山田祥平のRe:config.sys

インターネットのどこでもドア




 ライブドアが東京の山手線圏内をカバーする面展開の無線LANサービスを展開することになったという。公約通りにサービスエリアが拡充されるなら、これはすごい話だ。都心部では、誰もパケット通信など使わなくなるんじゃないだろうか。

●Bluetoothにちょっとガッカリ

 ぼくがメインに使っているパケット通信手段はFOMAだ。以前は、松下製のPCカード型端末「P2401」を使ってデータ通信専用プランで利用していた。FOMAは、FOMAカードを入れ替えることで、複数の端末を1つの契約で利用できるが、その出し入れが大変で現実的ではない。カード型端末はまだしも、電話型端末のFOMAカードは、出し入れすることがまったく考慮されていないのだ。今のminiSDくらいの手軽さで出し入れできればいいのだが、どの端末もそういうふうには作られていない。

 春頃、ふと、Bluetoothを試してみたくなって、Bluetooth対応のFOMA端末、「F900iT」を買ってみた。すでに、901シリーズが出ていたので、都心の量販店にはなかったが、近所のドコモスポットで在庫を見つけ、けっこう高い値段で購入した。

 しばらくBluetooth経由での接続を試していたが、パフォーマンスが出ない。原因はいくつかある。ノートパソコン側では、ハギワラシスコムのBluetooth CF カード「HNT-CFBT」を使っているのだが、この製品では、独自のBluetoothスタックを使い、COMポートを追加して、そこにモデムとして端末を追加する形式になる。そのときのシリアルデータ転送速度がボトルネックになってしまうようなのだ。

 USB接続のBluetoothアダプタを使ったり、USBケーブルで端末とパソコンを直結するとスピードは向上するが、ノートパソコンに差しっぱなしで携帯するのが難しくなってしまう。やはり、Bluetooth内蔵タイプのパソコンを使うのが現実的だが、現状で携帯しているぼくのパソコンにはその装備がない。

 困ったのは、無線LANとの干渉だ。Bluetoothは2.4GHz帯を使うので仕方がない話だ。これまた、パケット通信時にいちいち無線LANをオフにしてやれば、パフォーマンスはドンと上がるが、それもめんどうだ。

 結局、パフォーマンスにガマンできなくて、カード型端末をノートパソコンに装着しっぱなしというスタイルに戻そうと、以前に使っていたP2401を試したところ、どうもつながりが悪い。3回に2回は失敗する状態だ。

 手元の携帯電話のディスプレイを見ると、アンテナは3本立っているので、電界強度のせいではなさそうだ。そこで、サービスセンターに持って行ったら、カードにわずかなソリが認められるので、基板内で回路が剥離している可能性があるという。

 修理は不可能で、基板を取り替えることになるため、最低でも35,000円程度が必要になるという。それでは納得できないので、本当に回路が剥離したのかどうかを調査してもらうことにした。結果はまだ出ていないので、その真偽は不明だが、ぼくは、このカードを購入するのは2枚目で、1枚目のカードも同様の故障で買い換えた経緯がある。それほど荒っぽい使い方をしているとは思えないし、多少荒っぽく使っていたとしても、そのくらいで故障するようではモバイル機器として失格だ。

 いろいろ試してみたいと思い、auのPacketWinを契約した。こちらはCF型の端末「W03H」を購入。不具合調査中のP2401よりはコンパクトだが、FOMAのCF型端末「P2402」よりは大きい。

 パフォーマンスはPacketWinの圧勝だ。理論値の2.4Mbpsが出ることは期待していないが、コンスタントに700〜800kbpsをたたき出す。パケット代を気にしなければ実に快適だ。でも、FOMAもそれなりに速く、200kbpsを超えることもある。ウェブブラウズという目的なら十分に実用的なスピードだ。

 特に、ぼくは電話の端末がドコモなので、ファミリー割引や継続割引などが適用される上、無料通信料の使い回しができる。もちろん、auにも電話契約とのセット割引がある。やはり、音声とデータ通信は同じキャリアにしたほうが割安だ。

●魅力のない端末と高額な料金

 今回、いろいろな端末をまとめて比較してみて思ったのは、キャリアは各社ともに、モバイル用の通信端末にまったく力を入れていないなということだ。

 CF型の端末でも、ノートパソコンから大きくはみ出してしまう。AIR-EDGE端末には、ホンダエレクトロンの「AH-H407P」のような魅力的な製品がある。これは、PCカードタイプだが、アンテナを含めてPCカード内にすべてが収まるので、カードスロットに装着しておいても邪魔にならないのだ。3Gのパケット通信サービスも、せめてこのくらい魅力的な端末を用意してほしいものだ。

 また、パケット代が高額であることも敷居を高くしている原因だ。請求書を見ると、ぼくの使い方では、1カ月に約400,000パケットを転送しているようだ。1パケットは128Byteだが、まあ、10パケットで1KB程度と考えて、40MBに相当すると考えていいだろう。

 毎日は使わないにしても、月に20日は使うとして、1日分が2MBの計算だ。ちなみに、この原稿を書いている現在、PC Watchのトップページは約70KB、アサヒコムのトップページは45KB程度だ。だからウェブページ30〜40ページくらいで2MBとなる計算だ。この他にメールの送受信もあるので、実感としてのパケット量とはだいたい一致していると思う。

 携帯電話と同じキャリアでパケット通信をした場合の割引を考慮すると、ドコモの場合、データ通信専用プランとして、月に450,000パケットまでの無料通信分が含まれるデータプランMパケットプラスがファミリー割引適用後で4,420円となる。

 一方、auでは、WINシングルLプランが、500,000パケット無料で、シングルセット割引適用後5,600円となる。ただ、PacketWin使用時には別料金を課金するプロバイダーが多く、その分も考えておく必要がある。

 ドコモの場合は、moperaサービスが申し込みなしで無料で利用できるので、プロバイダーのことを考える必要はない。いずれにしても、思いっきり乱暴な計算だが、だいたい、リンクを1回クリックすると10円がチャリンという感覚である。決して安くはない。

●無線LANサービスの優位性と3Gネットワークの行方

 無線LANの強みは、こうした細かいパケット代金を気にする必要がないことにある。さらにそれ以上に、今、市場にあるほとんどのノートパソコンが無線LAN機能を搭載し、別途端末を購入しなくても、すぐにモバイル通信を始められる点にある。

 しかも、市場にある3Gサービス用の端末が、どれもこれも不格好であることを考えれば、圧倒的に有利な立場にあるといっていい。まるで、初期の携帯電話のようだが、ちょっと見通しがいい場所を探せば快適に通信ができるのなら、わざわざ高いコストを支払ってパケット通信をする必要はなくなる。

 初期の携帯は地下で使えないという欠点があり、ぼくは、それを嫌ってPHSを使っていたが、当時と今では事情が違う。今なら、東京メトロ全駅で無線LANが使える。都営地下鉄全駅ももうすぐだ。各プロバイダーが各所に展開するホットスポットとライブドアの面展開による無線LANサービスなどを組み合わせれば、携帯各社のパケット通信サービスを使う理由は見あたらなくなってしまうかもしれない。

 ユーザーから見た場合、3Gのネットワークを介する場合も、無線LANを介する場合も、インターネットに接続するという点ではまったく同じだ。同じ場所で、両者のサービスが提供されているのなら、間違いなく無線LANを選ぶ。通信の量で課金されることもないし、スピードも圧倒的に高速だからだ。しかも、特別な端末を必要とせず、もはやノートパソコンの標準装備といってもいい無線LANモジュールが使える。

 ドコモの端末P2401の不具合調査には1週間から10日かかるという。代替機としてP2402が貸し出されたが、しばらくPacketWinを試してみようと思う。契約時はWinシングルMを選んだのだが、思い切ってシングルLLにしようとコース変更を申し込んだら、auの場合、月途中のコース変更はできないとのことで、今月は高いパケット料金となりそうだ。

 ドコモは月に2回までのコース変更は無料で、料金は日割り計算される。しばらくお休みする予定でドコモの契約はいちばん安いコースに変更したのはいうまでもない。修理のために35,000円は払えない。かといって、Bluetooth端末購入から9カ月に満たないため、機種変更は4万円を超えるという。いったい、いつまでこんなことに悩み続けなければならないのだろうか。

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【6月16日】【本田】ライブドアが始める公衆無線LANサービスの意味
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0616/mobile295.htm

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(2005年6月17日)

[Reported by 山田祥平]


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