Macworld Conference&expo / San Francisco 2004

iPod miniとiLife'04のトライアルが目玉のアップルブース


会場:San Francisco The Moscone Center
(モスコーニセンター)

会期:1月6日~9日(現地時間)



●Appleブース

 Apple Computerのブースは、例年どおり南側ホールのほぼ中央に位置する。ブースの構成はいつもと変わらず、中央にプレゼンテーションと製品デモを行なうシアターがあり、周囲の三辺に展示台を配置するパターンだ。

 ちなみに昨年のサンフランシスコまでは、iMacの時から採用されている下からライトアップするタイプの展示台が使われていたが、今年は昨夏のニューヨーク同様に、天板が黒で展示台内の発光は背となる壁に当てて間接照明にするタイプに変更されている。

展示台は昨年のニューヨーク開催と同じ、黒い天板のものに変わった。展示台の中で蛍光灯が発光し、背面の壁への間接照明となっている アップルブースには数点こうしたiPodとiPod mini が並んだアドボードが立っている。ちなみに、iPod miniのロゴは、iPod部分がシルバー、残りのminiがそれぞれゴールド、ピンク、グリーン、ブルーになっており、5色のカラーに合わせてある 写真のiPhotoをはじめ、今回アップデートされたiLife '04を構成するアプリケーションはそれぞれにこうした展示台を使ってデモンストレーションされている

今回の目玉「iPod mini」
 今回、ブース正面の展示エリアに配されているのは「iPod mini」と「iPod」。騒がしい展示ホール内ということもあって、いずれも付属のヘッドホンではなく密閉型のヘッドホンでデモが行なわれている。iPod miniは、展示台に置かれているもののほかに、スタッフが別売のアームバンドとベルトクリップで、腕や腰に付けている。

 iPod miniをひと通り操作してみたが、これまでiPodを使ったことがあるユーザーならばそのまま普通に利用できる。画面に表示されるメニューの構成や、操作ボタンの数と用途などはまったく同じだからだ。

 インターフェース部分で異なるのは、これまで独立していたボタンがホイールの部分に統合されたことである。ホイール部分の上下左右がクリッカブルになっているが、ある程度クリック感のあるタッチになっているので、よっぽど力を入れてホイールを操作しない限り、聴きたい曲のサーチやボリュームの調整などの時に誤ってボタンのクリック操作をしてしまうようなことはなさそうだ。

 筆者はiPodも利用しているが、iPod miniのように操作ボタンがホイールに統合されている方が、使い勝手が良いと感じる。これは予測にすぎないが、今後iPodが更新されるときにも、このタイプのホイールが採用されていくような気がする。操作感はもちろんだが、ボタンのスペースを廃することで、より大型の液晶の搭載が容易になるからだ。

 実際、iPod miniとiPodは、異なるマーケットカテゴリーを対象に販売が行なわれていくことになるので、iPod miniは純粋な音楽プレーヤーに位置づけられ、iPodのほうは高機能、多機能化の方向性が求められることは間違いない。

5色揃ったiPod mini。右下にあるのは、39ドルで販売されるインナーイヤータイプのヘッドホン 日本の名刺より一回り大きく、米国仕様の名刺とほぼ同じ大きさ 外装はアルミニウム素材。従来機同様に背面へのレーザー刻印も19ドルで提供される

底面のインターフェース部分。従来機と同じ仕様。下にあるドックは専用品で39ドル 上面にはボタンロック用のスライダとヘッドホン・リモコン端子を装備 専用のアームバンドも29ドルで販売される

●プレスブリーフィング

2003年のMacworld NewYorkでは基調講演をつとめたハードウェア担当副社長のGreg Joswiak氏
 ハードウェア担当副社長のGreg Joswiak氏は開発の経緯について、iPodのサイズに言及した。例えばジムでのトレーニングや公園でのジョギングなどスポーツシーンでの利用では、やや取り回しが不便だというユーザーからのフィードバックがあったという。

 そして、1インチのHDDが供給されるようになったため、iPod miniの商品化に至ったということだ。HDDが小型化したことによって衝撃への耐久性も向上し、ターゲットのひとつになるスポーツシーンでの利用にはうってつけの製品になったという。

 iPod miniに搭載されているHDDについては、1インチの製品ということだが、パーツの供給元については明言を避けた。また、小型化することによって、ピュアオーディオの音質的な部分に違いはあるのかという質問に対しては、小型化はしているものの回路としては同等のものを使い、音質的な差異はないという回答だった。

 この日のブリーフィングでは「iLife '04」について、アプリケーションマーケティング担当副社長、Bob Schoeben氏からの説明もあった。多くは、基調講演でジョブズCEOが説明、デモした内容と重複するので省略するが、いわゆるiアプリケーションの今後の提供手段について質問したところ回答を得られたので紹介しておこう。

アプリケーションマーケティング担当副社長、Bob Schoeben氏 99ドルで販売される47鍵のUSBキーボードと、ギターを使ったライブレコーディングのデモもあらためて行なわれた

 現在、iTunes、iPhoto、iMovieについては、同社サイトでのフリーダウンロードやMac OS Xのソフトウェアアップデート機能を通じた更新が行なわれている。iDVDについては、アプリケーションや付属する素材などの容量の問題から、Mac本体へのプリインストールのみで、製品名が変わる(例えば、iDVD2からiDVD3へ)大規模なバージョンアップはiLifeパッケージの購入という形が取られてきた。今回、iLife'04を提供するにあたって、基本的にはこのiDVDのアップデートと同じ形がとられることになるらしい。

 既存のMacを所有し、プリインストールされていた従来バージョンのiLifeを使っているユーザーが「iLife '04」に更新するためには、パッケージの購入が必要になるということである。

 ただし、iTunesに関しては、今後も同社サイトからのフリーダウンロードが継続されるという。これは、Windows版が提供されていることと、iTunes Music Storeの利用を考慮したものと思われる。

ブース中央のシアターでプレゼンテーションの始まりを待つ人々。合間にはiPodの新しいCMや、基調講演でも上演さえたリニューアル版の「1984」などが見られる PowerPC G5を搭載する「Xserve G5」。ラックには、Xserve G5のクラスタノードモデルも収納されている 前面に開いた吸気口より空気を吸い込んで、G5とロゴの入ったヒートシンク下にあるPowerPC G5を冷却する構造になっている

今年もポスターを配布中。今回は筒付きで、基調講演で紹介された「1984」の2004年バージョンのポスターが入っている Apple Computerブース正面に向かうホール入り口には、5色のiPod miniの横断幕がその姿をあらわした 前日まで隠されていた懸垂幕。中身はiPodとiPod miniが並んで写っているものだった

□Macworld Conference&Expoのページ(英文)
http://www.macworldexpo.com/
□米Apple Computerのページ(英文)
http://www.apple.com/
□関連記事
【1月8日】Macworld Conference&Expo基調講演レポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0108/mw03.htm
【1月7日】Macworld Conference&Expo開幕速報
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0107/mw02.htm

(2004年1月9日)

[Reported by 矢作晃]


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