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写真で見る「エプソン R-D1」11日に発表された世界初のレンジファインダーデジタルカメラ「エプソン R-D1」。その実機を撮影する機会を得た。発売は2004年夏とされており、製品として発売されるまでには細部に改善が加えられると思われるが、R-D1のこれまでにないコンセプトはこの実機でよくわかるはずだ。 R-D1は“デジカメらしさ”を隠蔽し、“メカニカルなマニュアルカメラらしく”することに最大限の努力が払われている。 その象徴が、ヒンジ機構で折りたたむことができる液晶ディスプレイ。一見、レンズ一体型上級機によくある“フリーアングルディスプレイ”のように見えるが、90度までしか開かないので、ヒンジ機構はあくまでディスプレイを裏返して隠すためにあることがわかる。 ディスプレイを隠したR-D1は、電子機器とは縁の無かった頃の銀塩カメラのように見えるから、“アナログカメラのようなデジタルカメラ”という目論見は大いに成功している。この機構は、ディスプレイを汚れや破損から守る役割も果たしている。 なお製品では、ディスプレイの裏に丸い焦点距離換算表が貼られているはずだが、撮影した機材にはなかった。
このほか、表に出る端子を減らすために、USBやTVインターフェイスも搭載しない。SDカードスロットはカバーで覆われているが、カバーを開くツマミも目立たないようになっているという徹底ぶりだ。初めて手にしたときには、どこを持ってSDカードスロットやディスプレイを開けばいいのか迷うが、慣れれば問題ない。なお、SDカードが選択されたのは、本体を薄くするためだという。 スロットカバーの上に動作状態を示すLEDが付いてるが、これも点灯していなければ目立たない。細かいところでは、機種名などが刻印風の書体で統一されているのも、クラシカルな雰囲気作りに一役買っている。 「何のために付いているのか」と、PMA2004の会場でも話題になったフィルム巻き上げレバー。非常時にこのレバーを動かして発電する、などという説まで飛び出したが、シャッターをチャージするためだった。 このレバーでアナログカメラらしさが一層引き立つ。それだけでなく、チャージ用モーターを省いて本体薄くすることができた。さらに、シャッターを切るごとにチャージ操作をすることで、撮影にリズムが生まれる、としている。 アナログメーターもR-D1の見所の1つ。外周がSDメモリーカードの空き枚数、左がホワイトバランス、右が画質、下がバッテリ残量。電源を入れると針が一斉に動く様子は、メカ好きなら感動せずにはいられないだろう。高級クロノグラフのムーブメントを基にしたというだけあって、動き方も滑らかで高級感に溢れる。
ファインダーの左上、昔のLeicaのフィルム巻き戻しノブのようなものは、ジョグシャトルだ。すべての設定をジョグシャトルで行なう。クリック感があり、心地よく操作できる。 シャッターチャージレバーの下にあるレバーはホワイトバランスと画質設定に使う。「WB」に合わせてジョグダイヤルをまわしてホワイトバランス設定、「Q」に合わせてジョグダイヤルをまわせば画質設定となる。その左の丸いボタンはAEロック。絞り優先AEが可能だ。画質設定を「フィルム設定」と表記しているのにも注目。 R-D1のベースとなったのはコシナのVoigtlander BESSA R2。R-D1同様にVMマウントを搭載する銀塩レンジファインダーカメラだ。 残念ながら手元にBESSA R2がなかったので、R2の先輩であるBESSA Rと並べてみた。RはLマウントを搭載し、R2よりも2.5mm低いが、そのほかのサイズは同様だ。ちなみにBESSA Rは135.5×33.5×78.5mm(幅×奥行き×高さ)で395g、R-D1は139×39×87mm(幅×奥行き×高さ)で約590gだ。
□エプソンのホームページ (2004年3月11日) [Reported by tanak-sh@impress.co.jp]
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