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WPC EXPO 2003会場レポート
小粒でも注目の携帯端末たち会期:9月17日~20日 会場:日本コンベンションセンター(幕張メッセ) 入場料:2,000円 ソニーのPalm機、シャープのLinuxザウルス、HPや東芝のWindows Mobile(Pocket PC)の3大プラットフォームが定着した日本のPDA市場。WPC EXPO 2003にはこうした構図をひっくり返すような展示はないものの、注目に値する小型携帯端末がいくつか出品されている。 ●ソニーの横綱相撲、「デジタル手帳クリエ」 国内と北米のPDA市場で大きなシェアを築きあげたソニーのPalm機「クリエ」は、「デジタル手帳」をコンセプトとした新機種を参考出品。音楽や動画などのマルチメディア機能を搭載せず、PIM、電子メール、電子辞書、静止画の表示に機能を絞って、紙の手帳の代替を狙った機種だ。 現行ラインナップ中で唯一Palm OS 4.1を搭載する低価格機「PEG-SJ33」の後継になると思われるが、OSは5に進化。詳細なバージョンは明かされなかったが、Graffiti 2やデクマ 手書き入力を搭載しているところから、5.2以降と推定される。 Palm OS 5搭載機となると、CPUはARMアーキテクチャのプロセッサということになる。UX50に引き続きソニーグループ製のプロセッサが採用されるのかどうかが気になるところだが、こちらも「未決定」ということで詳細は明かされていない。 インターフェイスはメモリースティックスロット(PRO対応)×1とIrDA、USB。搭載される電子メールソフトは、PCまたは携帯電話経由で利用することになる。 価格はSJ33と同程度とのこと。要は安価なエントリーモデルなのだが、ジョグローラーによる軽快な操作感と、6色が用意された外装の質感は、まったく安っぽさを感じさせない。ソニーの横綱相撲を見せつけられるような、魅力的な機種だ。 【お詫びと訂正】記事初出時、「インターフェイスにBluetoothを搭載」と記述しましたが、搭載されていませんでした。ご迷惑をおかけした皆様にお詫びするとともに、訂正させていただきます。
●Windows Mobile陣営の新顔、ビクターの「iO」 国内ではHP、東芝がキープレーヤーとなっているWindows Mobile(Pocket PC)陣営だが、ここにビクターが参入する。参考出品された同社初のWindows Mobile機「iO」は、学習リモコンやAVプレーヤーなど、AV機能の充実を特徴とする。 CPUにIntel PXA255 400MHz、ディスプレイに240×320ドットの3.5型TFT液晶、インターフェイスにSDカードスロット/CFカードスロット/IrDA/IEEE 802.11b、と、公開されているスペックを見る限りではごく普通のWindows Mobile機。AV機器とのコンビネーションや、各種AV機能はソフトウェアで実現する方向のようだ。価格や発売時期は未定としている。
●アジアの雄、MiTACも10月に日本へ 台湾のMiTAC(マイタック)も、日本のPDA市場に参入する。台湾の展示会では大きなスペースに多種多様なPDAを展示する、大手PDAベンダーである。 同社のWindows Mobile機2機種は、マイクロソフトブースにひっそりと参考展示されている。ブースの係員の説明によれば、コンシューマ向けの販売も行なわれる予定とのこと。 「Mio558」はCPUにPXA263 400MHz、メモリ64MB、SDカードスロット、Type 2 CFスロットを搭載。125×15.3×74mm(幅×奥行き×高さ)、重量157g。Windows Mobile機としては一般的なスペックだが、IEEE 802.11bとBluetoothの2つのワイヤレスインターフェイスを搭載する。 「Mio339」はPXA255 400MHz、メモリ64MB、SDカードスロット、121.7×13.8×72.8mm(幅×奥行き×高さ)、重量120gと、これまた一般的。が、こちらは背面にデジタルカメラを内蔵する。撮像素子は30万画素のCMOSなので、画質にはあまり期待できそうにない。しかし、店頭予想価格39,800円のカメラ搭載機ということで、PDAファンの注目を集めそうだ。 □マイタックジャパンのホームページ
●チームつかもと、幕張に参上 「歩くウェアラブルPCのショーケース」こと塚本昌彦 助教授(大阪大学大学院 情報科学研究科 マルチメディア工学専攻)のNPO「チームつかもと」が、各種ベンダーに交じって、会場の一角に堂々たるブースを構えている。 展示内容は同チームが研究開発したウェアラブル・コスチュームとグッズ類、そして、鈴鹿8時間耐久レースに参加した時の機器。コスチュームには、鈴鹿でNTT未来ねっと研究所の板生知子研究員が着たワンピース(を再現したもの)も含まれる。件のワンピースには「ともたん1号」なる名前が付いていた。 ブースではヘッドマウントディスプレイを装着して、鈴鹿のログを見ることもできる。説明してくれるのは、液晶ディスプレイ付きのユニフォームを着た、チームつかもとの学生さんだ。 □チームつかもとのホームページ ●離陸寸前の電子書籍、2つの端末が登場 松下電器産業と東芝のブースには、電子書籍専用端末が展示されている。 松下電器産業のものは、「ΣBook」と名づけられており、XGA(1,024×768ドット)表示可能なグレースケールの7.2型液晶×2を装備。1度描画された画像が、再描画されるまで電源無しでそのまま表示される「記憶型液晶」を使用している。書籍データはSDメモリーカードに保存する。電源は単3アルカリ乾電池×2。開いたときのサイズは292×12.7×205mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約520g。 特筆すべきは37,900円で11月から販売されるということだろう。本体価格がやや高いため、中高年層を狙うということで、コンテンツも中高年向きのものが多いそうだ。 東芝の端末「SD-book」は、640×960ドットの7.7型低温ポリシリコンTFT液晶×2を採用している。松下同様SDメモリーカードに書籍を保存するが、電源はリチウムイオンバッテリ。カラー表示ができ、音声再生機能やFlash再生機能を搭載する。発売の予定はの今ところないが、松下のものより高機能で、電子書籍リーダー以外の機能も併せ持つこともできそうだ。
□WPC EXPO 2003のホームページ (2003年9月19日) [Reported by tanak-sh@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
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