[an error occurred while processing the directive]

NVIDIA、GeForce FX 5950 Ultra/5700 Ultraを国内でも発表
~各社のビデオカードや注目のゲームをデモ

プロダクトマネージャのスティーブン・シムズ氏

10月24日 発表



 NVIDIAは24日、新GPU「GeForce FX 5950 Ultra」および「GeForce FX 5700 Ultra」の国内発表会を開催。プロダクトマネージャのスティーブン・シムズ氏が両製品の説明やデモンストレーションを行なった。

●5950は発熱が低下、5700は新規アーキテクチャを採用

 GeForce FX 5950 Ultraは、同5900 Ultraからのマイナーバージョンアップ版で、コアクロックが450MHzから475MHzに、メモリクロックが850MHzから950MHz(DDR動作)に向上した以外、内部仕様に大きな変更はない。メモリインターフェイス幅は256bit。

GeForce FX 5950 UltraのパフォーマンスはRADEON 9800 XTより平均25%高いという

 プロセスルールは0.13μmで、TSMCのFabで製造される。シムズ氏によると、5950は5900よりプロセスの改良が図られており、発熱が抑えられたほか、オーバークロックが容易になっているという。

 なお、5950のリファレンスカードは同社のハイエンドGPUの伝統とも言える2スロット構成の巨大な冷却機構を搭載するが、発表会場に展示された各ベンダーの製品では1スロット構成のものが多くある。

 パフォーマンスについては、多くは語られず、各種ゲームにおける性能比較のグラフがスライド1枚で示されただけであったが、これによればGeForce FX 5950 UltraはRADEON 9800 XTより平均して25%程度高速だという。

 搭載ビデオカードの米国での実売価格は499ドル程度。

GeForce FX 5950 Ultraのリファレンスカード すでに見慣れた感すらある2スロット式ブラケットと巨大な冷却機構 背面にはヒートシンク

 一方、同時に発表されたGeForce FX 5700 Ultraは、位置づけこそGeForce FX 5600の後継となるメインストリーム向けとなっているが、新規に開発されたGPU。

 プロセスルールは5950と同じ0.13μmだが、同社が初めてIBMのFabで製造する製品となる。「CineFX 2.0」、「UltraShadow」、「Intellisample HCT」といったGeForce FX 5900から採用された新機能が搭載されており、ハイエンド向け機能をミドルエンドにまで拡大した形。また、バーテックス処理能力が5600の3倍にまで向上した。

 コアクロックは475MHz、メモリクロックは900MHz。メモリインターフェイス幅は128bit。パフォーマンスは、RADEON 9600 XTと比較して平均60%程度高速だという。

 搭載ビデオカードの米国での実売価格は199ドル程度。

 なお、今後GeForce FX 5900/5600シリーズはフェードアウトし、それぞれ同5950/5700が取って代わる。

GeForce FX 5700 Ultraのリファレンスカード 背面 RADEON 9600 XTとの性能比較では平均60%高速だという

●ドライバがリニューアルされ、機能追加も

ForceWareにはドライバ以外に、デスクトップ管理/システム管理ツールなどが含まれる

 GPUと同時に発表された新バージョンのドライバ(バージョン52.16)は、名称も従来の「Detonator」から「ForceWare」に変更。画質や性能の改善が図られたほか、新たなデスクトップ管理ツールが盛り込まれた。

 1つ目の機能は「NVGrid」と呼ばれるもので、デスクトップ画面全体を好きな比率で4分割し、それぞれの位置にウインドウをはめ込めるというもの。複数のアプリケーションを同時に起動し、それぞれを参照しながら作業する時などに役に立つ。

 そのほか、プレゼンテーションなどで画面をプロジェクターに投影する際に画面が台形にゆがむのを補正するための「NVKeyStone」と呼ばれる機能などがデモされた。

NVGridをONにすると、画面を自由に4分割できる。そして、任意のウインドウを任意の区画にフィットするように配置できる。配置は各ウインドウのタイトルバーに表示されるボタンをクリックするだけ
NVKeyStoneをONにすると画面の端などをドラッグして自由に動かせるようになる。プロジェクター向けの用途だが、リアルタイムでグリグリ動かせるので意外と遊べる このほか、ウインドウ内に拡大画像を表示するモードなどもある

●ソフト・ハードメーカー各社がデモ

 この発表会でNVIDIAは、ソフト・ハードウェアの各パートナーとの連携ぶりを強くアピール。会場では、エヌ・シー・ジャパンの北川徹氏が「Lineage II」を、カプコンの久永智之氏が「カオスレギオン」のデモを行なったほか、「STALKER」、「FAR CRY」がデモされた。

 いずれのゲームもNVIDIAが開発やマーケティングに協力。同社製ビデオカードでの安定した動作が保証されているという。これらのゲームのほか、NVIDIAの認証ロゴの付いたゲーム約130タイトルが年末までにリリースされる予定。

NVIDIAが協力して独自の水用ピクセルシェーダまで開発した「FAR CRY」 エヌ・シー・ジャパンの北川徹氏。GeForceシリーズの進化により、ゲームデザイナーが希望する世界が描けるようになったとコメント 「Lineage II」のキャラクタメイキングシーン
カプコンの久永智之氏。 カオスレギオンPC版では、高解像度表示やセルフシャドーなどPS2版にない機能が追加された NVIDIAの認証ロゴつきゲームでは安定動作が望める

 また、Albatron、AOpen、ASUSTeK、GIGABYTE、MSI、ELSA、GAINWARD、Leadtekなどがハードウェアの展示を行なった。各社の説明員の話を総合すると、製品が市場に出回るのは今後1~2週間程度。実売価格はGeForce FX 5950 Ultraが6~7万円前後、GeForce FX 5700 Ultraが3万円前後になる見込み。ただし、5950搭載カードの供給量はしばらくは限定的になりそうだという。

GAINWARDの水冷式GeForce FX 5950 Ultraカード GIGABYTEの1スロット空冷式GeForce FX 5950 Ultraカード MSIは、同社キューブPC「MEGA」に同社のGeForce FX 5950 Ultraカードを入れてデモ。しかし、このカードをケースに入れるにはかなりの困難が伴うそうだ
GeForce FX 5700 Ultraのチップ GeForce FX 5950 Ultraのチップ GeForce FX 5900 Ultra(上)と5950 Ultra(下)との比較

□NVIDIAのホームページ(英文)
http://www.nvidia.com/
□関連記事
【10月24日】NVIDIA、GeForce FX 5950 Ultra/5700 Ultraを発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1024/nvidia.htm
【10月24日】【海外】NVIDIAの今後を占う新GPU NV36とNV38が登場
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1024/kaigai037.htm
【10月24日】【多和田】NVIDIA「GeForce FX 5950 Ultra」速攻ベンチマーク
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1024/tawada02.htm
【3月27日】IBM、今夏よりNVIDIAの次世代GPUを製造
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0327/ibmnv.htm

(2003年10月24日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]


【PC Watchホームページ】


PC Watch編集部 pc-watch-info@impress.co.jp
個別にご回答することはいたしかねます。

Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved.