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Spansion CEOのバートランド・カンブー氏記者会見

バートランド・カンブー氏

11月18日 開催




 米AMDと富士通の合弁会社でフラッシュメモリの開発/製造をてがける米Spansion LLCは18日、都内で記者会見を開催し、同社代表取締役社長兼CEOのバートランド・カンブー氏が同社の現状や最新技術について説明を行なった。

 Spansion(スパンション)は2003年7月に設立(当初の社名はFASL LLC)された会社で、NOR型フラッシュメモリの開発/製造を専業としている。

フラッシュメモリシェア

 カンブー氏によれば、同社は創立以来、着実に業績とシェアを伸ばし、NOR型フラッシュメモリでのシェアは2003年にIntelと同レベルに達し、2004年第1~第3四半期の実績ではIntelを追い越し、シェアNo.1となった。NAND型を含めたフラッシュメモリ全体でも3位の位置につけている。

 同社の好調を支えているのは単一のメモリセルに2bitを記録する同社独自の多値技術「MirroBit」。従来、NAND型メモリは低コストで大容量が可能だが信頼性が低いためデータストレージとして主に用いられているのに対し、NOR型メモリは不良ブロックがなく信頼性が高く、読み込み/書き込みとも高速でコードを記録するのに向いているが、コストが高いとされていた。

 しかし、MirroBit技術により、NOR型であっても同容量でNAND型と同じダイサイズを実現でき、コストを抑えることに成功した。

 カンブー氏によれば、同社製品の平均ウェハコストは、同社設立以来40%も下がっているという。

 また、微細化についても同社は他社に先行しており、他社が0.13μmに留まっている中、NOR型メモリとして初となる0.11μm製品の量産を開始。90nmについてもすでにサンプリングを開始しており2005年には量産を開始するという。

NAND型メモリとのダイサイズ比較 すでに0.11μの量産を開始。赤色の線は平均ウェハコスト

 同社は、MirroBitを応用した技術として、NOR型メモリを使用しつつ、インターフェイスにNOR/NAND型のいずれも利用できる「ORNAND」技術も先だって発表しており、これによりNAND型に対する容量/コストでの弱点を補いつつ、コード/ストレージに両用できる製品として、NAND市場にも挑戦する。

 今後のロードマップとしては、2007年を目処にMirroBitを倍の4bit/セルにまで発展させ、プロセスルールは65nmへと微細化、2009年には45nmを目指す。容量についても、現在の512Mbitから2007年には8Gbitまで大容量化し、NANDとの差を埋めていく。

 生産面でも、会津若松の300mm対応Fab SP1の建築が完了。順次生産体制を整え、2007年を目処に稼働開始させる予定。SP1に隣接する既存のJV3 Fabを含めると、延床面積22,000平方mで、世界最大規模の工場となる。

ORNAND技術の概要 MirroBitおよび微細化のロードマップ
大容量化のロードマップ 会津若松工場

□Spansionのホームページ(英文)
http://www.spansion.com/
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(2004年11月18日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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