三浦優子のIT業界通信

XPを楽しむための「Plus! SuperPack for Windows XP」




「Plus! Digital Media Edition」
 マイクロソフトが12月3日に発売した「Microsoft Plus! SuperPack for Windows XP」は、Windows XPの強化キットといえる製品だ。

 これまで4,980円で販売されてきた「Plus! for Windows XP」と、2,800円で販売されてきた「Plus! Digital Media Edition」をワンパッケージ化するとともに、Windows Media Player10(WMP10)を同梱し、推定小売り価格3,800円と従来の価格と比べ、値下げして再パッケージ化した製品なのだ。

 この製品を担当するマイクロソフトのWindows本部コンシューマWindows製品部 長島理恵プロダクトマネージャに製品の特徴を聞いた。

●XPを楽しむためのパッケージ

長島理恵プロダクトマネージャ
 「一言でいえば、Windows XPを購入してもらったユーザーがこのパッケージを購入してもらうことで、より楽しくXPを使ってもらえるようになることを狙って作られたパッケージ」(長島プロダクトマネージャ)が「Plus! Digital Media Edition」だ。

 実はPlus!には、2つのパッケージが存在したため、「どちらのパッケージを購入すべきなのか」という質問もあがっていた。今回、パッケージを1つにまとめ、さらに購入しやすい価格とすることで、どちらを購入すべきなのかという疑問を払拭すると共に、お得感を出して発売したわけだ。

 「発売時期がちょうどボーナスシーズンにあたる。パソコンを買い換えたり、買いましたりする人が手にとってもらえることを想定した」(同)

 PC Watchの読者の場合、かなりヘビーユーザーが多いことを考えると、自身で購入するというより家族や知り合いで初めてパソコンを購入する人にプレゼントして、これでパソコンを使うことのに慣れてもらうというのはいいかもしれない。

●パソコンの威力を周囲にアピールできるPhotoStory

 中に入っている機能を紹介しよう。「PhotoStory」は、4つの簡単なステップで、デジタルカメラで撮影した写真に、音楽や背景、ナレーションなどを加えて編集することができる。

 「デジタルカメラの普及率が日本では60%を越えているというが、写真を撮りっぱなし、貯めっぱなしという人が多い。この機能を使うことで、撮った写真を楽しく活用することをお勧めしたい」(同)

 写真を編集、加工するソフトは単体パッケージとして多くのメーカーから発売されている。そういうソフトを使いこなせるか、自信がない人がとりあえず試してみたいという場合に適している。

 といっても、PhotoStoryだけでもかなり楽しめる。最大で150枚の写真を1つのプレゼンテーション用に編集することができるので、例えば旅行に行った際に撮影した写真をまとめてしまうといった使い方ができる。

 長島プロダクトマネージャが、「それはいい」と思ったのは、友人などの結婚式の際に撮影した写真を簡単に編集し、それを二次会で見せるという使い方。

 「披露宴から二次会までの間だけでも編集ができてしまうくらい、簡単に編集ができるにも関わらず、音楽、背景付きの簡単なプレゼンテーションができあがってしまう。見る人はそんなに簡単に作ることができたと思わず、場が盛り上がること請け合い」という。

手順を追った簡単な操作で作品が作れる

 ほかにも、小学校に通う子供を持っている人が、PTA主催のソフトボール大会をデジタルカメラで撮影。夕方から開催される二次会に編集した画像を持ち込み、大喝采を受けたという例がある。

 簡単なステップで編集作業が出来てしまうにもかかわらず、編集した画像を見ると、凝って編集をしたという印象を持ってもらえるようだ。それほどパソコンに詳しくない人でもできる作業なのだが、仕上がりの良さから「あそこのお父さんはパソコン名人」と評判が立ったという。

 確かに最近はデジタルカメラで撮影したデータも、プリンタとデジタルカメラをダイレクトに接続すればパソコンレスで使えるため、わざわざパソコンを持っている必要性も薄れてしまっている。だが、デジタルカメラで撮影したデータの編集、加工といった作業ができるのはパソコンならではだ。

 パソコンにはそれほど慣れていない人も、本当にパソコンの使い手という人も、家族や友人にその実力をアピールするわかりやすい機会を作ることができるのがPhotoStoryなのだ。

●音楽を楽しむ人をさらに支援する機能を拡充

デスクトップ上で踊るダンサー
 パソコンをAV機器として利用する人も増えているが、Plus! SuperPack for Windows XPにはそういう人を支援する機能も充実している。

 WMP10に対応したさまざまなスキン、オリジナルCDジャケットを簡単に作成できる「Plus!CDラベルメーカー」、曲にあわせて踊る「Plus!ダンサー」、「Plus!パーティーモード」といった機能が入っている。

 笑ってしまったのがPlus!ダンサー。文字通り、曲にあわせて踊ってくれるデスクトップキャラクターで、何かに役立つわけではないのだが、ユニークなキャラクターが多くて笑わせてくれる。日本版オリジナルキャラクターとして、「三瓶です!」でお馴染みのコメディアンの三瓶と、パパイヤ鈴木と一緒に踊っているおやじダンサーズのメンバー「中嶌ジュテーム」らが登場して盛り上げてくれる。三瓶のダンスはダンスと思えない動きがおかしい。追加のダンサーをダウンロードする機能もある。

 「Plus!パーティーモード」は、BGM用に使っているときに操作を制限するソフトだ。画面にジュークボックスのような表示となるが、このスキンも追加ダウンロードできる。

●XP標準機能の強化

 その他、Windows XPに標準搭載されているホームムービー編集機能をさらに向上させる映像効果機能も収録。より迫力あるホームムービー編集が実現する。

 「ムービーメーカーは、Windows XPに標準で付加されている機能であるにも関わらず、その存在を知らない人も多い。Plus! SuperPack for Windows XPを購入し、この機能があることを知ってもらうだけでもお得」(同)。さらに新たに加わった効果を使えば、編集もより強化される。すでにムービーメーカーを使いこなしている人にもお勧めだ。

 ほかにもオリジナルのデスクトップテーマやスクリーンセーバーが付属する。

●Windows 95とXPでは変わったPlus!の役割

 もともとPlus!という製品は、新しいWindowsが登場するたびに公開され、Windowsの機能を向上させる役割を果たしてきた。特にWindows 95の時には、多くの人がPlus!を購入した。

 「Windows 95の時には、OSだけを購入しても何かができたわけではなかった。だから、PlusはWindowsの必需品という要素もあった」とマイクロソフト側では説明する。

 それに対し、今回のPlus! SuperPack for Windows XPは、「XPになるとOS自身に入っている機能も充実するようになった。XP単体でも色々なことができるようになったために、Plusを買って何かをするというよりも、Plusを買うことでよりXPを楽しむことができることを目指している」と製品の方向性に違いがあるという。

 その意味ですでにXPを楽しみ尽くしている人よりも、まだXPを使いこなしていない人には有効な製品といえるだろう。

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2083
□製品情報
http://www.microsoft.com/japan/plus/plushome.asp

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(2004年12月6日)

[Reported by 三浦優子]


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