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アルプス、プライベートショー「ALPS SHOW 2004」開催
~携帯電話用地上デジタルチューナなどが展示

会期:5月26日~28日
会場:新高輪プリンスホテル



 アルプス電気株式会社は、プライベートショー「ALPS SHOW 2004」を開催した。会期は5月26日~28日、会場は新高輪プリンスホテル。入場には招待券が必要となる。

 ALPS SHOWは同社が2年に一度開催する製品展示会で、センサー、通信機器、入力機器など多種多様な技術や製品が展示される。新製品だけでなく、技術的/コンセプト的な参考展示も多い。

 今回は、Communication、Human Machine Interface、Machine to Machine Interface、地上デジタル放送用チューナ、GMRヘッド、インテリジェント・ボディ・エレクトロニクスの7分野で展示・デモが行なわれている。

入り口を入った通路脇には、展示されている主な機器がずらりと並べられている

●光線を使った通信機器や携帯電話用地上デジタルチューナ

 通信関連で、展示システムの大きさと外観から一際目立っていたのが高速光メッシュ通信用モジュール。これはファイバーなどを介さず、光送受信モジュールから直接光線を発射して通信するシステム。光ファイバーなどの埋設が困難な国や地域での使用を想定している。

 光線の到達距離は最高1km程度だが、天候に左右されるため、悪天候を含めた保証到達距離は250m程度という。通信は、各家庭の屋根や屋上などに光送受信モジュールを設置し、それぞれを中継してISPのネットワークに到達するしくみ。

 1端末ごとに送受信モジュールは2台接続され、それぞれが別のモジュールと通信を行なうことで、鳥などに片方の光線が遮蔽されても切断されないよう冗長設計されている。また、このようなメッシュ状のネットワークとすることで帯域幅も向上させているという。

高速光メッシュ通信用モジュールのデモシステム。3台の端末が、それぞれ残りの2台に対し映像を転送している 光送受信モジュール。デモ用に敢えて赤い光を点けているが、実際に発射されるのは不可視光。人体に影響はないという 各コンポーネント。左からルーターモジュール、光送受信モジュール、速度制御汎用USB 2インターフェイス

 同社は前回のショーでも電灯線通信システムを展示していたが、今回展示された機器は小型化され、製品に近いイメージとなっていた。ただし、電波法規制の問題がまだクリアされておらず、具体的な製品化の時期は未定。

 転送速度は配電室に設置されるベースステーションから先が理論値で2.5Mbps、実効速度は2Mbps程度。ただしベースステーションから内側のネットワークは、その2.5Mbpsを共有する形となる。電灯線というインフラを使うため、既設の集合住宅でも採用しやすいが、速度面ではDSLなどに及ばない。

電灯線通信用モデム。写真の通り、コンセントを通じ通信を行なう 2年前のショーで展示されたモデム

 通信機器ではないが、携帯機器用の地上デジタルチューナも展示されていた。切手より一回り大きい程度のカード型モジュールとなっており、PDAなどのほか携帯電話での使用も見据えているという。搭載機器は2006年初頭頃登場の予定。

携帯機器用地上デジタルチューナ(左)とアンテナ(右)。携帯電話に実装する際は、アンテナはもう少し短くする予定という
こちらは一般的な据え置き機器用地上デジタルチューナ こちらは車載チューナとアンテナ

●ノートPC内蔵型プリンタ

 印刷関連では、ノートPC内蔵型プリンタが展示されていた。市場/ユーザーの反応を見るために手作りした試作品で、内蔵型光学ドライブのサイズに印刷機構を収めた。状況に応じて光学ドライブとプリンタを使い分ける形となる。

 スペース的な都合から、印刷可能な用紙サイズは名刺大程度。また、インクリボンやインクカートリッジを収納できないことから、熱転写のモノクロのみの印刷となる。用途は限定されるが、おもしろい試みといえる。

ノートPC内蔵型プリンタ。市場調査目的の手作り品 モジュールを外したところ。右側の四角く切れ込みが入った部分が熱転写のヘッド。用紙はあらかじめセットする必要がある
印刷技術をセキュリティに応用した例。紫外線発光インクで印刷することで、ブラックライトにかざしたときだけ模様が浮かび上がる。身分証などの偽造防止用途

●EPG専用コントローラ

 インターフェイス関連では、トラックボールを採用したEPG専用コントローラが展示されていた。トラックボールを上下左右に回転させると、一覧表の中から番組が選択され、トラックボールを押し込むと、確定される。

 くわえてトラックボール自体が、上下左右にスライド可能となっており、左右にスライドさせると前日/翌日を、上下にスライドさせると週間表示/日表示を切り替えられる。これにより、手元を見ることなく、画面を見たままの操作が可能になる。

 使われている技術自体は新しくないが、ここまで用途を専用化させたインターフェイスは珍しい。展示機器は多少厚みをもって作られているが、一般的リモコンにも搭載可能という。

EPG専用コントローラ。赤いところが選択している番組で、トラックボールを回転させると移動する 3次元入力装置のデモ。上下左右に加え、奥行きに対しても操作できる

●携帯電話のバックライト/フラッシュに両用できるホログラム素子など

 そのほか、HDD関連、コネクタ関連、カメラ関連の製品を写真を中心に紹介する。

高密度な記録が可能な、垂直記録HDDヘッド HDDヘッドと容量のロードマップ。2006年には3.5インチHDDでプラッタあたり200GBを実現するという 電圧の変化により光の屈折角度を変化させられるホログラム素子。携帯電話で普段は液晶のバックライトとして使用しておき、それをワンタッチで背面のカメラ用のフラッシュに利用したりといった用途が見込まれる
PCカードの後継となるExpress Cardのスロット。一番右はPCカードとExpress Cardのコンボスロット サイズは幅34mmと54mmの2種類が規定されている モーターを使ったロック機構を備えるメモリカードスロット。データ転送中にユーザーが誤ってカードを抜いてしまうことを防ぐ
3次元配線形成によるサンプル品。立体的なプラスチックに直接配線することで、基板が不要となり、設計の柔軟性も増す 6×6×4.5mmという超小型VGAカメラモジュール はんだレスでコネクタを実装する技術。コネクタは抜き差しにより故障しやすいが、この技術では実装後もコネクタが簡単に取り外せるので、修理の利便性が向上するという

□アルプス電気のホームページ
http://www.alps.co.jp/
□ALPS SHOW 2004のホームページ
http://www3.alps.co.jp/alpsshow/
□関連記事
【2002年5月16日】アルプス、プライベートショー「ALPS SHOW 2002」開催
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0516/alps.htm
【2000年3月22日】アルプス、プライベートショー「ALPS SHOW 2000」を開催
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000322/alps.htm

(2004年5月26日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]


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