エコCD-ROMとPケース

4月発売

　オリエント測器コンピュータ株式会社は、日本で初めてエコマーク事務局の認定を受けたCD-ROM「エコCD-ROM」と、CDケース「Pケース」を4月より販売する。

　それに伴い、同製品を使用したプレスサービスを開始する。1万枚受注時の単価は、エコCD-ROMが69円、Pケースは100円。出荷可能枚数は100枚バルクからとなっている。

　CD/DVDメディアなどをリサイクルして生産し、エコマークを取得した製品。現時点ではCD-ROMのみだが、CD-R/CD-RWやDVDメディアなども開発中だという。

　同社はPC関連製品のリサイクルに注力しており、リサイクルBOXと呼ばれる箱でCD/DVDメディアやPC製品の回収を行なっている。また、データ消去製品も多数開発しており、官公庁を中心に納品しているという。

オリエント測器コンピュータの伊藤智章 代表取締役社長

　発表会で、オリエント測器コンピュータの伊藤智章代表取締役社長がエコCD-ROMとPケースの製造工程を説明した。

　まず、回収したメディアが入ったリサイクルBOXを兵庫県の阪神工場へ輸送。リサイクルBOXに入れたまま、専用の機械でメディアのデータを消去し、続いてHDDやビデオテープなどの磁気メディアのデータを専用の機器で消去する。

　データを消去したあとでリサイクルBOXを開き、CD、プラスティックケース、紙などを分類する。CDは専用の機械にかけてポリカーボネイトと金属に分離し、ポリカーボネイトを粉砕して精製。プラスチックケースなども粉砕しポリスチレンを精製する。

　精製されたポリカーボネイトはエコCD-ROMに、ポリスチレンはPケースに再生される。精製される材料は1カ月に3～4トン、CD-ROM生産能力は約20万枚/月で、工場はほぼフル稼働しているという。

　現在、「メディアリサイクル環境協会」と呼称する団体を設立準備中で、メディア生産会社など各方面から協力を得ているという。伊藤氏は、「現時点では生産すればするほど赤字だが、今後も環境への取り組みを続けていく」と述べた。

●データ消去製品「MC-1000」、「HC-BREAKS」

　また、新たなデータ消去製品2機種を発表。電子レンジ風の筐体に携帯電話やフラッシュメモリを入れてデータを3秒で消去できるという「エナジー(MC-1000)」、HDDに穴を開けデータを読めなくするHDD物理クラッシャー「HC-BREAKS」を紹介した。

　価格は、MC-1000が525,000円、HC-BREAKSが472,500円。

　MC-1000は、特殊な周波数で電流をICに流し込み、ショートさせてデータを読めなくする製品。HC-BREAKSは、本体に入れたHDDを上から押し潰し、4本の針でディスクに穴を開ける製品。

　両製品ともにデモを行なったが、MC-1000で破壊したはずのフラッシュメモリのデータがPCで読めてしまった。伊藤氏は「出荷までにきっちり調整する」とした。

電子レンジ風のMC-1000	HDD物理クラッシャー HC-BREAKS	HC-BREAKSに穴を開けられたHDD

□オリエント測器コンピュータのホームページ
(4月2日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.orient-computer.co.jp
□リサイクルBOX製品情報
http://www.orient-computer.co.jp/products/recycle.htm
□エナジー製品情報
http://www.orient-computer.co.jp/products/media_crusher.htm
□HC-BREAKS製品情報
http://www.orient-computer.co.jp/products/buturi_crusher.htm
□関連記事
【2003年2月13日】オリエント、CDメディアなどのリサイクルサービスを開始
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0213/orient.htm
【2002年3月29日】オリエント測器、HDDを完全消去/使用不能にする「ハードディスク・クラッシャー」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0329/orient.htm

(2004年4月2日)

[Reported by yamada-k@impress.co.jp]