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Mac mini/iPod Shuffle説明会レポート
~メモリ増設は自分ではできない?

1月12日(現地時間) 開催

会場:San Francisco The Moscone Center



●Mac miniのアフターカスタマイズは直営店やサービスプロバイダが対応

iPodプロダクツ担当副社長のGrog Joswiak氏。米国市場に残る29%のフラッシュメモリプレーヤーのカスタマーのいずれにもiPod Suffleは受け入れられる製品とコメント

 米Apple Computerは12日(現地時間)、昨日の基調講演で発表された新製品について約1時間ほどのプレス向けブリーフィングを開催。iPod ShuffleやMac miniに関する新しい情報が明らかになったので、お伝えしよう。

 「iPod Shuffle」に関しては、昨年のiPod miniに続いてiPodプロダクツ担当副社長のGrog Joswiak氏からの説明となった。同氏は昨日の基調講演で示されたフラッシュメモリプレーヤーの29%(米国市場)というシェアに触れ、現在この種のプレーヤーを使っているユーザーは2セグメントに分けられると分析しているという。

 1つは、ジョギングやジムでのフィットネスなどアクティブな環境での使用を想定して、より軽く邪魔にならないものを求めているユーザー層。そしてもう1つが、コスト的な部分でフラッシュメモリプレーヤーを選択しているユーザー層だという。前者は曲の選択といった頻繁な操作を求めてはいないし、後者はコストを最優先する。液晶パネルや機能をそぎ落とし、シャッフルプレイを中心とした単純な操作、そして低コスト化を実現したiPod Shuffleは、そのいずれにも受け入れられる製品になると考えているという。

 iTunesを使った設定でiPod Shuffleのフラッシュメモリの一部をUSBドライブとしても活用できるわけだが、その際MacでもPCでもFAT32でファイル管理が行なわれている。これは通常のフラッシュプレーヤーとして利用するときも同様。Windowsはもとより、Mac OS XであればFAT32のドライブは特に設定を変えることなくアクセス可能なので、特に意識する必要はない。ただ音楽プレーヤーとUSBドライブとして併用している場合、iTunesによるデータ更新が終了したあとでも、USBドライブとしてはデスクトップへのマウントが継続されているので、取り外しに際してはアンマウントの手順を踏む必要がある。


ワールドワイドプロダクトマーケティングのシニアプロダクトマネージャー、Jai Chulani氏。Mac miniのコンパクトさはバックパックにも容易に入る。これは、アフターカスタマイズのために店舗に持ち込むときにも便利とのこと

 「Mac mini」に関しては、ワールドワイドプロダクトマーケティングのシニアプロダクトマネージャー、Jai Chulani氏からの説明となった。同氏によれば、Mac miniの外観について、周囲の金属部分は酸化皮膜処理されたアルミニウムフレームで上部はポリカーボネート素材になっているという。また本体底面に貼られている素材はiPodのオプションであるドックの底面と同じもので、スリップ防止の効果が高い素材という説明があった。

 Mac miniは外観をどうみても、内部構造にアクセスできるようなネジや爪などを見つけることができない。実際は底面を取り外して内部アクセスすることになりそうだが、ユーザーによる内部アクセスが可能かどうかを同氏に確認してみたところ、原則としてアップグレードをユーザー自身が行なうとは考えていないようだ。前提になるのはアップルストアを使ったBTOで、メモリ、ハードディスク、光学式ドライブ、AirMac Express Card、Bluetoothモジュールを追加したり、変更あるいは増量したりすることができる。

 一般的に考えればコンボドライブからSuperDriveへの変更や、HDDの増量、そして現在他機種でもBTO専用オプションとなっているBluetoothモジュールの取り付けなどは購入時点でじっくりと考える必要があるのは間違いない。これらが必要ならBTOを選択せざるを得ないだろう。微妙なのはアフターカスタマイズの可能性が残るAirMac ExpressCardやメモリの取り扱いだ。特にメモリは標準の256MBという容量は添付されるMac OS X 10.3 "Panther"を利用する条件を満たしてはいるものの、より快適性を求めるなら512MBか1GBにしておきたいと言うのが本音である。


1枚だけ撮影することができたMac miniのメインボード。向かって左にフルサイズ184ピンのDDR SDRAMのメモリスロットが見えるが、基板がほぼ同じ長さというコンパクトさである。背面のインターフェイスにモデムがない点や、ボード上にあるコネクタなどから、サブボードも存在しているものと思われる

 いったん購入したあとにメモリの増設(1スロットなので事実上交換)を行なう場合は、Chulani氏は直営店やサービスプロバイダなどでの対応が中心になると説明している。見たとおりのコンパクトさなので、店舗への持ち込みも簡単というのも理由の1つだ。日本市場の場合は、直営店以上に正規サービスプロバイダなどの対応が重要になると思われるが、どうしても拠点は大都市に限られるため、送付という手段も多くなるだろう。特に販路として家電量販店などを利用するケースも多い日本では、その店頭での対応が可能かどうかも確認する必要がありそうだ。

 既報のとおり、Mac miniには静音動作し速度可変のファンが1つ内蔵されている。エアフローは底面のスリットから吸気し背面から排出する流れだが、フレームに使われているアルミニウムも放熱効果をもたらしているらしい。アイドル時や低負荷時で22dB、高負荷時で32dB程度ぐらいのノイズレベルとなるようだ。ちなみに、横に立てる状態で使えるかどうかだが、冷却などに影響はないため特に問題ないという答えだった。


 Mac miniのアーキテクチャ自体は、現行のeMacやiBook G4に準ずるもの。システムバスは167MHzで、メモリはフルサイズのDDR SDRAM(PC2700)が対応している。GPUにRADEON 9200(32MB)を搭載しているのも既報のとおりだ。ちなみに、同社が今年前半に出荷を予定しているMac OS X 10.4 "Tiger"で採用されることになるイメージ処理機能CoreImageのフルサポートは、RADEON 9600以降あるいはGeForce FX 5200以降となる。

 PCユーザーにわかりやすく言い換えると、CoreImageに完全対応するのは、いわゆるDirectX 9世代のGPUということになるわけだが(もちろんMac OS XにDircetXのAPIがあるわけではない。同等の処理をOpenGLベースで行なう)、この点については旧機種、あるいは下位のGPUでもあくまでフルサポートになるかどうかの違いだという。GPUのスペック次第でCoreImageのパフォーマンスが自動的に調整されることになるだけで、Tigerへの移行に関しては、Mac miniも十分に対応している製品であると答えが返ってきた。


●AppleブースでHD編集をデモ

ブース正面では、無数の吊り下げられたiPod Shuffleが来場者を出迎える。昨年までiPod関連のデモでは会場の騒音を考慮してヘッドホンは必ず密閉型が用意されていたが、製品スタイルにあわせてか今回はいかにも気楽な感じの展示となっている

 Apple Computerのブースは、例年どおりサウスホールの中央に位置している。ちなみに、ついに今年はノースホールでの出展ブースがなくなり、サウスホールに集約される形となった。ただ出展者数自体はさほ変わっていないようで、通路やブースの配置などが、やや密集した感じを受けた。

 Apple Computerブースは中央にプレゼンテーションシアターを設けて、その周囲を展示台が囲むお馴染みのスタイル。今回は正面側にずらりとiPod Shuffleを吊り下げた展示が印象的だ。その背面にはMac OS X 10.4"Tiger"のデモ機がずらりとそろう。いずれのデモ機も2.5GHzデュアルのPowerMac G5というハイパフォーマンスモデルを使って、基調講演でも公開されたさまざまなTigerのフィーチャーを、来場者のリクエストに応えてデモして見せていた。

 もう1つの注目製品であるMac miniは、ブース正面向かって左手の外周に計18台がデモされている。いずれも同社純正のフラットパネルディスプレイやキーボード、マウスを接続してのデモとなっていたが、PCからの簡単なスイッチを印象づける意味でも、何台かはPC向けに販売されたディスプレイ(例えばDell製)やキーボード、マウスなどを接続してみせても面白かったかも知れない。会場内ではほかに、GPUの供給元であるATIのブースでのみ2台のMac miniを見ることができる。

 「iLife'05」のデモは左右の内周側の展示台のすべてを占め、実数としてはもっとも多い。印象に残ったのは、iMovie HDのデモ機すべてにソニーのHD対応ビデオカム「HDR-FX1」を接続して、実際にHD映像の編集デモを行なっていたことだろう。また、「Garageband2」のデモ機では、数々の楽器やローランド製のFireWireオーディオインターフェイス「FA-101」などを準備して、多チャンネル同時録音などの実演が繰り返し行なわれていた。


Mac OS X 10.4 "Tiger"のデモエリア。いずれもPowerMac G5 2.5GHzデュアルというハイパフォーマンス機を使って、さまざまなフィーチャーを紹介している Mac miniのデモでは、すべて同社純正のフラットパネルディスプレイとキーボード、マウスが使われていた。そのコンパクトさから来場者も一度は手にとって重量感などを確かめていることが多い iLife'05のデモ機はiMac G5が中心。こうした展示台がシアターの左右2カ所に用意されている
iMovie HDのデモ機すべてにソニー製「HDR-FX1」を接続して、実際にHD映像の編集デモを行なっていた iWork'05のバナーはあるが、ここはどちらかといえば混合したエリア。Xserve G5やXSANなどのエンタープライズ向けの製品なども一緒にデモされている シアターを使ったプレゼンテーションステージはいつも満員。椅子に座りきれない人たちが床に直接腰を下ろして見ているのがいかにもアメリカ風

□Macworld Conference&Expoのホームページ(英文)
http://www.macworldexpo.com/
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(2005年1月14日)

[Reported by 矢作晃]

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