD「Deskstar 7K500」
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(2006年4月12日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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