International CES 2006は、1月4日夕方(現地時間)に行なわれるMicrosoftのビル・ゲイツ会長兼CSAの基調講演から開幕する。
開幕を控えた会場ではブースの設営などの準備が進む中、報道関係者向けにCESの会場で展示される製品のプレビューが行なわれた。その中からPC分野の注目製品を紹介していきたい。 ●Centrino Duoノートを多数展示したASUSTeK 台湾のマザーボードベンダASUSTeK Computerは、最近ではマザーボードのみならず、ノートブックPCベンダとしても認知されている。ナショナルブランドが強力な日本市場は別としても、アジア市場においてASUSのノートPCは、注目を集める存在でそれなりのシェアも獲得している。 今回ASUSは「W2J」、「W5F」、「S6F」、という3つのノートPCを展示した。これらの製品はCESで発表されるとみられている“Centrino Duo Mobile Technology”、つまりNapaプラットフォームと呼ばれてきた新しいモバイルPC向けコンポーネントを採用している。 Centrino Duoは、CPUにIntel Core Duo(Yonah DC)を採用し、チップセットにIntel 945GMないしはIntel 945PM、無線LANチップにIntelのIntel Pro/Wireless 3945ABGを搭載している。 「W2J」はIntel Core Duo、Intel 945PM、Intel Pro/Wireless 3945ABGを搭載するCentrino DuoプラットフォームのノートPCで、17型ワイドの液晶ディスプレイを搭載したハイエンドノートPCだ。GPUにATIのMobility Radeon X1600を搭載しており、高い3D性能を備えるのが特徴だ。 「W5F」は2スピンドルのサブノートPCで、Intel Core Duo、Intel 945GM、Intel Pro/Wireless 3945ABGを搭載するCentrino DuoプラットフォームのノートPC。液晶は12.1型ワイド液晶を搭載しており、解像度はWXGA。液晶部分に回転可能なLCDカメラを備えているのが大きな特徴となっている。
「S6F」はさらに小さい11.1型ワイド液晶を搭載した2スピンドルのサブノートPC。Intel Core Duo(低電圧版)、Intel 945GM、Intel Pro/Wireless 3945ABGを搭載している、Centrino Duoプラットフォームとなっている。 また、ASUSTeKはイタリアの自動車メーカー「ランボルギーニ」との協業を行なっていくことを明らかにした。今回CESのブースではランボルギーニのロゴがついたノートPCが展示される予定になっており、今年の第2四半期には具体的な製品として発表していきたいとのことだった。
●Viivのデモを初公開 また、ASUSTeKでは、Intelが5日のポール・オッテリーニ社長兼CEOの基調講演で公開すると見られている“Intel Viiv Technology”(以下IVT)に対応したPCとDMA(Digital Media Adaptor)のデモを行なった。 ASUSが公開したのは、デジオンの「DiXiM」をソフトウェアに採用したDMA(ASUS AS862)で、ローカルでDVDの再生ができるほか、ネットワーク経由でIVTに対応したPCにアクセスし、コンテンツの再生が可能になっていた。 IVT自体は、昨年の8月のIDFで発表されたが、デモは公開されていなかった。IntelがIVT用に用意しているメディアサーバーソフトウェアのリリース時期が今年の後半になったこともあって、公開の場でのデモは行なわれていなかったのだ。 今回のデモでは、DiXiMベースのDMAからIVT対応PCにアクセスし、“Intel Media Server”と表記されたIntelのメディアサーバーに接続し、ビデオが再生された。 なお、AS862はDVD、MPEG-1/2、DiVX、Xvid、WMV9などのビデオフォーマットが再生可能であるほか、音楽(MP3、WAVなど)、写真(JPEGなど)の再生にも対応している。ビデオ出力はSビデオ、コンポジット、コンポーネントを備えており、最大で1080pの出力が可能であるという。音声出力はアナログの他、S/PDIFを備えている。ネットワーク機能としては有線LANの他、IEEE 802.11b/gの無線LANを備えている。
●FICがIntel Core Duoを搭載したミニPCを展示 同じく台湾のFICは、Intel Core Duoを搭載したミニPCとノートPCを展示した。 ミニPCは、“GE2”という開発コードネームで、これまでIntelとFICが共同で開発してきた製品だ。すでに昨年のIDFなどで公開されており、その際は“Golden Gate”という開発コードネームだった。 GE2の特徴は、266×172×42mm(幅×奥行き×高さ)という非常に小さな筐体に、デュアルコアのIntel Core Duo(T2300/T2400/T2500/T2600/T2700)が搭載されていることだ。もちろん、フルファンクションのPCだ。 チップセットはIntel 945G、7.1chのオーディオ出力を備えており、DVD-RWに対応した光学ドライブ、TVチューナ、Bluetooth、Ethernet内蔵、DVI出力、3つのUSBポート、カードスロット(SD/MS)、IEEE 1394という仕様になっている。対応OSはWindows XP Media Center Edition 2005となっている。 FICによれば、第2四半期には出荷したいとのことで、価格はCPUやHDDなどの構成によるが499ドル~999ドル程度になると予想されているという。日本でも販売したいという意向はあるようだが、どのような販売形態になるのか(ベアボーンか、完成PCか)も含めて現時点では未定とのことだ。 FICのCentrino DuoプラットフォームノートPCはGTシリーズと呼ばれており、15.4型ワイド液晶(WXGA)を搭載したフルサイズノートPCとなっている。重量は2.8kg。CPUはIntel Core Duoプロセッサ(T2300/T2400/T2500/T2600/T2700)に対応しており、チップセットはIntel 945GMまたは945PM、無線LANはIntel Pro/Wireless 3945ABGとなっている。GPUはATIのMobility Radeon X700またはX1600が搭載可能になっている。
●Skypeに対応したWi-Fi携帯電話を展示したASUSTeK
ASUSTeKは、携帯電話事業にも積極的に取り組んでいる。今回、展示したのは、無線としてWi-Fi(2.4GHz、bかgかは不明)を利用しており、ホットスポットなどに接続して利用する。また、一般の携帯電話としての機能も有しており、W-CDMAの携帯電話としても利用できるという。
ユニークなのは、Skypeのクライアント機能を有していることだろう。つまり、ホットスポットに無線LANで接続した場合、SkypeがインストールされたPCと通話できるのだ。つまり、ホットスポットの利用代金だけで通話が可能になる。ホットスポットの利用代金が無料であれば、タダで通話できることになる。なお、現時点ではあくまでサンプルで、いつ出荷するのかなどは未定とのことだが、もし日本でも導入されたら、かなりインパクトがあるのではないだろうか。
□関連記事 (2006年1月5日) [Reported by 笠原一輝]
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