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「iPod shuffle」レビュー

基調講演プレゼンテーションの一部。左がiPod、右がiPod shuffle

1月11日(現地時間) 発売

価格:99ドル〜



 ジョブズCEOの基調講演におけるiPod shuffleの発表は、お得意の“Today!”で締めくくられた。

 たったいま発表されたばかりの新製品が、すぐに手に入る。そう思った来場者には結構な人数がいたようで、彼らは展示ホールへとは向かわずに、基調講演会場から徒歩5分弱のApple Store San Francisco店へと足を運んでいた。

 まるで観光地に隣接する土産物屋のような話ではあるが、実際30分を経ずして店舗の前には大変な行列が出来上がって、飛ぶように「iPod shuffle」が売れていたらしい。ジョブズCEOは、その講演のなかで直営店の集客力に触れ、「Macworldを何度も開催するのと同等の成果」といった表現をよく使うが、この日ばかりは逆に、毎日Macworldを開催したくなるほどの成果をあげたといってもいいだろう。

 こちらも早々に駆けつけようとは思ったものの、さすがに仕事を放りだしてというわけにもいかず、なんとか一段落つけて、店舗に向かったのが午後1時半。基調講演の終了から約2時間半ほど経過していたわけだが、店舗外の行列こそ解消されたとはいえ、レジ前の行列はいまだに継続していた。優秀な接客態度で知られるApple Storeの店員も、新製品を手にかなり盛り上がっている様子。

 お目当てのiPod shuffleは、商品陳列も間に合わないのか、入り口付近で輸送用の段ボールに数十個が詰まったものをまるで駅弁売りのよう抱えて販売を行なう光景が見られたのは、貴重な経験といえよう。

 しかし、やはり出遅れたらしくお目当ての1GBモデルはすでにソールドアウト。仕方がないので、お煎にキャラメルよろしく段ボールのなかから512MBモデルを手渡されて、レジにて精算する。ついさきほどジョブズCEOから発表された価格の99ドルに、カリフォルニア州の税金8.5%を追加した総額107.42ドルで無事に購入することができた。

Apple Store San Francisco店 iPod shuffleを求めて、続々と来店者が訪れていた

 前置きが長くなったが、日本市場における販売開始は今週末が予定されているため、一足早く手に入れたiPod shuffleの製品レビューをお届けすることにしよう。

●新鮮なグリーンのパッケージ

 最近iPodやiPod miniなどを手にした人なら分かると思うが、これらの製品の化粧箱は水色が印象的に配色されている。しかし、今日手にしたiPod shuffleの化粧箱は緑の配色がなされていた。Macworld会場のバナーにも緑が多用されており、これがiPod shuffleを象徴するカラーなのか、それとも2005年のiPod製品すべてがそちらにシフトしていくのかは分からないが、明らかにデザイナーによる意志が働いているのは間違いのないところだ。

 パッケージのなかには、iPod Shuffle本体とUSBプラグ部分のカバーを兼ねるストラップ、ヘッドホン(イヤーパッド2セット)、ソフトウェア、マニュアルなどが封入されている。従来のiPod製品では特に強調されてはいなかったが、今回は本体とCD-ROMにそれぞれiPod shuffleを接続する前にソフトウェアをインストールするように注意書きが書き加えられている。

 iPod shuffleに対応するiTunesのバージョンは4.7.1。付属のCD-ROMにはもちろんこのバージョンが含まれている。またiTunesの既存バージョンを使っているユーザーは、Mac OS Xならソフトウェア・アップデートから、PCユーザーはいったんiTunesを起動して最新のバージョンをチェックすることで、いずれも簡単に4.7.1へとアップデートできる。4.7との違いについては、iPod Shuffleへの対応が主な部分だ。

iPod shuffleのパッケージ。緑を基調にした明るいデザインだ。1GBモデルと512MBモデルで外観上の差はほとんどないが、パッケージに容量が記載されている パッケージ内に含まれるもの。iPod shuffleとネックストラップ、ヘッドホン(イヤーパッド2セット付)、ソフトウェア、マニュアルなど iPod miniとの比較。機能的にはまったく異なるものの、iPod miniのクリックホイールとiPod shuffleのコントロールボタン部分のデザインに共通性が感じられる

 準備ができたらiPod shuffleをMacあるいはPCに接続する。初回接続時は従来のiPod同様にウィザードが起動して、iPod shuffleのパーソナライズが行なわれる。この後、iPodではiTunesのライブラリに含まれる音楽データが一括転送されるわけだが、iPod shuffleではライブラリのなかからランダムに抽出された120曲ほど(512MBモデルの場合)が自動的に転送される。

 曲順もランダムに並び替えられているので、約120曲が含まれたプレイリストが一時的に作成され、それがまるごとiPod Shuffleに転送されると考えるとわかりやすい。

 ちなみに筆者が使っていたiTunesのライブラリはJ-POPが中心のものだったが、初回は121曲がリストアップされて自動転送された。会場のバナーにあったキャッチコピーでは、1GBモデルで240曲ということだったのでコピーどおりのスペックを得られたわけである。ちなみに、購入したパッケージには512MB版ということで「PC+Mac 120songs 512MB」の文字が書いてある。何度か書き換えを行なってみたが、ファイルサイズが大きめの曲が多く含まれている時は110曲程度のこともあるようだ。

 2回目以降に接続したときは、iTunesに追加されている「オートフィル」のボタンをクリックすることでiPod shuffle内のデータが更新される。ランダムな抽出にまかせていれば前回の抽出と曲がだぶっていることも多いわけだが、そうした場合はiPod shuffle内のプレイリストは更新されても実際に同じ曲を再度転送することはなく、転送時間の効率化を図っているようだ。

 「オートフィル」のときにユーザーが設定できる内容がいくつかある。初期設定ではライブラリに含まれる曲すべてが選択の対象になっているが、ここで特定のプレイリストから抽出するようにも設定できる。たとえば、あらかじめiPod shuffle用に全ライブラリのなかから数百曲程度のプレイリストを作成し、それを選択対象に指定しておけば、オートフィルの都度、そのプレイリストのなかから120曲程度(512MBの場合)がチョイスされるという仕組みだ。

 設定によりランダム要素を極力排することもできるが、シャッフルという視点を重視すれば、そのチェックははずさないほうがいいだろう。実際ある程度の絞り込みは行なえるとはいえ、事細かに設定項目が用意されているわけではない。むしろ既存のプレイリストや、スマートプレイリストなどiTunesの機能を使っていろいろな組み合わせを楽しんでみるのがオススメのようだ。

 ちなみに筆者のライブラリには一部にビットレートの高い曲やAIFF形式のファイルも含まれていたが、それらは抽出の対象にはなっていない。これは、約120/240曲という曲数を優先するための処置だろう。ただ、環境設定でiPod shuffle用にAAC 12bbitへの変換を行なったうえで転送を行なうという処理を選択することが可能になっている。ただし、このオプションを選択した場合は、転送時間がやや長くなるようだ。

 環境設定でもう1つポイントとなるのが、USBメモリとしての活用だ。これはあらかじめ、USBメモリとしての記録領域を確保しておくことで利用が可能になる。実際はフルに曲データが入った状態でも記録領域の確保を行なうと、自動的にiTunesがiPod shuffle内の曲データを整理、削除してリストを更新するので、初期化からはじめる必要はない。また曲データの領域を増やすときはスライダを移動して「オートフィル」をすれば再度曲データが追加されるので、意外と気軽にUSBメモリとして使ったり音楽プレイヤーに戻したりできる。

iPod shuffleをPowerBook G4に接続する。意外に横幅があるので、機種によっては隣のポートと干渉する場合もありそうだ 初回接続時はウィザードによるパーソナライズのあと、自動的にフル容量でランダムにプレイリストが作成されiPod shuffleに転送される。512MBモデルで121曲とは、狙ったようにほぼスペックどうりの曲数が収まった 2回目以降の接続では、オートフィルによって転送される曲の変更をしても、同一の曲が再度転送されることはない。曲順そばのアイコンで、転送が必要な曲がわかる

「オートフィル」による転送のランダム要素をある程度調整する設定部分。iPod Shuffleに転送可能な曲だけを集めたプレイリストをあらかじめ作っておくのも良さそうだ USBメモリとして利用する設定。メモリとしての容量はスライダで自由に決めることができる。音楽プレイヤーとして利用中であっても初期化は不要で、iTunesが自動的に転送済みの曲の整理と削除を行なっている

●4時間充電で12時間駆動

USBプラグの部分に、容量が記載されている。今回購入したのは512MBのモデル

 重量22gの本体は白のプラスチック素材で、さほど高い質感というわけではない。表面のわずかなコントロール部分は、iPodとしての個性を主張するデザイン要素を残してはいるが、全体としてシンプルそのものといった印象だ。コントロールボタンは、中央の「再生/ポーズ」をはじめ、左右の「スキップ」、上下の「音量」それぞれにきっちりとしたクリック感がある。クリックと同時にLEDも点灯するので、操作が行なわれたことがはっきりとわかる仕組みとなっている。

 背面には、スライドスイッチがひとつある。このスライドスイッチで電源オフ、リスト順の再生、ランダム再生が選べるようになっている。表面のコントロールボタンとあわせて、いずれのスイッチにもロック機構はない。

 スペック上はUSB接続時の4時間充電で、12時間の再生が可能となっているがまだ購入して12時間すら経っていない状況のため、スペックどおりの性能がでているかどうかまでは分からない。

 気になるとすれば本体の充電がUSB接続に依存しているためノートブックを中心とした利用や、PC自体の利用時間が少ない環境下では、充電時間の確保をどうするかという不安がある。

 どうしても充電時間が確保できない場合は、別売の電源アダプタなどの利用を考える必要があるだろう。また電源オンの状態であることは、スライドスイッチの部分が緑になっていることで認識できるが、意外に電源の切り忘れによるバッテリの消費などは多そうな感じである。

 付属のヘッドホンは従来のiPodと同じもの。音質に関しては欲を言えばきりがないわけだが、これも同じコーデックでほぼ同様のアナログ出力が使われていると考えられることから、従来のiPodに比べて大きな差のあるものではないようだ。

 持ち歩きに際して付属のストラップを利用するかどうかは趣味によるが、キャップ部分のロックは意外にしっかりしている。22gというほとんど存在を感じさせない重量もいいのだが、かえって無くしてしまいそう、という不安も多少はある。ストラップを使わず、バッグに入れて使用するタイプの人の場合は、iPod shuffleを探してバッグのなかをひっかきまわすといった光景も容易に想像できそうな気がする。

 iPodなどある程度高機能なプレイヤーを使ったあとでは、曲名をはじめとする各種の情報が表示されないことに不安はあるが、ランダム再生に特化したという意味で、これはこれでありなのかという印象が強い。

 正直なところiTunesを持たない他社が、仮に同じコンセプトの製品を出したところで一笑に付されるかも知れないというほど大胆すぎる発想ではあるが、アップルの知名度とiPodの実績がこうしたある意味大胆な試みさえ、スタンダードに押し上げる可能性を持たせていると言っても過言ではないだろう。

表面。曲名などを表示する液晶パネルなどはなく、コントロールボタンのみが存在する。クリック操作時には、LEDが点灯して操作されたことを確認できる 背面。スライドスイッチで、電源オフ、リスト順再生、ランダム再生が選択できる。ほかに、バッテリの残りを確認できるボタンも付いている ストラップを取り付けた状態。ボールを使ったロックは結構がっちりしている。ジョギングやフィットネスでの利用にはスポーツケースやアームバンドなどのオプション品が用意されている

□製品情報
http://www.apple.com/jp/ipodshuffle/
□関連記事
【1月12日】写真で見るiPod shuffleとMac mini
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0112/mw02.htm
【1月12日】アップル、シリコンメモリ採用の小型「iPod shuffle」(AV)
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050112/apple1.htm

(2005年1月12日)

[Reported by 矢作晃]

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