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オリエント、HDDデータ消去機器/ソフトなど
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代表取締役社長 伊藤智章氏 |
7月中旬より順次発売
オリエント測器コンピュータ株式会社は、HDDデータ消去+物理破壊を行なう複合型HDDクラッシャー「COMBO-FBI」、データ消去ソフト「Black hole Dead」、CD/DVD/ビデオテープリサイクルBOX収納「BOX-1000」、リサイクルDVD-Rメディア「エコDVD-R」、カードデータ盗難を防止フィルムシート「SKIM BLACK」を7月中旬より順次発売する。
28日行なわれた発表会では、オリエント測器コンピュータ株式会社 代表取締役社長 伊藤智章氏が製品説明にあたった。
●セキュリティ関連製品3製品
「COMBO-FBI」 |
「COMBO-FBI」は、HDDの磁気消去と物理破壊を行なえる複合型HDDクラッシャーで、9月1日より発売される。価格はオープンプライス、店頭予想価格は120万円前後の見込み。
従来の磁気消去装置「HARD DISK CRUSHER」と、物理破壊装置「HC-BREAKS-NSA」の機能を合わせた機械。本体前面のトレイにHDDを装着し、前面ボタン操作で開始。コースは3種類あり、フルコースではまず充電し、強い磁気で1回目のデータ消去を行う。そして再度充電し、2回目は極性を変えて消去。その後ニードルでHDD円板部4箇所に穴を開けて破壊し、再度磁気によるデータ消去の4手順でHDDの完全破壊。フルコースの全過程は2分ほど要する。
そのほかの磁気によるデータ消去のみを行なうコース、物理的破壊のみを行なうコースも選択可能。それぞれのコースの実行回数はカウントされ、本体前面のパネルに表示される。
同社はこれまでHDD磁気消去装置と、物理破壊装置を別製品としてラインナップしてきた。これらのをアメリカのNSAにアピールしたところ、実際数台導入されたという。その後FBIから統合して1台で出来ないかとの要望があり、これに応えてCOMBO-FBIを開発した。
「COMBO-FBI」の実演デモ。写真ではデモ用特殊プログラムで本体前面の蓋が開いているが、実際の製品は閉めないと動作しない | 「COMBO-FBI」処理後のHDD |
「Black hole Dead」 |
「Black hole Dead」は、HDDデータを消去するソフト。8月1日より発売され、価格は2,980円。対応OSはWindows 98/NT 4.0/2000/XP。
Windows上からWindowsシステムも消去できるソフト。また、HDD全体だけでなく、システム領域のみ、外部ストレージ、リカバリ領域を残した状態などで消去可能。消去回数は1~9回、方法はE5→1A→00→コンペアでの消去が可能で、DoD(アメリカ国防総省)準拠を謳う。
会場では実際同ソフトを利用したデモを行なった。伊藤氏は、「リカバリ領域を残すことで、OSのライセンスを気にすることなく、PCの中古販売などにも使っていただける」と話した。
「SKIM BLACK」 |
「SKIM BLACK」は、スキミング(カードデータ盗難)を防止するフィルムシート。価格はオープンプライスで、実売価格は1平方mあたり500円前後の見込み。
株式会社エスオーエスと提携して開発した製品で、対応周波数帯ごとにシールドが可能。IC、携帯電話の電波をシールド可能な「SKIM BLACK I」は8月1日より発売される。ICカードの電波のみシールドした「同II」、ICカード/携帯電話/空港X線をすべてシールド可能な「同III」など、違う周波数帯に対応したものも今後製品化する。
同シートを財布やカード入れの革と裏地の間に挟み、縫い合わせることで、財布やカード入れに入っているカードのスキミングを防げるとしている。なお、応用製品は両社から販売される予定。
最近米国でスキミングによる犯罪が増えており、ユーザの防衛策として同製品を提案。同氏は、「スキミングが防げるだけでなく、携帯電話に張ることで電磁波を防止したり、病院などの壁に貼り付け、携帯電話などを通信不可にしたりすることも可能。用途は幅広く、今後さまざまなメーカーにアピールしていきたい」とした。
「Black hole Dead」でE5によるデータ消去をしたところ。すべてE5が書かれている | 「SKIM BLACK」を使った財布やバッグなど |
●リサイクル関連製品「BOX-1000」、「エコDVD-R」
「BOX-1000」 |
「BOX-1000」は、同社のDVD/CD/ビデオテープ回収ボックス「リサイクルBOX」を収納するケースで、7月中旬より発売される。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5万円前後の見込み。
同社はこれまでリサイクルBOXによるCD/DVDメディアやPC製品の回収を行なってきた。個人情報保護法が実施され、設置されたリサイクルBOXからメディア盗難による情報漏えいを防止する必要があり、BOX-1000でさらなるセキュリティ強化を図った。
投入口よりメディアを投入して捨られる。リサイクルBOX収納部は施錠でき、投入されたメディアは投入口から取り出せない。また、ボックスの重量20kgになった時点で本体上部に設けられたランプが点滅する。本体サイズは515×410×850mm(幅×奥行き×高さ)。
「エコDVD-R」 |
「エコDVD-R」は、リサイクルされた材料で生産されたDVD-Rメディア。7月中旬より発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は50枚パックで1枚当たり120円前後となる見込み。
初のエコマーク事務局認定のDVD-Rメディア。容量は4.7GB、対応記録速度は1~4倍速。表面はインクジェットプリンタによるラベル印刷が可能。同社はこれまでリサイクルCD-ROMのみ販売してきたが、DVD-Rへの需要も高まり、要求に応えられるよう製品を開発した。
最後に伊藤氏は、「今後も環境やセキュリティなど、今もっとも注目されている分野にフォーカスした製品を開発し、当社の知名度を上げていきたい」と話した。
□オリエント測器コンピュータのホームページ
(6月28日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.orient-computer.co.jp/
□関連記事
【2004年4月2日】オリエント測器、エコマーク認定のリサイクルCD-ROM
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0402/orient.htm
【2003年2月13日】オリエント、CDメディアなどのリサイクルサービスを開始
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0213/orient.htm
【2002年3月29日】オリエント測器、HDDを完全消去/使用不能にする「ハードディスク・クラッシャー」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0329/orient.htm
(2005年6月28日)
[Reported by ryu@impress.co.jp]