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インテル、「デュアルコアはHTよりも高性能」
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5月27日 発表
インテル株式会社は27日、デュアルコアCPU「Pentium D」およびその対応チップセット「Intel 945 Express」の国内発表会を開催した。
既報の通り、Pentium Dは先行発表されたハイエンド向けデュアルコアCPU「Pentium Extreme Edition」からHyper-Threading Technology (HT)を省略し、メインストリームをターゲットとした同社2番目のデュアルコアCPU。
HTがソフトウェア的に論理CPU数を2とするのに対し、Pentium Dは1つのチップパッケージ内に2 CPU分のダイを内蔵し、1ソケットで2 CPU相当の機能を提供する。
発表会場では、HT対応のPentium 4 540/Intel 915とPentium D 840/Intel 945(いずれもCPU周波数は3.20GHz、メモリはDDR2-533)をそれぞれ搭載したPCによる性能比較のデモが行なわれた。デモの内容は、720×480ドットの動画をAVC/H.264へとトランスコードするもので、Pentium 4搭載機では処理に1分6秒かかったところが、Pentium D搭載機では43秒で終了した。
動画の変換デモに使われた実機。CPUとチップセット以外はほぼ同構成 | 左側のPentium D搭載機は作業が終了した段階で、右側のPentium 4搭載機の進捗は7割程度 |
また、同社が計測したベンチマーク結果も紹介。これによれば、Pentium 4 640/Intel 915のシステムで、HD画像のWMVへの変換に1.3時間、1時間あたりのビデオ編集が26クリップ、1日あたりのPDFファイルのOCR処理が222文書、1分あたりのスライドショーの作成が3.5枚だったところが、Pentium D 840/Intel 945のシステムでは、それぞれ1時間、35クリップ、316文書、4.5枚になるといい、HTに対するデュアルコアの優位性を示す結果だとした。
さらに、1台のPentium D搭載PCで、6Mbpsの動画の再生、PC内のHDコンテンツのネットワークメディアプレーヤーへの転送、HD動画のWMVへの変換、ネットワーク上の他のPCへの静止画スライドショーの転送を同時に行なうというマルチユーザーを想定したデモも実施。
これだけの負荷をかけてもコマ落ちなどが発生しないことを示し、同社が謳う「デジタルホーム」での実際の利用シーンで高い付加価値を提供すると訴求した。
初代Pentium 4、HT対応Pentium 4、Pentium Dでのベンチマーク結果 | マルチユーザーを想定した負荷デモの内容 | さすがにCPU負荷は100%近くに達するが、動画のコマ落ちは見受けられなかった |
吉田和正氏 |
同社代表取締役共同社長の吉田和正氏は、「デジタルホーム/デジタルオフィスでは、マルチユーザー/マルチタスクが基本となることから、デュアル/マルチコアプロセッサが今後の主流となり、2006年末にはパフォーマンスデスクトップ/モバイルPCの7割が、2007年末には9割がデュアル/マルチコアプロセッサになるだろう」との見込みを示すと共に、「インテルでは、プロセッサだけでなくプラットフォームレベルで性能向上/機能強化を推進していく」と語った。
□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2005/050527.htm
□関連記事
【5月27日】Intel、デュアルコアCPU「Pentium D」シリーズ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0527/intel.htm
【5月27日】【多和田】Intelのメインストリーム向けデュアルコア「Pentium D 820」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0527/tawada53.htm
(2005年5月27日)
[Reported by wakasugi@impress.co.jp]