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第9回ROBO-ONEレポート

3月18~19日開催



 3月18日、19日に、お台場にあるパナソニックセンターにて第9回ROBO-ONEが開催された。ROBO-ONEとは、ホビイストが製作した二足歩行ロボットによる格闘大会。

 激戦の末、優勝したのは、今回初優勝となった「マジンガア」(製作:光子力研九所)。準優勝はROBO-ONE随一の素早い動きを誇り、前大会でも2位だった「ダイナマイザー」(製作:スギウラファミリー)。3位は、「ivre(イーブ)」(製作:)。長い腕を振り回して上位入賞を果たした。

【動画】決勝戦。「マジンガア」vs「ダイナマイザー」 決勝戦の様子
悔しがるダイナマイザーと優勝したマジンガア マジンガアを製作した「光子力研九所」チーム 「本当に悔しい」とコメントするスギウラファミリー
3位決定戦。「ivre(イーブ)」vs「ARIUS」(製作:スミイファミリー) 【動画】3位決定戦の様子。延長戦でも勝敗はつかず、スリップダウンの回数によってivreが3位に 準決勝での対「マジンガア」戦の様子。とにかく長くて重たい腕を振り回す「ivre」。これまでも似たコンセプトのロボットはあったが、ここまで効果的に腕を使ったロボットは初めて
「ivre」製作者「ゆ」さん。途中でロボットが故障するも善戦 上位入賞者たち
【動画】準決勝第1試合。「マジンガア」vs「ivre」 【動画】準決勝第2試合。「ダイナマイザー」vs「ARIUS」 【動画】決勝戦の後はベスト8全ロボットによるランブル戦が行なわれた。ダウン制限はなく、相手をリングから落とせば勝利

 また、予選1位の「OminiZero.2」(製作:前田武志)は、ずば抜けた軽快な走りを見せ、参加者の耳目を集めた。「OminiZero.2」は試合中もずっと走りっぱなし。「今回のMVPだ」(参加者)という声も多かった。

足が長い「OminiZero.2」 攻撃技も多彩
【動画】2回戦第8試合の「OminiZero.2」vs「MYRO-3」(製作:Myongji Robot)。重量級のMYRO-3に対して機動性を活かした戦いを見せる 【動画】準々決勝「OminiZero.2」vs「ARIUS」。互いに機動性が高いロボット同士の戦い

 中堅の上位常連である「HAJIME ROBOT」(製作:坂本元)と「R-Blue」(製作:吉村浩一)との初対戦という注目のカードも見られたが、どちらのロボットも本調子ではなかったようで、残念ながら期待したほどの熱戦は見られなかった。

R-Blue(左)とHAJIME ROBOT(右) 【動画】前日の予選でプレゼンテーションをする吉村氏とR-Blue 【動画】一回戦で行なわれた「HAJIME ROBOT」vs「R-Blue」

 子どもたちには「トコトコ丸」(製作:チームとことこ)、「アリキオン」(製作:スミイファミリー)、「AerobattlerPENTO」(製作:なぐ)などが人気。大きな声援を送っていた。

「アリキオン」(写真左) 【動画】「アリキオン」vs「グレートマジンガァJr」。グレートマジンガァJrが勝利
前回優勝ロボットの「トコトコ丸」は二回戦でARIUSに敗退 【動画】第一回戦の「トコトコ丸」vs「キングカイザー」(製作:マルファミリー)。トコトコ丸が勝利
「AerobattlerPENTO」クチバシが取れてしまっている 【動画】第一回戦の「AerobattlerPENTO」vs「ARIUS」。AerobattlerPENTOはユーモラスなボイスを発しながら戦うがARIUSに敗退

 今大会では、前回から規定演技とされた「走行」を実現するロボットも増え、軽快な動作を見せた。前大会ではジャンプ1つで大きなどよめきが起きたのだが、今大会ではさらに安定してジャンプするロボットが数多く出場。既に驚きの声も小さくなっており、アマチュア大会である「ROBO-ONE」における進化の速さを感じさせた。

 一方、「捨て身技」と呼ばれる、ダイビングや体当たりしてそのまま床に倒れるような技は回数が規制された。また「床へ足裏以外の部分がタッチするとダウン」というルールがより厳密に適用される一方で、審判を巡り、観客・審査員とも、判断に迷うシーンも見られた。

 かつては動くだけで精一杯だったロボットたちも、現在ではセンサーによる制御を入れたり、設計上の工夫をしたりと、少しぐらいの攻撃があたってもなかなか倒れない。また、動作が軽快になっていると同時に操縦者のテクニックも上がっているため、お互いに攻撃を読んで避けたりぐるぐる回って後ろに回りこむのは上位陣では当たり前になっている。そのせいかなかなか決着がつかず、延長戦が多かったことも今回の特徴だ。

 そのほか、主立ったロボットや試合を紹介する。

「WR-07」(チームマリモト)VS「A-Do」(すがわらゆうすけ&影)。WR-07は車に変形するロボット 【動画】第一回戦の「WR-07」vs「A-Do」。WR-07が勝利
二足歩行状態から4本脚のロボットに変形できる「レイヤードX」(ASURADA)VS「Black-Seed」(TeamLilac) 【動画】第一回戦の「レイヤードX」vs「Black-Seed」。Black-Seedが勝利
韓国からの巨大ロボット「MYRO-3」(写真)VS 高校生グループによる「ニュートリノネロ」(飛騨神岡高校) 【動画】第一回戦の「ニュートリノネロ」vs「MYRO-3」。ニュートリノネロも健闘したがMYRO-3が勝利
重量級同士の闘い「ヨコヅナグレート不知火」(Dr.GIY)VS「Taekwon-V」。同じような技を同時に繰り出すシーンも 【動画】第二回戦の「ヨコヅナグレート不知火」vs「Taekwon-V」。Taekwon-Vが勝利

本戦出場ロボットたち

 大学生のロボットサークルや、高校生の部活動からの参加が目立ったことも今大会の特徴の1つ。若いロボット製作者たちにとって、ROBO-ONEが1つのマイルストーンとなっていることが分かる。

 新規参加者の上位への食い込みも見られる一方で、やはり常連メンバーが多く、技術的なレベルの差も大きい。イベントとしても見慣れた印象がある。今後、いかに裾野を広げつつ、さらに高いレベルの競技を目指すのか。今後も期待したい。

 なお、今大会では「宇宙大会」の発表も行なわれたが、それについては別記事を参照されたい。

試合の合間にはスポンサーがPR。システクアカザワは5月発売予定の小型ロボット「PLEN」をプレゼン アイ・ビー(株)は、Bluetoothを使ったロボット(Pirkus-R)操縦 デアゴスティーニの「週刊マイロボット」。試合会場の後ろでブースを開いていた
リングアナ、ラウンドガールも登場

□ROBO-ONEのホームページ
http://www.robo-one.com/
□関連記事
【3月20日】2010年、ROBO-ONEは宇宙へ
~ROBO-ONE宇宙大会プレス発表会
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0320/kyokai44.htm
□【2005年9月27日】【森山】ROBO-ONEで“走る”ロボットたち
~ホビーロボットは新たな段階に
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0927/kyokai38.htm
□【2005年9月21日】第8回ROBO-ONE in 飛騨高山開催
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0921/roboone.htm

(2006年3月20日)

[Reported by 森山和道]

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