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秋葉原クロスフィールドが本日オープン
~日本のIT産業一大拠点として

3月31日オープン



 秋葉原再開発の中核となる「秋葉原クロスフィールド」が、3月31日、秋葉原ダイビルのオープンによって、いよいよ動き出すことになった。

 秋葉原クロスフィールドの建設を行なっているNTT都市開発株式会社、ダイビル株式会社、鹿島建設株式会社の3社は、同日の秋葉原ダイビルのオープンに合わせ、同ビル2階の秋葉原コンベンションホールでオープニングセレモニーを開催。東京都 石原慎太郎都知事のほか、秋葉原クロスフィールドの関係者や、秋葉原電気街関係者など約700人が集まり、船出を祝った。

 「新生・秋葉原は、クロスフィールドから始まる」(ダイビル株式会社 広瀬忠邦社長)というように、秋葉原クロスフィールドのオープンによって、世界的に有名な「秋葉原」を、電機街からIT産業の一大拠点へと発展させることを目指すことになる。

 挨拶に立った石原都知事は、「秋葉原は、ないものはない、というほど品揃えが完璧な街であり、しかも、裏の裏にも、さまざまなものがあり、実に興味深い街だ。だが、秋葉原の量販店のベテラン店員が、製品や技術の進歩に追いつかず、製品を説明しきれないという問題も発生しているようだ。それほど日本の技術は進歩しており、技術進歩のテンポにあわせた仕組みを作ることも必要だと感じた。中国は大きく発展しているが、あの国には技術的なポテンシャルがない。世界的にも受け入れられる上流の技術を持っているのは日本の特徴であり、それをリードしていく産業のひとつがITだ。大きな意味では、この街(=秋葉原)のこれからが、日本の社会の興隆そのものにかかっている。絶対的な吸引力をもって、日本独自の技術開発と、日本の底力を発揮する基点としての発信基地になってもらいたい」とした。

ダイビル株式会社 広瀬忠邦社長 石原慎太郎都知事 石原都知事らによりテープカットが行なわれた

 また、当初は入居予定がなかった首都大学東京の分室も、ダイビルの産学連携フロアに入居することが石原都知事から発表された。「入居予定を見て、なぜ、こんなにすばらしい産学連携の拠点に、東京都の大学が入居しないのかと話し、急遽、入居することを決定した」と石原都知事は話した。

 そのほか、来賓として4人が祝辞を述べ、「ITの一大拠点として、また、産学連携の一大拠点としての発展を祈念する」(IT担当大臣・棚橋泰文氏)、「グリッド、情報セキュリティの先端技術を産学連携で推進し、これらの技術の社会化を図りたい」(入居する産業技術総合研究所の吉川弘之理事長)、「この拠点を通じて、大学での研究成果をどう拡大し、目に見える形で理解を得られるものにできるかといった大学関係者の努力に期待したい」(入居する東京大学の佐々木毅総長)、「東京が都市間競争にも勝てるような技術を持てる拠点として、さまざまなものを発信してもらいたい」(千代田区議時代から秋葉原の再開発に尽力してきた東京都議会の内田茂議長)というように、それぞれの期待を語った。

乾杯の音頭をとる秋葉原電気街振興会 小野一志会長

 乾杯の音頭をとった秋葉原電気街振興会 小野一志会長(オノデン社長)は、「ぜひ秋葉原電気街を活用していただき、秋葉原全体を先端技術のテーマパークにしたい。これまで以上に世界中から多くの方に、秋葉原にきていただきたい」と、電気街と秋葉原クロスフィールドとの今後の連携強化を訴えた。

 秋葉原クロスフィールドとして初のイベントも、明日から開催される。

 2階フロアでは、「学びと創造の場」と呼ばれるオープンスペースが用意され、4月1日から10日までの期間、ブリキおもちゃの第一人者として世界的に知られる北原照久氏のコレクションを展示した「北原照久コレクション展」を開催。4月17日には、第2回目の企画として子供たちの創作活動や体験、共同作業による作品発表を通じてコミュニケーションの輪を広げる「CAMP クリケットワークショップ」を開催する。

「学びと創造の場」で開催中の「北原照久コレクション展」。入場は無料 記念撮影に応じる北原照久氏

 さらに、4月2日、3日は、秋葉原クロスフィールドと秋葉原電気街が初めて共同で実施する「2005年春のデジタル新生活フェア」を秋葉原ダイビルおよび秋葉原駅前広場で開催する。

 一方、報道関係者を対象に、産学連携フロアの一部が公開された。

 産学連携フロアは、秋葉原ダイビルの5階から15階までで、18機関の入居が決定している。4月時点で入居する予定は、公立はこだて大学、筑波大学、デジタルハリウッド大学、東京大学、人間総合科学大学、稚内北星学園大学、産業技術総合研究所。残りの機関は、5月から7月にかけて入居することになる。

 今回、公開されたのは、5階のカンファレンスフロア。産学連携フロアに入居している企業や大学が、研究成果の発表や情報交流の場として活用できるスペースで、学術交流や人的交流を促進するのが狙い。

 カンファレンススペースでさまざまな発表や、ミーティングが行なえるようになっている。

 入居している機関は、これらのスペースを有効に活用することで、産学連携を推進することになる。

 さらに、同フロアには、秋葉原クロスフィールドの建設を推進しているNTT都市開発株式会社、ダイビル株式会社、鹿島建設株式会社の3社によって設立された株式会社クロスフィールドマネジメントも入居。同社を通じて、秋葉原電気街や大学間の連携などを促進していくことになる。

5階カンファレンスフロアの産学交流ゾーン 入室にはIDカードが必要
カンファレンスフロアを結ぶ廊下の様子 カンファレンスフロアの会議室ゾーン。500席程度の座席を設置できるとしている 5Fからは建設中のヨドバシカメラが一望できる

 秋葉原クロスフィールドは、地上31階、地下2階の秋葉原ダイビルと、2006年3月にオープン予定の秋葉原UDXビルで構成される。今回オープンした秋葉原ダイビルは、中低層階に産学連携機能を集約、ベンチャー育成機能も有する。

 1、2階は一般の人も自由に出入りできるようになっており、両フロアに設置されたカフェでは無線LANなども利用できる。また、2階は、公開シンポジウムや企業セミナー、新製品発表会の開催などが可能な「秋葉原コンベンションホール」と、最新技術の体感、ものづくり体験などができる「学びと創造の場」がある。

 5階から15階までが産学連携フロア、16階から30階までがオフィスフロアとなっており、オフィスフロアには日立製作所が入居する予定。

 秋葉原ダイビル全体の延床面積は5万289平方メートル。オフィスとしての利用を中心に、一日4,000人~5,000人が利用すると見ている。

 また、秋葉原UDXビルは、1~4階までをカフェ・レストラン街、ショールーム、デジタルワークショップ、イベントスペース、多機能スタジオを配備した集客機能を持たせるフロアとし、大量の集客を図る。高層階は一般テナントオフィスが入居する予定。

 8月24日には、つくばエクスプレスも開業されることから、筑波と秋葉原を直結したITや先端技術の拠点としての役割が高まると、関係者は期待している。

 さらに、今回の秋葉原ダイビルのオープンにあわせて、新キャラクターとして、「クロフィーくん」を発表した。「懐かしく新しいロボット」をイメージしており、今後、秋葉原クロスフィールドのシンボルとして、アキハバラマップやイベントなどに登場することになるという。

ビル内のエスカレーター 2006年3月オープン予定のUDXビルとは空中歩道で接続される 地下駐車場には121台のスペースを用意
【お詫びと訂正】初出時、地下駐車場の収容台数を誤って記述しておりました。お詫びとともに訂正させていただきます。
ダイビルのフロア構成 秋葉原クロスフィールドのキャラクター「クロフィーくん」

□AKIHABARA CROSSFIELDのホームページ
http://www.akiba-cross.jp/
□ダイビルのホームページ
http://www.daibiru.co.jp/
□鹿島のホームページ
http://www.kajima.co.jp/
□NTT都市開発のホームページ
http://www.nttud.co.jp/
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【2月17日】秋葉原クロスフィールド、産学連携フロアの入居機関を発表
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0508/akiba.htm
【2002年2月19日】秋葉原駅前都有地の売却先は鹿島建設らに決定
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0219/akiba.htm

(2005年3月31日)

[Reported by 大河原克行]

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