買い物山脈

オリンパス「E-1」を購入したわけ




品名オリンパス「E-1」
購入価格450,595円(本体・レンズ・アクセサリー込み)
購入日2004年8月21日
使用期間約2カ月

「買い物山脈」は、編集部員やライター氏などが実際に購入したもの、使ってみたものについて、語るコーナーです。

●全然遍歴してないカメラ遍歴

 「何でE-1?」という話をする前に、まずは筆者のカメラ遍歴を紹介しておきたい。簡単に言ってしまえば「遍歴:ほとんどなし」だったりするのだが、これではさすがに説明にならないだろう。

 そもそもカメラとの出会いで言えば、子供の頃にコダックのポケットカメラを買ってもらったのが最初だったと思う。ただその頃から、メカニズムに興味はあったものの、写真を撮るという行為にはいまいち馴染みが無かった(というか、あまり好きではなかった)。

 結局コダックのカメラにしても、中のメカニズム(といっても大したものではない)に興味があっただけ。同じように父親が所有していたPENTAXの一眼レフ(型番は既に不明)にしても、いじくり回しはしたものの、遂にそれで撮影は一度もしなかった覚えがある。その後義務教育→高校→大学を経て就職し、次いでライター稼業に足を踏み入れても、ついに自分で撮影することはなかった。

 ただ、ライター稼業に踏み込むと、案外と撮影という事に詳しくなる。筆者の場合、'91年に創刊された「DOS/V magazine」への執筆が最初のレギュラー仕事なわけだが、当時はパーツの撮影はおろか画面写真まで全部カメラマンに銀塩で撮影してもらっていた。

 従って雑誌の特集の原稿を書き終わると(下手をすると原稿を書く前に)機材を一式スタジオに運び込んで撮影になるわけだ。多い時には月に5〜6日スタジオに詰めるという、今ではとても考えられない状況に追い込まれていたわけであるが、その際に例えばブツ撮りのアングル決めとかライティングの基本といった事をカメラマンの助手を(成り行き上)勤めつつ、気が付いたらそうした撮影の基本とかテクニックを教わっていたということになる。もっとも相変わらず自分では一切撮影せず、カメラも持っていなかった。

筆者が初めて購入したデジタルカメラ「C-800L」

 そんな筆者が最初に自分でカメラを買ったのは確か'96年の事。'97年4月から渡米が決まっていたので、何か自分でもカメラが欲しくなったというのが動機だ。当時はカシオのQV-10が流行していて、知り合いの某編集長が「これ面白いんだよぉ」とか言いながらカバンから出してきたQV-10をさんざ見せられているうちに、自分でも欲しくなったというのが正確なところだ。で、最初に購入したのがオリンパスのC-800L

 当時は「初のメガピクセル機」(でも実質は81万画素)とか持てはやされたが、決め手は6MBもの大容量(笑)フラッシュメモリを内蔵していたこと。あと、奥様が丁度オリンパスのコンパクトカメラを使っていた事もあり、「操作が一緒でわかりやすい」というのも選考理由の1つだった様な気がするが、もう正確なところは覚えていない。

 このC-800Lはずいぶん活躍した。レンズは固定焦点だし画角も狭くもちろんズームなんぞついてはいないわけだが、それでも日常のスナップなどに多用した記憶がある。1年後に帰国してからはフルタイムライター稼業に入るのだが、その当時もまだC-800を使っていた。

 この状況が変わるのは'98年の事。確か「COMDEX/Las Vegas 1998」の取材が持ち上がってきて、さすがにC-800Lでは如何ともしがたいという話になってからだと思う。で、某編集部にお願いして、オリンパスからC-900ZOOMを借りてもらい、そのまま会場に持っていった記憶がある。

 この時はバックアップ用に、奥様所有のCANON AE-1+50mm F1.4も借りていったが、結局全く使わずに終わった。当時はまだ紙メディアでの仕事だったが、会期が校了時期と重なっていたので、結局昼間撮影したデータを夜にモーテルから電話回線で送るという(当時としては)タイトなスケジュールで、銀塩の場合に必要な現像とかアメリカ→日本発送の時間が全く取れなかったのが理由だったと思う。このあたりから、「デジカメって仕事で使えるじゃない」という認識が筆者の中でも次第に出来上がってきたと思う。

 その後'99年には同じオリンパスのC-2000ZOOMを購入。このカメラは、真剣に自分でも仕事で使った覚えがある。この頃は、紙面に載せる写真を全部スタジオ撮影するのではなく、ライターが自分で撮影して、画像ファイルを編集部に送るというスタイルが次第に始まった時期でもある。

 特にWeb媒体の仕事の場合、原則として写真は自分で撮る方が一般的になってきたため、製品のブツ撮りは自分で行なうなんていう機会が非常に増えてきた。加えて発表会などでも、もはやカメラマンが同行するのは稀であり、ほとんどはライターが自分で撮影するパターンになってきた。

 こうなると、C-2000ではやや不満が出てくるのも仕方がないところ。特にズームが3倍しかないので、発表会などでは非常に不満が出てくる。しかもフラッシュがPoorなので、ちょっと遠いと全然写らない。そんなときに登場したのが同じオリンパスのC-2100UltraZoomである。

 試したところ、EVFはちょっと気に入らなかったが、10倍ズームと手ぶれ補正・連写は非常に撮影環境改善に効果がある。そこで発売直後(2000年8月)にさっそく購入。フラッシュの貧弱さがやや問題ではあったが、これは外部フラッシュを併用することで解決した。

 そんなわけで海外取材を含めてとにかく多用したC-2100UZだが、

・オートフォーカスがいまいち信用できない
・マニュアルフォーカスにすると、非常に山があわせにくく、操作もしにくい
・やっぱりEVFは使いにくい
・ホットシューがないので、フラッシュの装着がものすごく面倒

 というあたりは依然として不満であった。一時期はミノルタ(現コニカミノルタ)のDiMAGE 7にかなり心引かれたものの、EVFであることに変わりはない。C-2100UZよりは多少操作性が改良されていたが、根本的な解決にはなっていない感じ(AFの遅さも難点のひとつ)であった。

 結果として購入したのは、またしてもオリンパスのE-20である。確か購入は2002年だったと思うが、正確には覚えていない。この選択の動機は、

・視野角が100%に近い光学ファインダーで、マニュアルフォーカスが非常にしやすい
・大口径レンズでかなり明るい
・ホットシューがついて、フラッシュの装着が楽
・CF対応

 といったところだ。確か購入した頃にはニコンのD100とかキヤノンのEOS D30(D60もあったかもしれない)という選択肢もあった筈だが、レンズの資産がまるでない筆者にしてみれば、決して安い買い物とは言えなかったことと、絵作りが筆者の趣味ではなかった(これだけオリンパスが続くと、もはやオリンパスの絵作りがデフォルトになってしまい、キヤノンの派手な色合いとかニコンのシビアな描写はあまり好きになれない)事が選択の理由である。

 そんなわけで以後2年ほど、E-20を駆使して撮影に勤しむことになった。(ちなみにC-2000は義妹のところに行ってしまい、C-2100は猫撮り専用機として奥様が使っている)ただ、使っているとどうしてもあらが見えてきてしまうのは仕方がないところ。具体的には、

【遅い】Microdriveでは3枚、Lexarの16倍速フラッシュを使っても4枚でバッファがフルになり、その後1分以上待たされる。当然連写なんか効くわけもなし

【感度が悪い】標準はISO80。ISO320まで設定はできるが、ノイズが多すぎて使い物にならない。まぁISO160がせいぜい

【ズームが足りない】ズームは4倍で、1.4xのテレエクステンションを使っても5.2倍相当にしかならない。小規模な発表会ならこれで賄えるが、大きな発表会(例えばIDFとかMicroProcessor Forum、COMPUTEXなど)で講演者を狙うためにはちょっと不足気味である

【ワイドも足らない】35mm換算で35〜140mmで標準的とはいえるが、もう少しワイド端が欲しいところ。ワイドエクステンションをつけると28mm相当になるが、今度は取り回しがものすごく面倒になるので、できれば付けたくない

 あたりが不満となる。これを痛感したのが2003年に鈴鹿8耐の取材をしたとき。無理だろうなぁ、とは思ったのだがやっぱり全然無理だった。

 風景とかブツ撮りをする分にはいいのだが、それ以外となるとかなりストレスがたまる。加えて、パワーバッテリーホルダと併せて使うリチウムポリマ電池(3.7V/8,400mAhというお化け)がメモリ効果で死に始めてきたという経緯もある。

 メモリ効果に強いとは言え皆無ではないようで、何度か完全放電と再充電を行なったものの、ほとんど復帰せず、「もう1本電池を購入するくらいなら、いっそ新機種を買ってしまうか」という選択肢が出てきたわけだ。

●そんなわけでE-1

 さて、新機種だと何を選ぶかという話が当然出てくるわけであるが、ここでEOS 20DとかニコンD70とかに走らない理由はE-20選択の時と同じである。E-20の絵作り自体は非常に気に入っているので、高速で、感度が良くて、レンズが交換できて、使い勝手が改良されているE-20の改良型があれば、それを購入するのが道理である。

 そもそもニコンやキヤノンを使っているライター仲間は沢山いて、同じものを買っても面白くないという考えもある。だからといってペンタックスの「*istD」とかシグマの「SD10」を買うほどの勇気もないのだが。

 というか、そもそも一眼レフの経験が浅い筆者には、ちょっとこれらは使いこなす自信がない。その点E-1はE-20の延長という感覚で使えるのがだいぶ助かったところである。

 ちなみに購入した8月21日というのは、キヤノンのEOS 20Dの発表直後(笑)にあたり、またフォトキナでE-300とE-2が発表される(E-2は結果としてガセでしたね)なんて噂もあったわけだが、結果から言えばやはりE-300は購入しなかっただろう。

 800万画素は不要(500万画素ですら十分に多いというのに、これ以上画素数が増えても嬉しくない)し、感度はE-20よりはマシだがE-1ほどではなく、連写枚数も少ないなど、むしろアラが目立ってしまう。おそらくE-300を購入したら物足りなさを感じたであろうし、その意味ではE-1を買うことに何のためらいもなかったりする。

 とりあえず購入したのは本体のほか、

ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5
テレコンバーター EC-14
FL-50 フラッシュ
パワーバッテリーホルダセット SHLD-2
グリップストラップ GS-2

 というワンセット。テレコンを何で買ったかというと、さすがに14-54mm(35mm換算で28-108mm)では望遠が不足するから。だからといって50-200mm F2.8-3.5は無駄すぎる。

 筆者の用途からすれば35mm換算で250mm前後のズームで十分なわけだが、そこは新ラインナップということで全然手が廻っていない。従って当座は標準ズーム+テレコンで我慢して、そのうち手ごろなズームが出るのを待とうというわけだ。

 しかしながら、この合計金額は約45万円にも達して、さすがにクラクラと来た。ちなみに新宿のビックカメラで購入したのだが、ボディだけで27万以上していたと思う。E-20の時もそうだったが、とにかく新品の値段が下がらないのが悩みどころだ。

 更に書いてしまえば、その後近所の中古カメラ屋を物色していたら、ボディのみの中古が12万位で出ていて、思わず心が折れそうになったが(泣)、とりあえず見なかったことにしたいと思う(笑)。しかも現在では新品ボディ単体でも147,000円になってしまっている(泣)。

●使い勝手と気づいたことあれこれ

 ところで編集長に原稿を書けと言われた時に言われたのは、せめてコレと同じ程度には作例を付けてね、という事だったのだが、何しろここまで書いてきたように、基本的にはプライベートではほとんど撮影をしない人である。

 例外は猫で、これはもうたっぷり撮っているのであるが、「んじゃいろんな色の猫ならいい?」と聞いたら駄目出しされてしまった(笑)。しかしながら、E-1のレビュー自体は既に那和秀峻氏のものがあるので、同じことをやっても仕方ないだろう。そこで、もう少し実情に即した作例をご紹介したい。

 筆者の場合、仕事での撮影は、

(1) 会場自体の撮影
(2) 会場での講演者の撮影
(3) 会場でのプレゼンテーションの撮影
(4) 会場でのブツ撮り
(5) 仕事場でのブツ撮り

 といったあたりが主なところになる。また通常の撮影と違い、

・800×600ピクセルに縮小/トリミングするのが前提なので、例えば500万画素の粒子感だの800万画素の粒子感とか言ってもあまり意味がない。それよりも、Photoshopで後加工しやすく、リサイズを掛けたときにも画像が崩れにくい事が重要。
・見栄えは後でPhotoshopの色調補正やトーンカーブで調整するので、撮影時点で画像が必ずしも整っている必要はない。

 という、重要視する部分がやや普通と異なるものである。端的に言ってしまえば筆者はあくまでもライターであって、写真は文章の添え物的なもの。カメラマン並のクオリティは求められていない(カメラマンとしての筆者の腕前は、それで飯は食えない程度のものでしかない)。

 従って紙焼きにする事はほとんどないし、あったとしてもPhotoshopで加工することが前提である。あくまでも筆者が欲しいのは画像の素材であって、カメラ単体で画像が完成している必要はあまりなかったりする。

 そういうわけで、撮影もRAWを使うのはきわめて稀で、実際E-1もHQモード(解像度2,560×1,920・JPEG・圧縮率1/8)に事実上固定されている。これ以上の画質でも、後処理で手間取るだけだからだ。

 まぁそういう事を念頭においた上で、まず会場撮影をちょっとご紹介したい。会場自体の撮影とは文字通り会場を撮影する(写真01)ことや、演壇全体を撮影する(写真02)ことなどさまざまで、屋外の場合もあれば、屋内の事もある。

【写真01】プログラムモード(1/160秒・F4.5)、ISO100、オートホワイトバランス。後でPhotoshopでレタッチすれば良いと思ってるので、アングルが多少ゆがんでいるのはほとんど気にしない 【写真02】プログラムモード(1/30秒・F4.5)、ISO100、オートホワイトバランス。ISO200にすればよかった

 写真01の場合は距離があるのでそれほど引かずに済むが、写真02は最前列の席だったりするので、ワイド端一杯まで引いての撮影となる。しかもここまで広いと、フラッシュを使うと中央だけ明るい写真になってしまって、あまり好ましくない。結局、後でPhotoshopのお世話になるわけだ。

 ちなみに手ブレ防止機構があればもう少しシャッタースピードは遅らせる事ができるだろうが、今度は被写体ブレが起きてしまうのでこのあたりが下限である。

 しかしE-20で写真02と同じ事をしたら、おそらくISO320まで感度を上げないと同程度には写らないだろうし、そうなるとノイズが凄くて後処理が結構大変だろう。このあたりは素直にE-20→E-1にしたことのメリットである。

 次は講演者の撮影。これもまた千差万別だが、基本的にはテレ端でなるべく大きく撮ることになる。ただ、演壇で静かに講演してくれる人ならばそれほど困らないのだが、例えばIDFの基調講演などの場合は舞台中を歩き回りながら激しい身振り手振りが入ったりするので、シャッタースピードはあまり遅くできないし、その結果フラッシュは必須になる(写真03)。

 プレゼンテーションも結構重要である。例えば今年のこの記事で、C5JのDie Plotは事前に配布された資料や、後で配布されたPDFには含まれていなかったりする。

【写真03】プログラムモード(1/80秒・F2.8)、ISO200、オートホワイトバランス。フラッシュ自動 【写真04】これはE-20で撮影。プログラムモード(1/20秒・F2.2)、ISO320、オートホワイトバランス。さすがにノイズがちょっと目立つ

 なにしろ相手はPowerPointなので、その気になれば直前に差し替えも可能な一方、配布資料は1週間程度前に用意しないと配布が間に合わないというわけで、資料が配布されているからと安心すると、とんでもないものが示されたりする事がある。

 そういうわけで、用心のために主要なプレゼンテーションは全部撮影しておくのがセオリーだったりするわけだ。まぁ撮影枚数を気にしなくて良いデジカメならではの使い方であるが、例えばそのC5JのDie Protの元写真はこちら(写真04)である。

 会場は真っ暗なので、プロジェクターの光量自体は控えめでも人間の目には十分なコントラストで見えるのだが、デジカメでは絶対的な輝度が不足気味なので、スローシャッターや感度アップで対抗するしかない。写真05は同じような会場で似たような明るさのプレゼンテーションをE-1で撮影したものだが、ISO200程度で十分撮影できた。

 会場のブツ撮りというのは、要するに会場で展示された製品などをその場で撮影するという話で、迅速に撮ることが要求される。大体ライティングなどに凝っている暇はないので、フラッシュをバウンズで使いながら少しづつ条件を変えて複数枚撮影しておき、後で一番使えそうなものを1枚選ぶといった感じだ(写真06)。

【写真05】シャッター優先AE(1/10秒・F3.5)、ISO200、オートホワイトバランス。ピンが甘いのは、元々のプレゼンテーションの投影のピンが甘いからである 【写真06】プログラムモード(1/80秒・F3.3)、ISO100、オートホワイトバランス。フラッシュ自動         

 また、時には画面撮りも必要だったりする(写真07)わけだが、最近画面といえば全部液晶モニターの事が多く、コントラストはともかく輝度の絶対値が低めなのでどうしても感度を上げざるを得ない事が多い。こうしたケースでは、12枚まで連写でき、比較的バッファクリアが早いE-1はE-20と比較にならないほどストレスなく撮影できるし、ISO400も条件次第では使い物になるレベルなだけに、撮影はえらく容易であった。

 最後は仕事場でのブツ撮りであるが、非常に小さなものなら机の上で撮影してしまう。ただ、ある程度大きなものは簡易スタジオ(写真08)を用意して、そこで撮影するようにしている。

【写真07】プログラムモード(1/80秒・F3.5)、ISO400、オートホワイトバランス 【写真08】んで、スタジオを組むと邪魔をしにくる奴がいる……

 中央のブルーのものは、ケンコーのデジタルカメラ用ライティングボックス LB-41で、この外側をフレーム(100円ショップで売っているスチール製ネットを適当に組み合わせたもの)で囲い、15Wの蛍光灯5本(上に3本、左右下側に1本)で囲んでいる。

 実はまだちょっと光量不足なので、もうすこし強化しようとは思っているのだが、とりあえずスローシャッターを使えばこれでも十分対応できる。まぁそれはさておき、ここで例えばマザーボードの写真などを撮ることになる。

 実際は写真を800×600ピクセルとか640×480ピクセルにトリミングしてしまうのが普通なのだが、例えばここからマザーボードの一部だけをトリミングして大きく見せるなんて事があるから気は抜けない。こうした場合にF22まで絞れるレンズが使えるE-1は非常にありがたい。

 もちろん、全くその他の撮影をしないわけではなく、猫や小動物・人や建物を撮る場合もある(写真09〜15)が、これらに関してはE-20でもそこそこ撮影できていただけに、特にE-1だからどうこうという感じはしない。逆にいえばこのあたりで違和感を感じないあたりは、E-20とE-1で同じ絵作りをしていると実感できる部分でもあり、E-20を使ってきた身にはありがたいところだ。

【写真09】プログラムモード(1/500秒・F7.1)、ISO100、オートホワイトバランス。何枚か連写していたときの1枚。このあたりはE-20より小気味良く撮影できるので、チャンスを狙いやすい 【写真10】プログラムモード(1/60秒・F3.5)、ISO200、オートホワイトバランス。思ったよりも背景がうまくボケてくれてちょっと嬉しい
【写真11】プログラムモード(1/640秒・F3.5)、ISO100、オートホワイトバランス。90°回転を掛けてある 【写真12】プログラムモード(1/15秒・F3・+0.3EV)、ISO800、オートホワイトバランス。こちらも90°回転済。ちょいスローシャッターで微妙に被写体ブレがあるのが残念。+0.3EVは余計だったかもしれない。ISO800でもこれだけノイズが少ない
【写真13】プログラムモード(1/30秒・F3.5)、ISO400、ホワイトバランス3600K 【写真14】プログラムモード(1/320秒・F8)、ISO100、オートホワイトバランス
【写真15】プログラムモード(1/400秒・F9)、ISO100、オートホワイトバランス。太陽を入れてみたが、破綻のないことよ

 ちなみにその他のメリットとして、やや軽く感じるようになった事も挙げておくべきだろう。E-20の場合、本体(1,050g)+フラッシュ(FL-40:350g)+バッテリホルダー(B-HLD10:240g)+バッテリ(B-12LPB:270g)で、合計1.9kgを超える(フラッシュの電池、グリップやストラップ、フラッシュメモリは考えに入れない)。

 これに対しE-1の場合、本体(660g)+レンズ(435g)+フラッシュ(FL-50:375g)+バッテリホルダー(HLD-2:235g)+バッテリ(BLL-1:195g)となり、ジャスト1.9kgである。つまり重量差は体感できるほどではないにもかかわらず、長時間持って歩いて撮影というシーンではE-20よりも楽に感じる。

 ひとつ言えるのはグリップの形状がより握りやすくなったことだが、もうひとつは重心位置が変わってきているのではないかということ。同じ重量なら、重心がグリップに近いほど振り回すのは楽である。このあたりが多少改善されているように思う。またE-20になかったAFとMF併用とか、夜間用のAFイルミネーター装備は細かい部分であるが、さっそく恩恵に与っており、やはり評価できる部分だ。

 競合製品と比べると大きく重いといった話はなくも無いが、何しろその辺はE-20で鍛えられているので、筆者にとってはデメリットにならない。

 またラインナップに手ぶれ補正レンズが無い(とかボディに手ぶれ補正機構がない)という話も、E-20にも無くて、それでも何とかなっていたわけで、絶対に必要とは感じない。C-2100 UltraZoomでその効果は理解しているから、あれば欲しいとは思うが、それをカメラ選びの基準にするほど重要視はしていないという事だ。

 もっともこのあたりは当然人によって変わってくるところ。筆者は気にならないが、気になる人は多分多いと思う。

●気になるところがないわけではない

 では、(筆者にとって)素直にE-1最高と言い切れるかというと、それはそれで色々と気になる部分もあるので、ちょっとまとめておきたいと思う。

(A) まるで当てにならないバッテリ残量表示

 BLL-1はフル充電状態で約1,000コマの撮影が可能という話になっている。で、実際に使ってみると、700コマほど撮影したところで残量不足気味サインが出たのはまぁ順当だと思う。しかし、そこから更に750コマ撮影してもまだ変わらないのは、ちょっと問題があると思う。最終的には1,600コマ以上撮影したところで飽きてしまってヤメにしたのだが、もう少しバッテリ表示の精度が上がって欲しい(この点はE-20の方がまだ精度が良かった)と思う。

(B) 簡単に切り替わってしまうフォーカスモード

 E-1は簡単にモード切替が変わらないよう、モードダイヤルにはダイアルロックがついているほど誤動作に気を配っている筈なのだが、ボディ左下のフォーカスモードレバーは案外ちょっと引っ掛けた(それも自分の服とかにだ)だけで切り替わってしまうのがちょっと頂けない。

 E-1の場合、MF(マニュアル)・S-AF(シングルオート)・C-AFコンティニュアスオートの3モードがあるが、通常はSFにして、更にMF併用というのが筆者の使い方である。この場合まずAFでフォーカスを大まかに併せてからシャッター半押しのままフォーカスリングを操作するという動作になる。

 ところが、気づかない間にC-AFになっていると、延々とオートフォーカスが動きつづけ、さっぱりフォーカスが合わないことになってしまう。モードレバーにロックがつくか、もしくはC-AFとS-AFの位置が逆なら問題は解決するのだが。

(C) 案外合わないオートフォーカス

 さてそのオートフォーカス、動作自体は割と機敏で気に入っているのだが、合うときはさっさと合うのに合わないときはとことん合わない。しかも合わない場合、行き戻りを繰り返すことになるため、「合わない」事が確定するまで案外に待たされる。これも主観だが、このあたりはE-20よりちょっと悪化した気がする。

 加えていえば、これは筆者の所有するボディの個体差かもしれないが、微妙に前ピンな事が多い。まぁこれはMF併用で解決できるレベルの話ではあるのだが。

(D) メモリスロットが×1に

 E-20はコンパクトフラッシュとスマートメディアの両対応だったから、例えば撮影中にちょっとコンパクトフラッシュを抜いてノートに落とし(その間はスマートメディアに記録)、終わったら再びコンパクトフラッシュに記録なんて技が使えたのだが、残念ながらE-1ではコンパクトフラッシュのみで、しかも1スロットになってしまったのは残念だ。

(E) フラッシュ禁止が出来ない

 E-20+FL-40では、フラッシュを装着した状態でフラッシュを使いたくない場合、単にFL-40の電源スイッチをオフにするだけでよかった。というか、FL-40では機械的なトグルスイッチだったので、慣れると見なくても迅速にOn/Offが可能だった。「どんなシチュエーションだ?」と聞かれてしまいそうだが、実は筆者、これが必要なシーンが案外多い。

 先の(2)と(3)、つまり講演者とプレゼンテーション撮影が交互に発生するパターンである。講演者はフラッシュを使って撮影するが、プレゼンテーションにフラッシュを当てても白いスクリーンが写るだけだから、当然フラッシュは切らねばならない。

 特に講演者がプレゼンテーションを切り替えながら、ついでにポケットから何か出して見せてくれようものなら、忙しさはピークに達する。こうなるとカメラを分けた方が早い(プレゼンテーション専用カメラを別に用意する)のだが、いまいち手ごろなカメラが無いこともあって今はE-20なりE-1で両方を賄う状態である。

 このケースでE-1が問題になるのは、FL-50が押しボタン式電源スイッチで、しかも瞬時にOn/Offできないことだ。であればFL-50は電源Onのまま、せめてE-1の方でフラッシュ禁止が設定できればマシなのだが、残念ながらそういうモードはないようだ。

 といったあたりが2カ月使い倒して感じた部分だろうか? ただ致命的な問題は1つも無いわけで、基本的にはE-1になって改善された部分の方が圧倒的に多いから、概して満足度は高い。

●今後は?

 何しろ45万もつぎ込んでしまったからには、絶対に元を取ろうという気になるし、これまでと違ってレンズ選びという新たな楽しみも増えてしまったので、このまま筆者はオリンパス道を突っ走るような気がする。

 最初に欲しいのは、もうちょいと長めのズームレンズということになるが、E-300と同時に発売されたZUIKO DIGITAL 40-150mm F3.5-4.5はいまいち食指が湧かない。どうせなら少し暗めながら、SIGMAの55-200mm F4-5.6 DCは値段も安く、トライして見ようかという気にさせる製品である。

 ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5は(E-1のローンを払い終わるまで)さすがに手が出ないからだ。しかしながらもっと痺れるのはZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0。35mm換算で14mm-28mmのズームなんて、凄く楽しそうな気がする。とりあえず来春に備えてお金を貯めておくのが賢明かもしれない。

□オリンパスのホームページ
http://www.olympus.co.jp/jp/
□製品情報
http://www.olympus-esystem.jp/products/index.html
□関連記事
【2003年12月8日】【那和】オリンパス E-1−様々な課題に真正面から取り組んだ力作−
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1208/dcr006.htm

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(2004年11月1日)

[Reported by 大原雄介]


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