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ソニー、CellとPSPへの投資で大幅減益
10月23日発表 ソニーは23日、2003年第2四半期(7~9月)の決算を発表した。これによると、売上高は1兆7,970億円で前年同期比0.4%増、営業利益は332億円で前年同期比34.3%減の、増収減益となった。 なお、第2四半期に計上された構造改革費用は97億円(前年同期は270億円)で、エレクトロニクス分野が54億円、音楽分野が41億円の内訳となっている。
●バイオとデジカメが好調、クリエ不調 セグメント別では、エレクトロニクスが売上高1兆2,106億円(前年同期比1.4%減)、営業利益358億円(前年同期比36.2%増)の減収増益。携帯電話、DVDドライブ、フラットパネルTV、デジタルカメラ、バイオなどが増収に貢献し、ブラウン管TV、携帯型オーディオ機器の減収、PlayStation 2(PS2)を中国での外注生産としたことによるセグメント間取引の大幅減少をカバーした。エレクトロニクスの連結棚卸資産も5,563億円と、前年同期比400億円減となっている。 エレクトロニクスにおける製品別の状況は、バイオが北米、欧州を中心に販売が好調で増収。クリエは市場の低迷と競争激化により、北米で減益となっている。半導体はCCDとデジカメ関連LSIが大幅に伸張して増収。コンポーネントはDVD-RWドライブ、リチウムイオンバッテリが好調で増収。ビデオプレーヤー、カムコーダーは数量増となったものの、単価下落により減収。デジタルスチルカメラが伸張してビデオ機器の減収をカバーしている。
●ゲーム減収減益の原因はR&Dと設備投資 ゲームは売上高1,613億円で前年同期比35.6%減、営業利益22億円で前年同期比91.2%減と、大幅な減収減益。 ハードウェアはPS2が日米で販売台数減、欧州では台数増となったものの、価格引下げによって減益となった。ソフトウェアはPS2用が伸びたものの、PlayStation用が減少し、全体で販売減。90%を超える大幅な営業利益減の要因は、自社製作ソフトウェアの売上減少のほか、CellやPSPの研究開発と、設備投資が増加したこととしている。 棚卸資産は1,936億円で、前年同期比で264億円増、15.8%増。前期末比では33.6%増、487億円増。これらは年末商戦向けの在庫積み増しとしている。
このほか、音楽は市場低迷とヒット作がなかったことにより、減収減益。市場低迷の一因に違法コピーをあげている。映画は、劇場作品に前期の「MIB2」や「スパイダーマン」のようなヒット作が無く減収となったが、DVDソフトとTV番組「キング・オブ・クイーンズ」の売上に支えられて増収減益。金融はソニー生命の好調、ソニー損保やソニー銀行の堅調に支えられて増収増益。 持分法適用会社のソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズはカメラ付き携帯電話の好調などにより、売上高13億500万ユーロ、純利益6,200万ユーロで増収増益となった。ソニーには40億円の利益となり、前年同期比100億円の改善となった。
●通期見通しは下方修正、6つの重点商品プロジェクトを設定 2003年通期見通しは売上高7兆4千億円(前年比1%減)、営業利益1千億円(前年比46%減)。7月の見通しからは売上高は変わらないものの、営業利益は300億円減となった。この要因は、前提為替レートの変更、ゲームにおける研究開発費の増加、PS2のコストダウンが計画より下回ること、設備投資額が前年比34%増の3,500億円にのぼることなどとされている。 なお、エレクトロニクス分野ではバイオ、フラットパネルTV、カムコーダー、DVDレコーダーとコクーン、PSX、サイバーショットを重点商品に設定。売上高における6商品の比率を前年の37%から43%へと引き上げ、収益改善を図る。バイオは採算性の高いモデルに集中、フラットパネルTVは国内30%のシェアを目指すとした。 なお、2003年末の発売が予定されているPSXは、エレクトロニクス分野とされ、ゲーム分野のハードウェア業績には貢献しないことが明らかにされた。
□ソニーのホームページ (2003年10月23日) [Reported by tanak-sh@impress.co.jp]
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