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ソースネクスト、1,980円のTurbolinux Personalなど
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ソースネクスト代表取締役 松田憲幸氏とイメージキャラクターの松下奈緒さん |
6月21日発表
ソースネクスト株式会社は21日、同社が2003年から継続しているコモディティ化戦略を拡大することを発表した。
従来から同社が展開してきたコモディティ化戦略では、1,980円と、インパクトのある価格戦略やパッケージの小型化、家電量販店だけでなく、書店やコンビニなどへの販路拡大などを盛り込み、計273タイトルを販売。売り上げ本数では、2002年が174万本だったのに対し、2004年には462万本、売上金額では2002年の56億円から2004年は93億円を達成した。
売上本数は2.7倍 | 売上金額は1.7倍 |
これを受けて、今回新たに、「全方位コモディティ化戦略」を打ち出し、Macintosh版ソフトウェアやLinuxなどプラットフォームの拡大、ジャンルの拡大、年齢層や女性層の拡大と、3つの戦略を明らかにした。また、イメージキャラクターとして女優の松下奈緒さんを起用する。
Turbolinux Personalのパッケージ |
プラットフォームの拡大については、Quality1980シリーズ初のOS製品として「Turbolinux Personal」を8月5日より1,980円で発売する。Webブラウズや電子メールなどの利用に特化したバージョンで、収録アプリケーションを減らすことで大幅にコストダウンされた製品。Personalにマルチメディア系アプリケーションを付加した「Turbolinux Multimedia」も3,970円で発売される。発売後1年で10万本の出荷を目指すという。
発表会で説明にあたった、ソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏は、「LinuxとWindowsでは、対応アプリケーションの数が100倍違う。ここにメスを入れたい」などと述べ、2008年までには、Linux対応アプリケーションを50タイトル投入すること表明。同氏は、これらの製品により、現在、OSのシェアでは約7%のLinuxを、2006年3月には26%に広げるという。
また、Macintosh対応製品についても拡充し、現在の37タイトルを、2008年3月には100タイトルに強化するという。
Linuxのシェアを26%に | アプリケーションのタイトル数は100倍違う |
ジャンルの拡大については、IP電話キット「いきなりIP電話」を8月5日に投入する。価格は3,970円。エニーユーザーグローバル株式会社から8月に発売される「アイムフォン」をカスタマイズした製品で、USBメモリにIP電話ソフトが組み込まれており、PC接続時に自動的にインストールされる。そのほか、ゲームタイトルについても、2006年3月には100タイトルを用意するという。
現在、同社製品を利用した経験があるユーザーは、男性が26.3%、女性が9.6%と男性が圧倒的に多いとし、知名度についても男性が69.2%、女性が25.7%と、女性層への浸透が不足しているという。また、年齢についても30代~60代のユーザーが多い。そのため今回は、若年層の拡大を狙い、イメージキャラクターとして女優の松下奈緒さんを起用し、プロモーションを展開。同社製品である「携快電話」に松下さんをあしらった特別パッケージ版を用意するなどし、新規ユーザー層を開拓する。
携快電話のパッケージにも起用される女優の松下奈緒さん。携帯電話にまつわるトラブルを聞かれると、「携帯電話を水の中に落としてダメにしてしまったことがあります。バックアップができればいいのにと思っていました」とコメント |
2010年に2,000タイトルを目指す |
松田社長は、最後に、今後のPC業界について触れ、「PCの価格において、OSやオフィスソフトの占める割合は高い。これらのソフトの低価格化が実現すれば、PC本体の価格も下がる」などと語り、「PCの価格が今よりさらに安くなれば、2010年には、国内で2,000万台くらい普及するのではないか。アプリケーションの数が増えればPCを使う人も増え、さらにPCの台数は増えていく」と、PC業界がポジティブスパイラルに突入するにはソフトウェアが重要であることをアピール。2010年には、2,000タイトルのソフトをラインナップするという。
質疑応答では、「Linuxのようなフリーソフトをパッケージ化した製品では、あまり成功例を聞かないが、たとえば、StarSuiteについては、どのくらい出荷されたのか?」という質問がされ、「約30万本を出荷した」と回答した。
また、Turbolinux Personalについては、Turbolinux 10 Desktopなどに比べて収録アプリケーションが少なく、「Lindowsのように安かろう悪かろうというイメージが先行し、Linuxに対する価値観が変わってしまうのではないか」と危惧する声も上がったが、「まずは一般ユーザーにインストールしてもらい、使ってもらうことで浸透させたい」とし、機能は少なくても、ユーザー数を拡大することが先決であるという見解を示した。
□ソースネクストのホームページ
http://www.sourcenext.com/
□ニュースリリース
http://www.sourcenext.info/sp/press/050621_como.html
□関連記事
【2004年12月1日】ソースネクスト、2006年までに1,000タイトル目指す
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1201/source.htm
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0226/source.htm
(2005年6月21日)
[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]