多和田新也のニューアイテム診断室

Shader Model 3.0対応のバリュー向けGPU「GeForce 6200」




 Shader Model 3.0に対応するNVIDIAのGeForce 6シリーズに、バリュー/メインストリーム向けとなる「GeForce 6200」が加わった。これでNVIDIAとしてはハイエンドからバリューまでにShader Model 3.0対応ビデオカードをラインナップした格好になる。評価カードを入手したので、その特徴とパフォーマンスを見ていきたい。

●GeForce 6600からいくつかの機能を省略

【写真1】GeForce 6200のリファレンスボード。電源供給コネクタは実装されていないので、PCI Expressインターフェイスからの電力でまかなえる様子

 GeForce 6200は、GeForce 6シリーズの最廉価モデルの位置付けで、同社Webサイトでは「Mainstream」向けとされてはいるが、バリューとメインストリームの両方をカバーする製品といっていいだろう。

 大きな特徴はピクセルパイプラインが4本に削減されている点。すぐ上のモデルとなるGeForce 6600では8本だったので、ちょうど半分になっているのだ。このほかの主なところでは、コアクロック300MHz、メモリインターフェイスのバス幅は128bit。さらに、メモリクロックはカードベンダーに委ねられている点、SLIに非対応である点など、ピクセルパイプライン以外はGeForce 6600と同じスペックとなっている。

 ただし、機能面ではこのほかにも制限されているものがある。例えば64bit浮動小数点テクスチャフィルタリング&ブレンディングや、Intellisample 3.0に含まれるZバッファやカラー/テクスチャの圧縮技術が省略されている。また、GeForce 6600と同じくビデオのエンコード/デコード支援を備えているが、デインターレース機能は実装されていない。

 こうした点が特徴となるGeForce 6200。そのリファレンスボードの外観を見てみると、小さなクーラーを1つ装備しただけのシンプルなものとなっている(写真1)。今回借用したのは128MBモデルであり、メモリは表面にのみ実装されている(写真2)。ブラケット部はTV出力、DVI、D-Sub15ピンの標準的な構成となっている。ちなみに、コアクロックは(誤差はあるが)規定どおり300MHz、メモリクロックは550MHzで動作していることを確認した(画面1)。

【写真2】搭載されているメモリは、Hynixの「HY5DU281622ET-36」。実際の動作クロックと同様に、チップのスペックも最大550MHz(DDR)動作となっている 【写真3】ブラケット部。左からTV出力、DVI、D-Sub15ピンとなっており、ファンの高さも低いので、普通に1ブラケットで装着できる 【画面1】Coolbitsを立ててクロックを確認してみると、コア300MHz、メモリ550MHz動作であることが分かる

●フィルタ適用で極端に下がるパフォーマンス

 それではGeForce 6200のパフォーマンスを検証していくことにしたい。なお、3週間ほど前に行なったRADEON X700 Proと、3DMark05の結果を交えている。ただし、実売価格で拮抗しそうなGeForce PCX 5750搭載ビデオカードを追加し、逆に、大きくセグメントが異なるRADEON X800 XTはグラフから外した。詳しいテスト環境は表を参照してほしい。

【表】テスト環境
GPU NVIDIA GeForce 6200(128MB)
NVIDIA GeForce PCX 5750(128MB)
NVIDIA GeForce 6600 GT(128MB) ATI RADEON X700 PRO(256MB)
ATI RADEON X600 XT(128MB)
ビデオドライバ ForceWare 66.81 ForceWare 65.76/66.51(3DMark05) CATALYST 4.9(6.14.10.6483)
CPU Pentium 4 550(3.40GHz)
マザーボード Intel D925XCV(Intel 925X)
メモリ PC4300 DDR2 SDRAM 1GB(512MB×2)
HDD Seagate Barracuda 7200.7(ST3120026AS)
OS Windows XP Professional(ServicePack1a/DirectX 9.0c)


 さて、それでは順にテスト結果を見ていきたい。まずは「3DMark05」である(グラフ1)。ここはGeForce系のビデオメモリ128MBの製品は、1,600×1,200ドット/4xAA/8x異方性フィルタがメモリ不足となり実行できないのは、以前の記事でも触れたとおりで、今回のGeForce 6200についても同様であった。

【グラフ1】3DMark05

 GeForce 6600 GTとの差を見てみると、その40〜50%程度のパフォーマンスであることが分かる。GeForce PCX 5750と比較すると2倍以上のパフォーマンスアップという結果を見せている。ここでは、解像度やフィルタリングの適用による大きな影響は見られていない。つまり、全テストにおいて「GeForce PCX 5750<(2倍強)<GeForce 6200<(2倍強)<GeForce 6600 GT」という分かりやすい結果が出ている。

 続いては「3DMark03」の結果を見てみることにする(グラフ2)。なお、この3DMark03と次のAquaMark3のテストは、X700の記事中で紹介したとおりRADEON 2製品で正しく動作しなかったためグラフから割愛している。

【グラフ2】3DMark03

 結果を見てみると、AAや異方性フィルタを適用しない状態ならば、各製品間の性能差の傾向は3DMark05と大差ない。ただし、AAや異方性フィルタを適用した場合に、GeForce PCX 5750との差がぐんと縮まるの見て取れる。通常こうした現象が出る場合はメモリ帯域幅の差によるものが多いのだが、GeForce 6200が8.8GB/sec、GeForce PCX 5750が8GB/secとなっており、今回の比較でこの話は当てはまらない。

 そこで可能性として挙げられるのが、Intellisample 3.0から圧縮機能を省いたというGeForce 6200の仕様だ。解像度向上ではそれほど差がなく、AA適用以後に急激にスコアが下がる特性から、この点が大きく影響したと想像される。GeForce PCX 5750のIntelliSample HCTにはアーキテクチャの違いはあれども圧縮機能が含まれており、アドバンテージを発揮したのだろう。

 続いては「AquaMark3」の結果である(グラフ3)。こちらは、これまでのテスト結果よりも、一層GeForce 6200とGeForce PCX 5750の差が縮まった結果で、4xAAのみを適用した場合はGeForce PCX 5750のほうが良いスコアが出る傾向にすらある。この結果は3DMark03で見えてきた傾向を、より拡大したものといえるだろう。

【グラフ3】AquaMark3

 次に掲示するのは「DOOM3」の結果だ(グラフ4)。このソフトは、GeForce 6シリーズに最適化していることが知られているが、結果もそうした傾向がよく見えるものになっている。

【グラフ4】DOOM3

 テスト条件の最低負荷となる1,024×768ドット/AAフィルタなしの場合の結果で39.4fpsと、もう一頑張り欲しい印象。一定レベルの描画クオリティを求める向きにはお勧めしずらいが、解像度を下げればプレイすること自体はできるといったところだろう。このソフトに関しては、とても実用的になりそうもないGeForce PCX 5750に大きなアドバンテージをつけているといっていい。

 ここからはDirectX 8.1ベースのベンチマークを見ていくことにする。まずは「3DMark2001 SecondEdition」(グラフ5)であるが、ここまでの傾向と大きな違いは見られない。しかしながら、解像度/フィルタ適用が増すと、完全にGeForce PCX 5750に劣るスコアになってしまった。さらに「FINAL FANTASY Official Benchmark 2」(グラフ6)では、すべてのテスト条件において、今回の比較対象すべてに劣るスコアしか出ていない。こうした結果を見てくると、GeForce 6200のパフォーマンス面はGeForce PCX 5750と一長一短という位置付けができそうだ。

【グラフ5】3DMark2001 SecondEdition 【グラフ6】FINAL FANTASY Official Benchmark 2

 最後に「Unreal Tournament 2003」(グラフ7、8)、「Unreal Tournament 2004」(グラフ9〜13)のスコアを紹介しておこう。ここはAAをかけない場合と、AAをかけたときのスコア差など、ここまでで分かってきたパフォーマンスの傾向が素直に出ている。また、上位モデルとは異なり、1,024×768ドットを超えたところで即スコア低下が始まっており、ここですでにCPUではなくビデオカードがボトルネックになっていることが分かる。

【グラフ7】Unreal Tournament 2003 - Flyby 【グラフ8】Unreal Tournament 2003 - Botmatch
【グラフ9】Unreal Tournament 2004 - Botmatch rankin 【グラフ10】Unreal Tournament 2004 - Botmatch convoy
【グラフ11】Unreal Tournament 2004 - Botmatch torlan 【グラフ12】Unreal Tournament 2004 - Botmatch colossus
【グラフ13】Unreal Tournament 2004 - Botmatch bridgeoffate

●機能面で今後に期待を持ちたいGeForce 6200

 以上のとおり、パフォーマンスを見てきたが、バリュー寄りのメインストリーム製品ということもあって、ちょっとインパクトに欠ける結果ではある。とくにAAを適用した場合に同じ実売価格帯のGeForce PCX 5750よりもかなりスコアが下がる点が気になる人も多いだろう。

 しかしながら、このクラスのビデオカードでAAをかけたときのパフォーマンスに期待するのは酷という見方もでき、その意味ではNVIDIAとしても、そうした発想で圧縮機能をバッサリ切ってきた可能性はありそうだ。逆にAAをかけない場合はGeForce PCX 5750以上の結果を出すテストが多いわけで、“普通に”使う分には多少のアドバンテージを持っているといって差し支えないと思う。

 ただ、製品セグメントを考えると、3Dパフォーマンスのみで製品を決めるのは難しい。GeForce 6200には先にも触れたとおり、新世代のビデオチップでは採用が進む動画エンコード/デコード支援機能が実装されており、これを動作させられる環境が整えば、旧世代の製品にはない大きな魅力となる。

 こうした新機能が安価なセグメントに降りてきたことは素直に喜んでいいと思う。また、まだまだ選択肢が少なめと言わざるを得ないPCI Express x16対応のビデオカードに、多くのユーザーに受け入れられる価格帯で新たな選択肢が加わったことは、大いに歓迎したい。

□関連記事
【10月12日】NVIDIA、4ピクセルパイプのバリュー向けGPU「GeForce 6200」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1012/nvidia.htm
【10月1日】【多和田】Shader Model 2.0完全対応の「3DMark05」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1001/tawada30.htm
【9月30日】【多和田】ATIのメインストリーム向け新GPU「RADEON X700」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0930/tawada29.htm

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(2004年10月22日)

[Text by 多和田新也]


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