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インテル、「Sonoma」こと新Centrinoプラットフォームを正式発表1月19日 発表 インテル株式会社は19日、これまで「Sonoma」のコードネームで呼ばれてきたモバイルPCプラットフォームである新Centrinoモバイル・テクノロジを正式発表した。 Centrinoは、特定のCPU/チップセット/無線LANで構成されるプラットフォームのブランド。Sonomaでは、従来の「Carmel」プラットフォームと同じCentrinoブランドを引き継ぐが、それぞれの構成要素はさまざまな機能追加や性能向上が図られた。 ●消費電力を上げずに2倍近いビデオ性能を実現
もっとも大きく変化したのはチップセット。「モバイルIntel 915 Expressチップセットファミリ」というその名称が示すとおり、デスクトップ向けの「Intel 915チップセット」と同等のアーキテクチャ/機能を盛り込んだ。 システムI/OバスはPCI Expressを採用。グラフィック用のPCI Express x16は上り/下り合計で8GB/secと、AGPの約4倍の帯域幅を持ち、メインメモリの一部をビデオメモリとして利用するノートPCにおけるボトルネックを大きく改善する。 メインメモリはこれまでのDDRに加え、DDR2 400/533に対応。同社によれば、DDR2を使用することで性能向上のみならず、平均消費電力が最大120mW低減されるほか、メモリチップの小型化により、基板の省スペース化が可能としている。また、デュアルチャネルアクセスにも対応する。 今回発表された、モバイルIntel 915GM/915GMS/910GML/915PMの4製品のうち、915GシリーズはDirectX 9対応のビデオコア「グラフィックス・メディア・アクセラレータ900(GMA900)」を内蔵。 Carmel世代のビデオコアと比較して、同クロックのCPU使用時に、MobileMark 2002では同じバッテリ持続時間を維持しながら5%の性能向上、3DMark 2001 SEでは91%の性能向上が得られるという。 組み合わされるICHはデスクトップ向けの「ICH6」をモバイル向けに改良した「ICH6M」を採用。新たに、最大7.1chのHDオーディオやシリアルATAに対応した。 各チップセットの機能の差異は下表の通り。
CPUはPentium M 770を始めとする7製品が用意。従来と同じ90nmプロセスの「Dothan」コアだが、FSBが400MHzから533MHzに向上し(低電圧版を除く)、Windows XP Service Pack 2のデータ実行保護機能(DEP)と連携し、バッファオーバーランを悪用するウィルスの感染を防ぐ「エグゼキュート・ディスエーブル・ビット(EDB)」に対応した。
無線LANはこれまでと同じIEEE 802.11a/b/g対応の「PRO/Wireless 2915ABG」もしくは、IEEE 802.11b/g対応の「PRO/Wireless 2200BG」が組み合わされるが、管理/設定ツールである「PROSet/Wireless」がバージョン9となり、利便性やセキュリティを向上させた。
●Centrinoにより利用形態の変革を加速 同日行なわれた記者発表会では最初に、同社代表取締役共同社長の吉田和正氏が登壇。吉田氏は、Centrinoの立ち上げからこれまでの約2年間で、無線LAN搭載ノートPCの出荷量が約2倍に伸張したことや、同社がISPなどと共同で接続検証などを行なっている公衆無線LANサービススポットの数が6倍近くにまで拡大したことを例示。 また、飛行機内でのインターネット接続や、競技場での競技情報提供など、近い将来正式運用が始まる新しい形態のサービスについても触れ、Centrinoによりモバイル市場が大きく活性化しつつあるとした。
続いて、取締役マーケティング本部長のケヴィン・セラーズ氏がデモを交えつつ新プラットフォームの概要を解説した。 最初のデモでは、強化された3D性能を示すものとして、オンライン3D RPG「ファイナルファンタジー XI」を実演。デスクトップPCに遜色ない性能を見せ、セラーズ氏は、ネット環境さえあれば、こういったゲームが家に限らずどこでもプレイできるようになるとした。 このほか、5.1chオーディオを利用したブロードバンドコンテンツや、Bluetoothとの電波干渉を解消した無線LANによるビデオ会議のデモなどが行なわれた。
質疑応答では、プラットフォームを刷新しつつもブランド名を変更しなかった理由について、セラーズ氏は「Centrinoはすでに一定の認知を得ており、変更すると混乱を招く可能性がある。また、ブランドは長期的な資産であるため」と答えた。 新Centrinoは、デスクトップに匹敵する機能を備えたことで、デジタルホームにおける担い手としての重要性が大きく増すことになるが、米Intelは先だって「モビリティ事業本部」と「デジタルホーム事業本部」を分離する新体制を発表した。 この点について吉田氏は「Sonomaの機能により、ノートPCは家の外だけでなく、デジタルホームにおいてもいろいろな場所で利用できるという意味でモビリティを発揮できるだろう。事業本部の切り分けの詳細はこれから2カ月くらいかけて詰めていく」との考えを示した。 国内におけるデジタル放送のコピー制限について質問が続くと、セラーズ氏は「重要な問題だと考えており、現在顧客、政府、コンテンツプロバイダとともに、セキュアでありながらユーザーに自由度を与える技術やポリシーについて協議している」と回答。また、吉田氏は「データをPCのバスに流しても著作権が守られる仕組みなどについて、2005年中にいくつかの方法を提示できると思うが、時間はかかると思う」と語った。 □インテルのホームページ (2005年1月19日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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