笠原一輝のユビキタス情報局

Intel、International CESで新ブランディング戦略発表へ
〜Pentiumブランド廃止、新Intelロゴ登場



 Intelが、1月に行なわれるInternational CESのタイミングにおいて新しいブランド戦略について発表する見通しであることが明らかになってきた。

 業界筋によれば、すでにIntelはOEMベンダ、チャネルへの説明を開始しており、現在「e」が下に飛び出ていることで知られている“Intel”のロゴや“Intel Inside”のロゴについても大きく変わるほか、主力のプロセッサブランドである“Pentium”に関しても新しいブランド名への掛け替えを行なうとみられている。


●20を超える新製品をCESで発表するIntel

 毎年1月の上旬に行なわれているInternational CESは、かつてのCOMDEXがそうであったように、参加する各企業にとり新製品の発表の場として利用されることが多い。なぜかと言えば、世界中から報道陣が集合するInternational CESで製品を発表することで、より注目度を上げることができるからだ。

 来年1月のCESは、Intelにとって非常に重要なイベントになりそうだ。なぜかと言えば、IntelはこのCESの期間中に以下のような発表を行なう予定であると、OEMベンダなどに通知しているからだ。

・Viivテクノロジ(開発コードネームEast Fork)
・新しいCentrinoモバイル・テクノロジ(開発コードネームNapa)
・新しいデュアルコアプロセッサ(開発コードネームYonah)
・新しいPentium D(開発コードネームPresler)
・新しいPentium 4(開発コードネームCederMill)

この他にもPentium M ULV 733、Intel 945GZ、Intel 945GT……など、書いている方も混乱してくるぐらい、多数の製品がCES期間中にアナウンスされる見通しだ。

 実際、どれだけの製品などがCESでリリースされる見通しであるのかをリストアップしてみると、以下のようになる。

【IntelがInternational CESで発表する見通しの新製品(筆者予想)】
 製品名開発コードネーム動作周波数
プラットフォームCentrinoモバイル・テクノロジNapa-
ViivテクノロジEast Fork-
CPUPentium D 950Presler3.4GHz
Pentium D 940Presler3.2GHz
Pentium D 930Presler3GHz
Pentium D 920Presler2.8GHz
Yonah Dual-Core T1600Yonah2.16GHz
Yonah Dual-Core T1500Yonah2GHz
Yonah Dual-Core T1400Yonah1.83GHz
Yonah Dual-Core T1300Yonah1.66GHz
Yonah Dual-Core LV L1400Yonah1.66GHz
Yonah Dual-Core LV L1300Yonah1.5GHz
Pentium M 756Yonah1.66GHz
Pentium M ULV 773Dothan1.3GHz
Pentium 4 661CederMill3.6GHz
Pentium 4 651CederMill3.4GHz
Pentium 4 641CederMill3.2GHz
Pentium 4 631CederMill3GHz
チップセットIntel 945GZLakeport-
Intel 945GTCalistoga-
Intel 945GMCalistoga-
Intel 945PMCalistoga-
無線LANIntel PRO/Wireless 3945ABGGolan-

 すごい数の新製品だ。トータルで20を超える新製品の発表、ということになる。つまり、IntelはInternational CESをかなり重要な発表の場ととらえていることが、このことからもわかる。

●新しい“Intel”ロゴや“Intel Inside”シールも登場

現在使用されているintelロゴ

 情報筋によれば、CESはIntelにとって単に新製品を発表するだけの場ではないという。このCESから、Intelは新しいブランド戦略を展開していく見通しであると、情報筋は伝える。

 情報筋によれば、IntelはこのCESよりIntelのブランドロゴを大きく転換するという。現在Intelのロゴは、下側に「e」がはみ出す形の“Intel”というロゴを利用しているが、このIntelのロゴが新しいものに置き換えられているという。なお、余談になるが現行のIntelロゴで、「e」が下に飛び出ているのは、実はデザイン上の理由ではないという。これは創業当時にIntelが利用していたタイプライターの性能があまりよくなく、どうしてもeが下にはみ出してしまっていたのだという。それをそのままロゴに利用したため、こうしたデザインになったのだという。

 なお、新しいロゴデザインは、PCに貼られている“Intel Inside”にも適用される見通しだ。このため、IntelがOEMベンダに供給している“Intel Inside”のシールに関しても新しいデザインのものが1月以降に出荷されるPCに関しては適用されることとなる。

 1月のCESのタイミングで新しいロゴを利用するには、OEMベンダが発売するPCに貼るロゴも直さなければならないし、チャネルがショップの店頭に貼り出しているポスターなどについても新しいものを作り直す必要がある。このため、すでにOEMベンダやチャネルなどにはロゴが変わることは通知されており、実際に候補案なども提示され始めているという。実際すでに10月半ばを過ぎており、1月のCESのタイミングに間に合わせるにはぎりぎりのタイミングと言えるだろう。


●新ブランドとプロセッサナンバが導入されるYonah以降

 サプライズはこれにとどまらない。新アーキテクチャのデュアルコア、つまりは1月に発表されるYonah DC、そして第3四半期に投入される予定のYonah DCの後継となるMerom、そしてそのデスクトップPC版であるConroeでは、全く新しいブランド名が採用されることになると情報筋は伝えている。

 現在IntelはOEMベンダ側とこの件に関する協議を続けており、最終的にどういう名前になるのかはまだ明らかにはなっていない。ただ、確度の高い情報によれば、“Pentium”の名前ではない可能性が高いということだ。つまり、全く新しいブランド名が採用される可能性が高いという。

 さらに、Yonah以降、Merom、Conroeといった新しいデュアルコアプロセッサでは、プロセッサナンバのスキームも変更されることになる。情報筋によれば、IntelはOEMベンダなどに対してYonah以降ではアルファベット+4桁(例えばT1800など)というプロセッサナンバを導入すると通知してきたという。

 このうち最初のアルファベットは、熱設計消費電力(TDP)のレンジを示しているという。具体的には次のような意味を持っているという。

・E=TDPが50W以上
・T=TDPが25W〜49W
・L=TDPが15W〜24W
・U=TDPが14W以下

 ただし、これは製品のTDPがどのレンジにあるのかを示しているだけで、製品ごとにTDPは異なっている。既報の通りYonahは31Wだし、Meromの最初のバージョンは34Wということになる。Meromも後期バージョンでは40W台に達するが、50W台ではないので、50W以上を示す“E”はTDPが65WになるConroe用であると考えることができるだろう。

 後ろの4桁の数字のうち千の位の数字はプロセッサファミリーを示し、例えばYonahであれば“1”になる。百の位の数字はそのファミリーの中でのグレード(SKU)を示している。例えば1月に発表されるYonahであれば、最高クロックの2.16GHzがT1600となる。

 IntelがこうしたTDPをプロセッサナンバに組み込むのには、特にConroe世代において、TDPが65Wに下がることを強調したいという思惑があるものとみられる。現在、IntelのPentium DやPentium 4は、AMDのAthlon 64 X2、Athlon 64に比べて高い消費電力になってしまっており、不利な立場にあるが、Conroeではそれが逆転する。そこで、こうしたプロセッサナンバを導入することで、一般消費者に対して消費電力への注意を喚起したいという思惑があるものと考えられるだろう。

●ブランド戦略でもプラットフォームへ大きく舵を切るIntel

 こうした新ブランド戦略の中で最も注目に値するのは、世界中から成功したブランド戦略として褒め称えられた“Pentium”の名前を捨て去るというIntelの決断だろう。

 '93年にP5のブランド名として導入されたPentiumは、Intel Insideプログラムのキャンペーンと同様に、Intelの製品ブランドとして10年以上にわたり利用されてきた。車で言えば“クラウンと言えばトヨタ”のようなもので、“Pentiumと言えばIntel”というブランドイメージの確立に努めてきて、実際に成功してきた。なのに、その成功イメージがある“Pentium”を捨ててまで、新しいブランドを導入するのはなぜだろうか?

 その答えは、1月にIntelがどのようなブランドキャンペーンを行なうのかということにある。情報筋によれば、Intelは1月のCESでViivテクノロジとCentrinoモバイル・テクノロジの2つのブランドを最優先でキャンペーンしていくという。どちらもプロセッサ単体ではなく、プラットフォームのブランド名だ。

 つまり、Intelはブランド観点からもプラットフォームカンパニーとしての舵を切っていく、そういうことではないだろうか。

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【7月13日】インテル、モバイル向けデュアルコア「Yonah」の概要を公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0713/intel.htm
【2004年3月26日】【笠原】Sonoma、Napa、Santa Rosaと続くIntelのモバイルプラットフォーム戦略
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0326/ubiq54.htm

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(2005年10月21日)

[Reported by 笠原一輝]


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