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Apple expo 2004基調講演レポート8月31日~9月4日(現地時間) 会場:Palais des Congres(基調講演)
MacworldやWWDCをはじめとするジョブズCEOの講演ではデモンストレーターやあるいはジョブズCEOの引き立て役としてもたびたび登場している同氏だが、メインスピーカーとしての登壇を見るのは久しぶりだ。講演の冒頭に同氏はジョブズCEOの近況に触れ、渡仏してこの舞台に立つことを楽しみにしていたが、残念ながら果たせなかったこと。しかし順調な回復を続けており、9月には職務に復帰する予定であることを明らかにした。 講演者が代わったとはいえ、講演自体は同社お馴染みのスタイル。好調のiPodと欧州でサービスが開始されたiTunes Music Storeの近況紹介を皮切りに、Mac OS X対応アプリケーションの紹介。そして先日のWWDC 2004で発表した次期OS、Mac OS X 10.4“Tiger”のデモンストレーションへと続く。そして、この日の目玉であるiMac G5の発表を最後に用意する、という構成がとられていた。 目玉であるiMac G5については、このApple expo 2004での発表が確実視されていたこともあり、シラー上級副社長が「iMac」に関して話を切り出した瞬間、聴衆からはこの日最大の歓声が巻き起こった。最初に説明されたのはiMacの販売実績。これまで750万台を出荷しており、これは初代iMac以降6年間にわたって2.38分に1台のiMacが出荷されていることになる。 こうしたブランドとしての“iMac”についてシラー上級副社長が強調したのは、iMacの本質とも言うべき『The soul of an iMac』だった。それは、エレガントなオールインワンコンセプト、究極のシンプルさ、iLifeへの完全対応、そしてイノベイティブなデザインと言うことになる。 そしてiPodのクリエイター達が送り出すという前フリから新iMac「iMac G5」が公開された。基調講演ではお馴染みの仕組みで、するするとステージ上に現れたiMac G5は、同社製の液晶パネルモニタに似たとても薄いデザイン。そのiMac G5を手にしてシラー上級副社長は「PC(本体)はどこに行ったんだ?」とお約束ともいえるジョークを飛ばし、聴衆の爆笑を誘った。 iMac G5の持つ機能やギミックな部分はスライドを使って次々と紹介されていった。スロットイン式の光学式ドライブは正面向かって右サイドに位置しているが、このディスクが出入りするようすもスライドで紹介された。また内蔵されるステレオスピーカーは、パネルの下部に下向きに取り付けられており、音声は机に反射する形で使用者へと届く仕組み。また、背面に位置する各種インターフェイスや、内部構造に関してもスライドを使っての紹介が行なわれている。 注目の価格については最下位モデルが1,299ドルに設定され、「この価格は従来のiMac G4に17型モデルが登場した際につけられた価格1,799ドルよりも500ドルも安く設定されている」とコストパフォーマンスの高さを強調した。また、いったん17型モデルの仕様を紹介したあとで「じつはもう1つあるんだ!」と言わんばかりに、20型モデルの存在を明らかにするものもお馴染みの手法。20型では1,680×1,050ドットの解像度を実現している。 パリが会場とあってiMac G5の価格は米ドルとユーロの両方が紹介されている。最初に表示される米ドル価格が、ユーロの価格に切り替わるたびに、聴衆からは大きなどよめきが巻き起こっていた。 ちなみに講演終了後恒例のフォトセッションにもシラー上級副社長が登場。満足げにiMac G5を手にしながら、カメラマンのリクエストに応えていた。
基調講演における最初のテーマとなったのはiPodとiTunes Music Store。iPodが現在ポータブルプレイヤー市場で、58%のマーケットシェアを確保していることを発表した。また、ALTEC LANSING、JBL、そしてBOSEといったスピーカー大手各社のiPodへの対応を紹介した。また、既報の情報になるがBMWとのコラボレーションや、AirPort(AirMac) Expressを使った家庭内における環境の構築など、iPodプラットホームのアドバンテージを、パリの聴衆にあらためて強調してみせた。 また先日欧州地域でのサービスが開始されたiTunes Music Storeに関しては、すでに音楽のダウンロード販売について70%のシェアに達していることをアナウンス。イギリス、フランス、ドイツの各国で始まったサービスの最初の一週間で80万曲のダウンロードが行なわれたことを発表。「この数値は競合他社の16倍にも及ぶ」と、一人勝ちとも言える状況をあらためて強調している。さらに、ヨーロッパ地域では最初の10週間で500万曲のダウンロード販売が行なわれているという。iTunes Music Storeは、これからEU諸国へとサービスが拡大していく予定だ。 WWDC 2004での発表以来、一般来場者向けにはApple Expo 2004が初めてのお披露目となるMac OS X 10.4“Tiger”に関しては、およそ2時間弱の講演のなかでもっとも時間が割かれている。紹介されたTigerの機能の多くとデモの内容は、先日弊誌で掲載したWWDC 2004レポートの繰り返しとなるので割愛するが、「Spotlight」、「H.264」、「Safari RSS」、「Dashboard」、「Automator」、そして「iChat」が紹介され、シラー上級副社長をはじめ、同社スタッフの手で次々とデモが披露された。聴衆はどのデモをみても好評な反応を示し、いずれも歓声や好評で受け入れらていたように見える。 ちなみに今秋には、ヨーロッパ地域初めてのApple直営店がロンドンにオープンするとされているが、先日オープンしたばかりの大阪 心斎橋店も含めて、一切直営店の展開や状況について今回の講演にはおいては触れられていなかったことを付け加えておく。
□Appleのホームページ (2004年9月2日) [Reported by 矢作晃]
【PC Watchホームページ】
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