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Intel CTOパット・ゲルシンガー氏が来日会見
3月4日 実施 米Intelの上席副社長兼CTO(Chief Technology Officer:最高技術責任者)のパット・ゲルシンガー氏が4日来日し、記者会見を行なった。新たな発表こそなかったものの、1時間以上が質疑応答に費やされ、ゲルシンガー氏は多くの質問に答えた。 まずゲルシンガー氏は、同社の研究開発の現状について解説。この中で同氏は、同社のシリコン技術について触れ、これからも、トライゲートやHigh-kなど新技術の開発・導入により、90→65→45→32nmと、2年ごとにプロセスルールを発展させ、今後も「ムーアの法則」を維持していくことを約束した。 また、ゲルシンガー氏は、シリコン技術を他の分野に応用するムーアの法則の“拡張”への取り組みについても語った。先頃発表された「シリコン・フォトニクス」もその一例だが、同社はナノクラスの微細技術を用いた、タンパク質や遺伝子の解析などについても研究を進めているという。
質疑応答では、無線化、デジタルホーム、プロセス技術、露光技術、ナノ技術、基礎研究、特許関連など、多岐にわたる質問が投げかけられた。 近年、プロセスの微細化による周波数の向上のペースが以前ほどではないのはなぜか、との質問に対しゲルシンガー氏は、電圧が下限に達しつつあるためとした。これまで、プロセスの微細化に比例して、プロセッサのコア電圧は下がってきた。しかし、コア電圧は1Vあたりが限界であるため、今後その下降ペースは非常に緩やかなものになるという。 電圧を下げずに、周波数を2倍にさせると、その消費電力は倍になる。そのため、周波数の向上による性能の向上は、消費電力もすでに限界レベルに達しつつあることから現実的な回答ではない。 そこで現在同社が取り組んでいるのが、マルチスレッド化、およびマルチコア化だという。マルチスレッド化は、XeonやPentium 4ですでに実現されており、同じ周波数でもより高い性能を発揮できる。 チップの集積度は今後も向上可能なため、マルチスレッド化に続いて、1つのチップに複数のコアを実装することで、さらなる性能向上を目指すとした。 CPUアーキテクチャの将来について、今後128bit化はあり得るのかとの質問に対しては、64bitが扱えるアドレス範囲は、全宇宙の分子の数よりも多く、128bitのアドレス範囲が必要になる状況はずっと将来になるだろうと答えた。 □Intelのホームページ(英文) (2004年3月4日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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