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3つの温度管理エリアでファンを低速回転させるiMac G5

9月1日(現地時間) 開催



 9月1日(現地時間)、Apple expo 2004展示ホールの一室で報道関係者向けに約30分間のiMac G5に関するブリーフィングが行なわれた。このブリーフィングから、これまで掲載されていないiMac G5に関する詳細がいくつか明らかになったので紹介しよう。

 まず、内部構造に関しては展示ホール内でも公開されているが、この席で初めてスタンド側の背面構造を見ることができた。液晶パネルのついた本体側と、背面パネルとスタンドで構成される背面側はネジを使って固定されているわけではなく、両端にあるポリカーボネイトの爪でそのふたつが組み合わさって、全体を支えている。

 内部にはユーザレベルでもアクセスが可能で、「メモリの増設」と「AirMac(AirPort) Extreme Cardの取り付け」方法に関してはパネル裏にも簡易インストラクションが書き込まれていて、ユーザーが作業をすることが可能。ただし内蔵Bluetoothアダプターの供給と取り付けはApple StoreにおけるBTOに限られている。

スタンドのある背面側の構造。両脇にある爪で本体側と組み合わされる。写真右上と左上あたりの本体側のダクトがある位置には、放熱口が用意されていて空気の流れを作っている。ここから放出された熱は背面のスリットから放出される iMac G5の内部温度は3つのエリアでそれぞれ独自に管理されている。1つはG5のロゴが見えるヒートシンク部分、そしてSerialATA接続のHDD部分、そして電源ユニット、基板全般、光学式ドライブの3つだ。それぞれにファンが用意されていて、センシングされた温度状況により回転速度が調整される。それぞれのエリアには放熱用のダクトがあって、空気の流れはそこに導かれるようになっている iMacロゴのうえに、デザインっぽくまとめられたスリット。下部から吸い上げられて暖まった空気は、本体内部のダクトをとおりここから放出されている。手をかざしてみると、ほんのり暖かい風の流れがあることがはっきりと分かる

 iMac G5の内部は、3つのエリアで温度管理がなされている。1つはG5のロゴがついたヒートシンクの部分で、ここには外からみることはできない冷却用のファンが一個搭載されている。また電源ユニットおよび基板全般と光学式ドライブが1つの管理エリアに、SerialATA接続のHDDがもう1つの管理エリアとなっている。このふたつには、写真でも見ることができるファンがそれぞれ一個搭載されていて、エリア内の温度をシステムが認識することによって、冷却用ファンの回転数が調整される仕組みだ。

 いずれも、吸気は本体下部のメッシュ構造から行なわれており、G5のヒートシンク上部や写真左上に見える排気用のダクトの役割を果たすと思われる部分に排出される。下から吸い込んで上に排出する仕組み。ここで背面のようすをみてもらえるとわかるが、背面パネル裏側にはこのダクトと重なる位置に排気孔が用意されている。

 内蔵されている3つのファンは、それぞれのエリアごとにシステムが内部温度を認識してファンの回転数を調整する。低速で回転をしているため、ノイズレベルは約25dBを実現したと同社はコメントしている。従来のiMac G4も低速回転のファンを搭載していて約27dBのノイズレベルとされていた。つまりiMac G5は従来機を超える静粛性を達成しているということになる。

 さて、ユーザーが内部にアクセスして行なうことが可能なことがもう1つある。それは、スタンドの交換が可能という点だ。iMac G5のスタンドは、先日発表されたシネマディスプレイシリーズと同様にVESAに準拠しているため、VESA対応のアームなどを取り付けて利用することが可能となっている。これは、来年1月に開催されるMacworldでは、サードパーティ各社からユニークな製品が数多く出展されそうな部分だ。

 スピーカーが下部両端に下向きに設置されていることはすでに紹介しているが、本体正面の右側にはスリープランプが搭載されている。Macユーザーにはお馴染みの白色LEDがゆっくりと明滅するタイプだが、この位置には1つの工夫がある。各種インターフェイスと電源ボタンは背面に集中しているわけだが、スリープランプのほぼ真裏に電源ボタンが位置しているのだ。

 以前よりアップルコンピュータ社としては、未使用時の標準的な状態を“スリープ状態”と位置づけているため頻繁な電源ボタンの操作は想定していない。そのため、電源ボタンは背面に位置しても問題なく、緊急時には背面に手を回してもスリープランプから位置が容易に類推できるような工夫が凝らされているということになる。また、これまで触れてこなかった内蔵マイクの位置だが、これは本体下部中央にあるということだ。

 iMac G5を標準状態で使う場合、キーボードやマウスをUSB接続して、LANケーブルを接続するという使い方になると思う。しかし、BluetoothアダプタとAirMac Extreme Cardを搭載することによって、無線LANの利用とワイヤレスキーボードおよびワイヤレスマウスの利用が可能になり、本体に接続されるケーブルは電源ケーブルが唯一となる。

 当初コンフィグレーションから、こうしたケーブルレスな環境ができないものかと訪ねてみたが、コスト面とBluetoothの設定仕様などから、あくまでオプションの対応になるということだった。とはいえBluetoothアダプタをのぞいては、ユーザーレベルで増設や設定が可能なものばかりなので、究極のケーブルレスを目指すなら検討してみる価値はありそうだ。

各種インターフェースの最下段に用意されている電源ボタン。正面にあるスリープランプの真裏に位置しており、正面側から手探りでも位置を探し当てやすいようになっている VESA規格に準拠しているスタンド。サードパーティ製など、任意のVESA対応のアームなどに交換することができる。来年1月に開催されるMacworldではサードパーティ各社からユニークな製品が出展されそうだ iSightの取り付け位置はここ。本体上部中央にマグネットによる貼り付けるためのパーツが用意されていて、そこにアタッチメントをペタリとくっつけて利用する

 最後にWWDC 2004で発表された新シネマディスプレイシリーズに対応するiSight用アタッチメントの実物を初めて見ることができたので、ここで紹介しておく。本誌でもマグネット式になることは何度か伝えていたが、実物がないため詳細は不明だった。今回、iMac G5に取り付けた状態の写真を撮ることができたので参照してほしい。iMac G5の場合、このマグネット式アタッチメントを取り付けるための磁石が本体上部中央に用意されていて、そこにピタリと貼り付けるようになっている。中央部分以外にオフセットすることはできないので、注意が必要だ。

□Appleのホームページ
http://www.apple.com/
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(2004年9月2日)

[Reported by 矢作晃]


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